20240101「静かな冬の小さな町で」

静かな冬の
眠った町の
暖かな小さな家
その部屋で暮らし
何かを与え
何かを奪い
生活の一部を転がして
１年を始める
昨日のこと
さっきのこと
瞬間に入れ替わる
蓄積されつつ
過ぎ去るもの
そこで見出すのは
別の在り方
付け加えては
その意味を増やし
わたしたちの選択を促し
ひとつのひかりとして在ろうとする

生活の一部
二部構成の階段を跨ぎ
１段１段を付与し
その足跡を誰かがなぞる
ふむふむそう来たか
ならば別の方へ進み
その先にあるものを示し
そっちじゃないよとか
そうそうこっちはいいかも
なんて選択肢を与えよう
状況が変わるから
止まることもあるけれど
どれもが変転するのなら
せめてもの願いの類いを募り
供に生き延びよう
苦い経験を参照し
止め処ない涙を辿り
とぼとぼ進みながら
新しい景色を見に行こう

見慣れた光景に
別の知らせを届け
与えられるそれぞれの使命
何をしてもいいと
誰かが言って
悪いこともいいことも
一緒くたになって
転がる暮らしの中
何処にいても渦中なのなら
虹でも播いて
とりどりの反射で
その意味を伝えよう
残っている雪を
しゃくっと拾い
冷たさを味わいながら
流れへと委ねさせ
すれ違う物ものの差異を眺め
存分に味わっておこう
もう直ぐ夜が開ける