【ゼロイチ社長奮闘記】1人で始めた会社が社員を抱え都内にキッチンスタジオを建てるまでの失敗のキロク~雇用編~
会社が無事に8期を終えました。今年は初めて銀行から大きな融資を受けてキッチンスタジオを都内に作りました。
私は私1人が管理栄養士料理家として売れて行き、法人化したのですが、そこから「人を雇う」苦労と会社の成長に合わせて環境を変えていくことにビジネスモデルとなる同業がいなかったので、そこそこ悩みながら歩んで来ました。これは1人社長でスタートした方には似たような経験も多いのではないかと思い、9期目に入る節目に、ここ数年の記録を何回かに分けてnoteに留めようと思います。
副業をやっている方、フリーランスの方、1人社長からどうスケールしようか試行錯誤している方、自身のキャリア形成等で悩んでいる方たちの今後の何か1つでもヒントになれば幸いです。
まず、弊社が、どういう会社なのか、私の経歴を含めてはこちらを先にご覧下さい。
そして今回、書くことは色々ありすぎるので何に絞るか迷ったのですが、都内の真ん中千代田区にキッチンスタジオを作るまでの経緯は今年の一大イベントでもあったので笑、銀行融資を通すに至るまでやスタジオの設計については、年末年始にでも、noteに書かせてください。(宣言しないとサボるので書く宣言・・・)
今回のテーマは、「人の採用」
1人からスタートした会社で、そして順調に業績が伸びた会社の次の問題って、絶対に「人」なんですよ。
仕事やお金の問題は、悩んだりしながらもなんとかするものですが、人ばかりは、自身のことだけではないので、どうにもならない苦笑
そして、こうやって文章に整理できるようになるまでかなり長い年月もがいてきたので、同様にもがいている小さな会社の初心者マークの人たちは恐らく沢山いるだろうと思い、恥を忍んで文章にすることにしました。
前提、雇用に悩む初心者社長についてのここでの定義ですが、事業と将来目指したいビジョンは明確で、ブレない強固な意志で事業をずっと継続努力し続ける。というマインドの人に向けてであることは、ご了承ください。なぜなら、ここが揺らいでいる人が読んでも、人と会社が育たない原因は、別の場所にあるかもしれないからです。
そして弊社は税理士、安定の経理(財務にも長ける)、秘書級の事務さんがいて、そこから先のプレイヤーである人事の悩みであることもご了承ください。(むしろ、バックオフィス体制が整っていない方は、会社のスケールはそちらの体制を整えることが先だと私は考えます。)
はじめに、私がはじめて正社員雇用をしたきっかけは、1人の将来独立希望の子の「うちの会社で勉強したい。」という申し出からでした。何故ぜその子が続かなかったのかは今回のテーマと少しずれるので割愛しますが、私はその時「正社員で雇用する」という経験を踏め、次も社員を入れられる数字の感覚と経営の感覚を身に着けることができたので、それはそれで良かったと思っています。
まずはPLとにらめっこしながら、いけそうだったら雇ってみる、はおススメです笑
ただ、必ず言えることは、
「雇用して広げた風呂敷はたためない。」
です。(3回くらい言いたい・・・笑)
ですので、その先のビジョンに自分の人生、ずっと社員の人生を抱えたまま歩む覚悟は本当に本当に本当にありますか?という自分への問いで、迷ううちはやめた方が良いと思います。
人を雇用するって、人の人生を背負うので、「儲けたい」等軽い気持ちの人は、辞めた方が良いと思います。
前置き長くなりました。さてさて、ここからは私の稚拙な失敗談。
本当にレベルが低いので、興味がある方は読み進めてください笑
ありがちな人を雇う失敗ステップ
1人社長会社って、仕事が増えていくのは「自分への仕事依頼」なので、最初のステップとして、手が足りない分を「アルバイトやパートで補う」という応急処置で、事業を伸ばしていきます。そして、少しレベルが上がる仕事は「外注で補う」というステップに向かいます。
それでも仕事が増えていくと気になりだすのが、そこにかけている外注費です。「これだったら社員を雇い自社で人を育てた方が外注費の圧迫も軽減できるし、内製化できて良いのでは・・」という思考に行くのです。
はい。私は単純にこのような爆弾を踏みました笑
「人が足りないから人を雇用する」は失敗する
これ、ほんと多くの経営者に言われてきたことなのですが、本当にそうでした笑
「一人でスタートした会社はスケールしたいときに壁が大きい」
ずっと人で悩んでいた数年、自分より大きく経営をしている人、経営の経験者等沢山の人と話をしてもらいましたが、成功している人は全員
「会社は右腕ができてはじめて加速するよ。右腕と左腕ができたら、そこからは今までとは全然違う速度。」
と言っていました。
経営者の皆さん異業種で様々な状況の方々なのですが、皆さん口を揃えて言うんですよ。
「まずは右腕」。
その感覚がわからないまま、私は右腕がいないまま、
2人、3人と、人を雇いました。
単純に、私にない経歴の人を選びました。中途採用なら即戦力だろうという勘違いと共に・・。
「経歴」のレベル
「商品開発をやっていました」「レシピ開発を月50本やっていました」・・私は個人事業主からのスタートなので、自身でゼロから100まで仕事をやってきました。ですので「やってきました」を私の感覚の「やってきた」で判断しました。当たり前ですが、企業の中の「やってきました」は、「やっていた部署にいた」に過ぎないのです。
はい、当たり前ですよ。はい・・。
「やってきた経験者」は自社の中では初心者でしかなく、スキルもとてもじゃないけどお金をもらえるプロレベルではないのが世のスタンダートだということに気づき、どの仕事も私が「お金をもらえるレベルに手直しする」という業務が発生し、雇用にお金をかけて、私だけが忙しくなるという地獄を見る羽目になりました。。
その中のメンバーが、熱量持って一緒に事業を推進してくれる幹部候補だったら違ったのかもしれませんが、そういうレベルの幹部候補はそうそう巡り合えません。
強固な経営陣の体制がない会社に、個人が集まるとただの集団で、全員、モチベーションは低いほうに流されていきます。
もっと良い環境の中に入れてあげられていれば、良いステップを踏めたかもしれない子も正直いたので、私の不甲斐なさでその組織をダメにさせたことは、今でも私の反省点です。
余談ですが、その組織がダメになる前は、オフィスは汚かったです。仕事柄食材の出入りで毎日冷蔵庫冷凍庫保管庫があふれるのですが、みんな管理ができず、どこを開けても汚くて、私がよく怒ったり、週末掃除したりしていました・・(そもそもそれもダメ笑)次の人のことを考えながら仕事ができていない、他人事、等色々な意味で組織が良いチームになっていなかったのだと思います。大手さんだったら色々なモチベーションの人の雇用はアリだと思いますが、数人の会社では致命的。「どうやったらより良くなるか」を自分事にして考え遂行できる人を見つけていく必要があります。。
「○○をやっていました」という経歴は、かなり具体的な質問をして、どの部分をどの程度担ってきた人なのか?上司がやってきた仕事を自分のことのように話していないか?本当にどこまでやってきた人なのか??しっかりと理解したうえで採用することも大切ですね。
その仕事は自分事化して熱心に取り組んできたか?どれだけ世の中に通用する実力となっているのか?時間をかけて話をするようになりました。
ただ多少はわかっても、話し込んで全てわかるわけでもないのが難しい所。
やっぱり、経歴はただの経歴に過ぎないのです。それよりも結局は、
「この人を仲間にしたいか」なんですよね。
自社に合っているか。経営者としてずっと一緒にやっていきたいか。
結局は、経歴ではなくて、「人」なんですよね。
幹部候補が見つかるまで多少お金がかかっても外注が良い
実は今は、今まで5人くらいでやっていた仕事を優秀な社員と2人で回し、肝となるところは2人でやり、外注できる所は優秀なフリーランスに仕事を任せるようになりました。
そうなんです。やっと、弊社も、右腕の誕生です・・。
やっと、過去経営者の方々が口にしていた「右腕ができてはじめて会社が加速する」の入り口が見えたのです。
ただただ人数が増えても、会社は、加速しないのです。
人なのです。
そうなると気が付くのが、
「何人雇っても土台がない組織では草木は根付かず育たない」
ということです。
今までの失敗が、ものすごく身に染みてわかるようになりました。
ただ、小さな会社では、優秀で、自身と似たような熱量と感覚で共に歩んでくれる人を見つけるのは至難の業です。優秀な人は大手に行きますし、独立して経営しているかもしれないですしね。
難しいが故に、「この会社では何ができるのか。どういう景色をこの先目指して経営しているのか」を表に見せ続け、人からの紹介を含め、「この会社で働きたい!」という人との巡り合いを待つしかないのかなとも思います。
それまでは、正社員を探しながらも、優秀な外注と仕事をして事業を拡大していった方が、多少経費はかかっても、個人的にはベターだと思っています。
安定して雇用を早々に増やす会社の特徴
でもここ4~5年、土台が早いうちから安定して雇用を増やしている会社の特徴は
●「元同僚同士で幹部を固めた会社」
→仕事の熱量や常識が同じだから会社の風土を作りやすい
●「身内が社内にいる」
→絶対的な味方なので、社内の雰囲気を悪いほうに導かない
かなと感じます。
なので、一人社長は、ここのアドバンテージがないので、乗り越えなくてはいけない壁は、とにかく大きいのです。とにかくまずは、土台(強靭な幹部)を作る。
まだまだ私もここからのステップで沢山転ぶと思うのですが、
ここまでの転倒が、少しでも多くの方の参考になれば幸いです。
個人や自社のサービスを通して、社会貢献し続けられるように、
頑張りましょう☺
もちろん、素敵な人材が来てくれるように、素敵な会社でありつづけること、自身も会社も魅力的に成長していくことが、何より大切なことでしょうけどね。
あ、土台がようやくしっかり整った弊社なので、働きたいと思う方も随時募集しております。興味がある方は、ご連絡お待ちしております。
株式会社Smile meal