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2023年3月に読んだ本【読書日記】

こんにちは😌

2023年3月は14冊の本を読みました。
内訳は、

  • 小説11冊(内Audibleで2冊)

  • エッセイ2冊

  • ビジネス・自己啓発本1冊(Audible)。

今回は、2023年3月に僕が読んだ小説、エッセイ13冊をまとめた記事です。
各作品で、印象に残ったフレーズを載せました。
あなたにとって響くフレーズがあるかもしれません。

1.『麦本三歩の好きなもの 第二集』(著:住野よる)

明日は今日よりもちょっと頑張れたらいい、もし出来なかったら明後日でいいや。明々後日も恐らくまだ生きてるから大丈夫。

『麦本三歩の好きなもの 第二集』

お隣さんは他人なのに三歩がここに住むことに文句を言わず、自らの生活を送ってくれている。

同時に自分はお隣さんである彼女の存在を許して、自らの生活を送っている。

そして互いが生きていることを知りながら、救わず、役に立たず、放っておいている。

なるほど、きっとそこに共犯関係がある。相互依存がある。この世界に存在することを、自分一人で抱え込まなくてもいいという安心がある。だって私のこと何も知らない他人が、生きてていいって思ってくれてるんだって、胸を張れる。

『麦本三歩の好きなもの 第二集』

2.『噛みあわない会話と、ある過去について』(著:辻村深月)


「真面目な人って、義務が得意なんだよね」

「すべきことを与えられるとそれは一生懸命、とにかくこなすことを考える。無駄がない質素な生活を心がけて、清く正しく生きることが得意。その逆で、苦手なのが娯楽や贅沢。何かを楽しむってことがすごく苦手」

『噛みあわない会話と、ある過去について』

辻村深月の小説を読んでいて、いつも素晴らしいと思うのは、幽霊を抱えて生きる人たちの苦しさや切なさが見事に描かれているところだ。初期の作品から一貫して、傷ついているけど、傷ついていないように見せかけることで、周りを傷つけてしまい、孤独になってしまう人物を、彼女は描いてきた。

『噛みあわない会話と、ある過去について』解説より

3.『爆弾』(著:呉勝浩)


時限爆弾とは、なんと厄介な代物だろう。いったん「ある」と思わせられたが最後、「ない」と証明できるまで恐怖につきまとわれる。どこかでひっそりとその瞬間を待ち、時を刻んでいるのかもしれないという想像がぬぐえない。

『爆弾』

「わたしたちが身勝手だからです。平気で他人に優劣をつけるからです。それを野放しにしていたら平穏な生活が守れそうにないから、だからルールをつくったんです。長い時間をかけて、知恵を持ちよって、完璧でなくとも、妥当なルールを。人の命の平等を、実現するために」

『爆弾』

4.『時をかけるゆとり』(著:朝井リョウ)

それに、もしここでリタイアしたら、きっとこれからの人生ずっと辛い場面でリタイアし続けることになる気がする。今日の夜までこの脚で歩き続け、ゴールすることができたら、きっと私の中で何かが変わる。
午後五時辺り、五区の休憩所に着いた。
五区の休憩所は、私のアパートのすぐ近くだった。
私は一瞬でリタイアを検討した。数行前で「ゴールすることができたら、きっと私の中で何かが変わる」等と企業CMばりの自己啓発コメントをぶっ放していたが、私は瞬間的に「ここでリタイアしたら楽だお」と思った。

『時をかけるゆとり』
「地獄の100キロハイク」

「あがり」なんて、どこにもない。どんなマスに止まることになろうと、もうそこに数字なんて書かれていないように見えても、私はルーレットを回し続けなければならない。
受賞祝いにいただいた花は全て枯れる。つまらない作品を書けば、仕事の依頼はすぐに途絶える。どんなマスに止まることになろうと、もう誰にも読んでもらえなくなったとしても、書き続けるしか道はない。

『時をかけるゆとり』
「直木賞を受賞しスかしたエッセイを書く」

5.『#真相をお話しします』(著:結城真一郎)

俺たちが思っている以上に、小学六年生は大人だぜ。

『#真相をお話しします』

6.『大延長』(著:堂場瞬一)

こんな試合は、野球の神様が仕組まないと実現しない。(中略) その神様は、左手にグラブをはめ、右肩にバットを担いで悪戯っぽい笑みを浮かべている。日焼けした顔は、少年のそれだ。

『大延長』

7.『麦本三歩の好きなもの 第一集』(著:住野よる)

Audibleでの再読です。


「君の辛さは、私には分からない。だから、もし、本当にもう何もかも耐えられないと思ったら、死んでもいい。止められない。死んじゃ駄目なんて、君の辛さが分からない私には決められない。君の人生だから」

『麦本三歩の好きなもの 第一集』

折り返し地点なんてきっとない。
今日も前に進んでいなくちゃ、今日これから起こる楽しいことを味わえない。

『麦本三歩の好きなもの 第一集』

8.『さよならドビュッシー』(著:中山七里)

「重要なのはその人物が何者かじゃなく、何を成し得たか、じゃないかな。第一、君は障害があるかどうかで人間を二分しようとしているけど、それは間違いだと僕は思う。人は誰もが欠陥を持っている。ただその欠陥が何であるのか、その欠陥が見えるものなのか見えないものなのかという相違だけだ。だから皆その欠陥を修復するか、または他の長所で補おうとする」

『さよならドビュッシー』

みんなと同じ道と言うけれど、それは別に一本の道ではない。一人に一つずつ道はある。ただ、それが所々で重なっているので遠くから見れば一本に見えるだけだ。自分だけが特別な存在だというのは傲慢で、そして臆病な者の虚勢に過ぎない。
(中略)
大事なのはどんな道を歩くかではなく、どう歩くかなのだ。

『さよならドビュッシー』

9.『光のとこにいてね』(著:一穂ミチ)


「お前は強くてやさしいから、弱い母ちゃんを捨てられない。捨てるのはいっつも弱いほうなんだ」

『光のとこにいてね』

「ただ、あなたがこれから出会っていくたくさんの人たちのことを、断片的な要素だけで決めつけてしまわないでほしい。直は私の家族だけど、だからって私の人生について何もかも打ち明けようとは思わない。それはママも同じだろうし、あなたにもあなただけが大切に思うものや秘密があって当然だよ。心の中の家に誰をどこまで入れるかは直が決めていいの」

『光のとこにいてね』

10.『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』(著:若林正恭)

これまでぼくは起きもしないことを想像して恐怖し、目の前の楽しさや没頭を疎かにしてきたのではないか?
深夜、部屋の隅で悩んでいる過去の自分に言ってやりたい。そのネガティブな穴の底に答えがあると思ってんだろうけど、二十年調査した結果、それただの穴だよ。地上に出て没頭しなさい。
(中略)
ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。

『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』

11.『おやすみラフマニノフ』(著:中山七里)


「科学や医学が人間を襲う理不尽と闘うために存在するのと同じように、音楽もまた人の心に巣食う怯懦は非情を滅ぼすためにある。確かにたかが指先一本で全ての人に安らぎを与えようなんて傲慢以外の何物でもない。でも、たった一人でも音楽を必要とする人がいるのなら、そして自分に奏でる才能があるのなら奏でるべきだと僕は思う」

『おやすみラフマニノフ』

12.『ブロードキャスト』(著:湊かなえ)

Audibleでの再読です。

「ドラマを通じて受け取ったメッセージを、ドラマの中だけで終わらせちゃいけないと思ったんだ。カッコつけた言い方になってしまうけど、ドラマが背中を押してくれたんだ。物語の力だよ」

『ブロードキャスト』

13.『めぐり逢いサンドイッチ』(著:谷瑞恵)

パンにはさまれたものは、いつかどこかで食べたもの。それが不思議と目新しく、記憶よりもっとステキになって現れる。とびきりかっこよくなっていた幼なじみ、みたいな感じだろうか。

『めぐり逢いサンドイッチ』

「はんぶんこって、いい言葉よね。分け合うって、楽しそうだし、親しい人との間でしかできない、つながりを感じるっていうか」

『めぐり逢いサンドイッチ』

読める時に読みたい本を読む

3月に読んだ本の中で印象的な1冊を挙げるとしたら小説は『さよならドビュッシー』、エッセイは『時をかけるゆとり』ですね。
気になった作家さんは中山七里さん。岬洋介シリーズが好きになりました。

3月で本屋大賞ノミネート作をすべて読了しました。どの作品が大賞を受賞するかも気になります。

4月は新たに料理を頑張りたいということもあって、食べ物・料理系の小説の開拓を始めたいと考えています。また、本を通じて業務に関する勉強もしたいですね。

読書ができること、色んな本に出会えることに感謝することも忘れないように。

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