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科学はSDGsと脱炭素に貢献できるか?

  noteの5つの記事をひとつのメッセージとして、まとめなおしました。これは、真鍋淑郎さんが「コンピューターを使った地球温暖化などを予測する手法を確立したこと」を理由にノーベル物理学賞を受賞したことへの、お祝いを込めていることが一番にあります。本当に、おめでとうございます。

 吉報をうけて環境問題において、科学が社会にどう貢献しうるのか?を自分なりに再整理しようとしました。

 結論を書くと、科学の貢献は、社会の大前提を明確にすることです。ただし、その大前提中で社会を創っていくには、科学と対話する姿勢が重要です。

 なお、私は科学者(いわゆる理学)とは立場が異なる工学者(いわゆる工学の中でも社会工学)を専門としており、理学では推し量れない人間・社会を扱っています。そして、専門家ながら、どのように公的・民間セクターと協働できるのか?を日々考えて過ごしています。そのために科学の最新の知見をウォッチしています。

 対話を通じて、科学者と人間・社会の橋渡しをするのが仕事だと考えています。そんな立場を最初に明確にしておきます。

 目次は、以下の通りです。お付き合いくださると嬉しいです。いくつかだけ気になる際は、マガジンをご覧ください。また、スキを押しておいて、読み返してくださってもうれしいです。

①プラネットバウンダリー
②科学的な対話
③専門的な知見と集団の知恵
④感性との融合
⑤クリエイティビティとのつながり
⑥バックキャスティングと多動力

 note的には、私の記事で最もpv数もスキ数をいただいたのが、科学論文の読み方でした。需要があるかとも感じています。

①SDGsと脱炭素の科学的裏付け プラネットバウンダリー

  皆さんは、科学・サイエンス、数値、専門知を信じますか?
 
それとも、自分の感覚、センス、地域の知恵を信じますか?

 私は、どちらも信じています。でも、その二つの確固たるものが矛盾するときが往々にしてあります。そんなとき、何を基準に「今」を選択していけばよいのか、これは個人や組織の「ビジョン」なのだと思います。科学に盲目になること、感覚に盲目になることは、危うさを内包します。

 スチュワード・ブランド氏は、社会的な課題にむけて世界を動かす種族として、ロマンチスト、科学者、エンジニアがいると指摘します。詳しくは、「サステイナビリティを哲学する意義①」の解説しています。

 ロマンチストは、例えば環境問題を主張する方々で、これは世論や政治を動かします。そして、科学者がそれを解明して、エンジニアが解決するという世の中の見方です。むろん、エンジニアは、ゴリゴリのプログラマーってわけではなく、企業や官庁で日々解決に励んでいる方々です。

「三者は三様で、ロマンチシストは問題が発生することを歓迎し、科学者はその原因を突き止め、エンジニアはそれを解決する。」
引用;「地球の論点現実的な環境主義者のマニュフェスト」
スチュワート・ブランド(2011)

 この見方に立ち、まずは、科学者たちが何を明らかにし、何を警告し、何に希望を見出しているのか、を整理していきます。

プラネットバウンダリーという考え方

 SDGsと脱炭素を考える際に、セットで知っておく必要があるのが、プラネットバウンダリーという考え方です。地球の境界線と訳されます。地球には境界線があり、それを9つの指標で測り、現状を診断します。

 科学者が大の得意とする「定量化」地球の許容力を数値として表します。そして、地球の置かれた状況を把握し、改善をしていくわけです。

 なお、プラネット・バウンダリーの具体の9つの指標は、wikipediaで確認できます。

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宇宙という書物は数学の言葉で書かれている
ガリレオ・ガリレイ
*定量化することの重要性は周知のとおりです。
 ビジネスマンにとっては、企業やクライアントのKPIかもしれない
 健康に留意する人ならスマートウォッチの運動量かもしれない
 『note』のクリエイターの方々ならpv数やスキ数かもしれない
*プラネットバウンダリー・地球の境界線は、いわば地球の健康診断結果

診断結果

 その結果が芳しくない。そんな結論が報告されている。
 具体的には、

・生物種の絶滅率が高く生物多様性のリスクが高い
生物地球科学的循環(Biogeochemical cycle)*のリスクが高い。
気候変動のリスクが増大している。
土地利用の変化によるリスクが増大している。

*地球は食物連鎖や土壌・河川の流れで窒素やリンの平衡状態が保っているが、そのバランスが崩れると、予想外の現象が起きるとされている。
詳細は、割愛する。

 しかも、それらの「定量化」した指標は、相互に連動しています。そのため、ある指標が増えすぎると転換点・ティッピング・ポイントとなり、地球の機能が衰退してしまい、人間にとって取り返しのつかない状況になってしまいます。

 なので、「何とかしないといけないですよ!!!」っと科学者は長年、警告してきたわけです

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©FOBUS
写真が示すように、地球には確かに境界線があります。

 科学者の声は、往々にして正しく社会に受け入れられずらいものですそれが、これまでの歴史でありました。これまで、言っていることが科学者によって違う!と不信感を募らせるか、難しい話は、やめてくれ!と煙たがられるのが関の山だったんです。

 でも、それを乗り越え、プラネットバウンダリー・地球の境界線SDGsと脱炭素を支える科学的な根拠へと深化していきました。そして、その過程で、共創的な対話が重要な役割を果たしました。

 ただ、最初の質問のように、科学的な正しさと、人が腑に落ちるには大きな開きがあります。それもまた事実です。それを埋め合わせるのは対話、そして感性あるいは芸術のパワーかもしれません。

 科学者「対話」と「協働」の道を模索しつつあります。もともとアカデミックの世界はその中ではオープンな世界です。ただ、外から見ると閉鎖的かもしれません。科学者の相互理解への努力の一端を伝えたいです。

②プラネットバウンダリーをめぐる科学的な対話

  プラネットバウンダリー・地球の境界線指標をめぐり、科学者たちは、科学者間のみならず、政策担当者、ジャーナリスト、市民、企業等々と、繰り返し繰り返し、反証と議論を積み重ねてきました。もともと違う「言語」をもつ人たちが理解を深めるのは、大変な作業だったと思います。

 それでも、その科学的な対話の結論が収斂されていき、それを国連が受け止め、SDGsの根拠の一つとしたわけで、その意義は大きいと思います。

 その背景には、1960年代から、地球の診断を試みる研究は続いていました。真鍋先生は、まさにその先駆者です。

 2000年代に入るとその知見はが十分に蓄積されつつありました。その折、ストックホルム・レジリエンス・センターヨハン・ロックストローム所長とそのグループが、2009年9月に『Nature(ネイチャー)』に、 「A safe operating space for humanity、人類が安全に活動できる領域」という論文を発表しました。

 これは、地球の状態を総合的、包括的に指標化、数値化するという壮大な知的な挑戦したものでプラネットバウンダリー・地球の境界線の考え方の基盤となりました。

 その後、精力的に研究成果を発信し、学術界では引用数=9704(goole scholar, 2021/1/25時点)とかなりハイ・インパクトな論文となりました。中には批判的なものも当然あり、喧々諤々と紙上や学会等で議論してきたわけです。

 そして、プラネットバウンダリー・地球の境界線の考え方は、科学界のみならず、各国の関係者の関心を集めていきました。ヨハン・ロックストローム氏らは、政策担当者、市民、NPO等からの様々な批判に対し、丁寧にこたえ、対話をし、その考え方を固めてきました。

 その科学的な対話が、プラネットバウンダリー・地球の境界線妥当性を担保し、SDGsと脱炭素を支える科学的な根拠へと深化していったわけです。

 そして、こうした地道な努力のおかげもあって、SBT(Science Based Target)、科学の基づく目標が必要との共通認識がもたらされました。

 SDGsと脱炭素の根本には、こんな事情があったわけです。

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ヨハン・ロックストローム氏の対話の様子
Centre science director Carl Folke and centre director Johan Rockström presenting at the Soneva dialogue.
Photo: J-B. Baptiste/Stockholm Resilience Centre

③専門的な知見と集団の知恵

 「科学的」というと教科書に出てくる”絶対的に正しいもの”と、感じる人もいるかもしれないです。一方、自分が受け入れられない「科学的」結果を「エセ科学」としてはねつける時もきっとあると思います。

 でも、科学は、ある前提条件や対象に限定したときのみ、正しいものです。だから、その前提条件と対象が異なれば、おのずと結果が変わってくる。また、結果の解釈も人により異なります。

 そんな事情もあり、「科学的」なものは、専門家と素人のコミュニケーション・ギャップが問題になることが多いのが実情ですそして、科学者の人も、自分の分野は専門家。でも、少し離れると素人。

 一方、素人と思っている人も、身近のことの専門家であることもあります。「集団の知恵」という「科学的」にも劣らないものもあります。そんな入り組んだ状況にあるので、人は、「科学的」であることを時に信じ込み、時に不審に感じる、わけです。

 そして、そんなギャップを埋め合わせ、前向きな結論を得るには、「対話」と「協働」の積み重ねが欠かさないという認識が、ここ最近の潮流として定着しつつあります。あまりに複雑なことは、一人の知見と経験、一つの論文、一つの原理原則、一つのモデル群では、説明できないので、補い合おうという自然な流れです。

 これは、余談ですが、寺山修司が「書を捨てよ、町へ出よう」を出版したのが1969年のこと。大学にこもった学生を町に引っ張り出し、実際の地域とそこに住む人に注目するようになりました。そこから半世紀がたち、その流れは、これまで研究室や自然の中で思索にふけっていた科学者も「対話」と「協働」を町で進め、相互理解を進める時代になってきたわけです。

 ただ、科学的な「対話」と「協働」が必ずしも人の腑に落ちるとは限りません。より直感的な理解を促すものは、感性あるいは、芸術のパワーかもしれなません。

④感性との融合

 物事を「科学的」に全部を理解できる人って私も含め、ほとんどいないはずです。私は、大学で偉そうに教えていますが、他分野の専門的な内容を理解するのは、容易ではありません。顕著さと未知への敬意は、個人の感性の中で育まれます。

理屈を理解すること、と腑に落ちる感覚

 例えば、私は、廃プラスチックの有効利用する仕組みをデザインすることを専門のひとつとしています。しかし、廃プラスチックが海洋の生態系に及ぼす影響は、正しく理解していません。

 なので、私の仕事は、有効利用する方策とその効果、そして、お金がいくらかかるかを明らかにします。でも、生態系への影響は、今の経済・社会の仕組みには反映されていないので、目をつぶらざるを得ません。それでも、他の人たちの研究成果を活用をもとに、大まかに把握はしておきます。

 でも、少し考えちゃいます。
 
どこかで遠く離れた場所への影響の数値って、実感を得ずらいんです。

 そんな時、一枚の写真や映像が心を動かす、ことがあります

 例えば、 WWTのサイトをご覧ください。廃プラスチックの網でもがくウミガメ。そりゃ、何とかしなくちゃ、と思います。そりゃ、『ファインディング・ニモ』のクラッシュが頭に浮かぶわけです。

 そうすると、今の研究が、海洋の生き物にとってよい影響を少しでももたらすなら、日々のプレゼンもディスカッションも執筆も、そしてその準備のための途方もない知的鍛錬もしっかりとやろうと思えます。
 そんな気にもなるわけです。それは人間らしさなんだと思います。

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写真は、『Unsplash』より
Beautiful, free images gifted by the world’s most generous community of photographers. Better than any royalty free or stock photos.

科学者と芸術家のコラボレーション

 そこで、重要なのが科学と感性・芸術との融合だと思います。最初に述べた科学者とロマンチストの連携です。その連携が、多くの人の理解を助けると考えています。

 その試みの代表的な試みを紹介していきます。前述した『Nature(ネイチャー)』の論文の著者の一人J.ロックストローム氏が、写真家のM.クルム氏と共著で書いた書籍『地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発(2018,丸善書店)』です。最近、訳者の方々のご尽力で、日本語訳が読めるようになりました。
*ちなみに、本の帯は西川きよしさんです^^)

 写真家のクルム氏が映し出す地球の姿、ロックストローム氏の合理的だが抒情的な文章がとにかく素敵です。科学者とロマンチストの自分が、不可分に地球の状況を咀嚼し、芸術的な表現を経て、エンジニアの私を刺激してくれます。

 何より、世の中で起きていることの全体像が分かるし、かといって悲観的ではなく、人間のクリエイティビティを信頼している。

  写真と映像のパワーにご関心のある方は、地球の生き物をみずみずしく映し出すM.クルム氏のサイト(作品)をご覧ください。

 また、同時にこれらの作品を使って3,000回もの講演をしています。M.クルム氏のサイト(講演)でその様子を垣間見ることができます。

「数字による説明だけでは達成できない。
それは感情と思考の両面から起こることが必要だった。」

『地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発(2018,丸善書店)』
序文より抜粋。

 この科学と感性・芸術を融合させた情報発信方法は、やはりレイチェル・カーソンさんの影響が大きいと思います。

⑤クリエイティビティとのつながり

 科学者が示すように、プラネットバウンダリー・地球の境界線が危機に脅かされているのは、間違いありません。そして、それは数値としても示されます。同時に、写真や映像など芸術を通じて、地球の置かれた悲惨な状況を目の当たりにするかもしれません。

 でも、課題は山済みだ、と悲観してしまっては社会は前進しませんよね。

 対して、公衆衛生に携わってきた医師ハンス・ロスリング氏とそのご家族が著した『FUCT FULNESS(2019,日経BP)』が明らかにしているように、個人レベルでは社会は大きく改善している側面もあります。どちらもファクトです。また、地球の美しさ人間の素晴らしい側面もまた、芸術を通じて、日々、感じているはずです。

 一体、どっちが本当なんだ?

 二つの世界の見方に対し、私たちは、現実を直視し、未来を切り開く力をもちあわせ
 歴史を紐解くと、境界の中で、個人個人がクリエイティビティを発揮する、というのは人類の生存戦略なのだと思います。ただ、今回の境界は、自然でも、資源でも、軍事でもなく、科学が定義したものです。

 自分たちの活動に対して、自分たちで境界を設ける、というのは、一見すると受け入れられがたいことです。自由を奪われることと表裏一体なのです。だからこそ、ビジョンが重要です。

 一方で、境界というのは、クリエイティビティを刺激する格好の状況でもあります。#1で紹介した『地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発(2018,丸善書店)』の「あとがき」に素晴らしいたとえが載っているので、ご紹介したいと思います。

 「持続可能性は、つまるところ何ら制約的なものではない
それは、たとえば、サッカー場を画するラインが、リオネル・メッシの素晴らしいプレイを可能にするのと同じように、革新を促進するからだ。」

 プラネットバウンダリー・地球の境界線が喚起させるネガティブな側面を、鮮やかにポジティブな表現へと換えています。

 つまり、地球という目線では、際限なく人間の活動が拡張してきている。そして、その境界を超えようとしている。でも、個人個人は可能性を秘めている。科学に基づきライン引きルールを創りチームワークを強化することが重要になってきます。

 SDGsは、その境界内で、個人、そして組織、自治体、国のヴィジョンを明確にし、各々のクリエイティビティを高める役割を担うこと、が期待されています。

 例えば、日本では脱炭素がようやく紙面をにぎわせています。今後、明確にラインとルールが変わることになります。それは、パリ協定とSDGsを読めば、書いてあるわけです。どう受け入れ、どう準備するか、ビジョンをもって過ごせば、ワクワクするような未来が待っています。

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©PIXTA

Twitterの創始者ジャック・ドロシーは、制約がクリエイティビティを刺激すると信じ、140字の制約をつけましたね。

 ここまでをまとめると、「皆がプラネットバウンダリー・地球の範囲内で、SDGsが掲げる理想と現実の状況を踏まえてビジョンをもち、鍛錬して、チームワークを強化し、応援しあうことで、クリエイティブな活動をしていく」ことが潮流になるということです。

⑥バックキャスティングと多動力

 プラネットバウンダリーで地球の境界線、つまりラインとルールが決めること、その中でSDGsの果たす役割の重要性を記事にしました。そこで、SDGsの特徴を整理します。以前、紹介した蟹江憲史氏の『SDGs(持続可能な開発目標)』の論をお借りすると「仕組み・測る・統合性」がそれにあたります。

 そして、実現に際しては、バックキャスティングという考え方が重要だと強調されています。目指すべき将来の姿を描いて今やるべきことを決めるという手法です。日本語だとキャスティングは、釣りで先を目がけて投げ入れて、それをリールで引くことですので、SDGsのターゲットに目がけて目標を定めて、目的の社会を手に入れる、ということになります。

 『note』のクリエイターの皆さんは、ビジネス書や自己啓発本を読んだ方が多そうですので、馴染みが深いと思います。「まずは理想の姿を思い浮かべること!」というキラーワードです。そして、「その理想に向かって日々の習慣を変えよう!」「周りの環境も変えていいんだ!」とマインドを変え、「ふさわしい人としてふるまう!」とおのずと目標は叶うという話です。

 し・か・も、SDGsの厄介なところは、個人、企業、NGO、自治体、国の目線で、17の目標と169のターゲット指標「測り」、いつまでに目標達成するのかを決め、指標間や他の人や組織との「統合性」を確保し、ゴールに向かう「仕組み」を創る必要がある、ことなんです。

 自分の目標達成も危ういのに、社会の目標を達成することに貢献できるのかしら?と考えるのも当然だと思います。

 なので、SDGsはキャッチ―であることはとても重要です。「何となく気になる」が出発点です。すでに国際社会と国はコミットしています。個人に訴えかける動きが活発化してきているのは、自然な流れです。アパレル業界などがエシカル消費に着目し、発信するのはとても嬉しい動きです。「The Green Carpet Fashion Awards」「PEN」とかおしゃれですものね。

 加えて、企業もそれに応じています。ここ数年、バックキャスティングで2030年、2050年を思い浮かべるワークショップをした企業は増加していると思います。社内で話題に上るのは、そうした事情があると思います。

 中小企業も含めて上層部は、早い段階で、投資家、取引先との関係でSDGsの潮流を理解し始め、コミットし始めています。SDGsを検討する担当部署もできたはずです。バッチも作り、名刺に印刷します。まずは、認知度が高まります。

 ただ、企業のような組織の場合、社訓的なものはあっても、SDGsのように具体的な目標を、全社を挙げて決定するのは、容易ではありません。多くの人と対話して、それをビジョンに仕上げていくことが重要になります。そのための手段の一つがバックキャスティングです。2030年、2050年、わが社はどうあるべきか、では今からどんな準備をすべきか?を決める必要があるわけですね。

 もちろん、未来に一っ飛び出来るわけではありません。自社の持つ歴史、人材、関係性を基に「はじめの一歩」とそれを習慣化する仕組みを創ることが今後、求められてきます。社長が「わが社は、SDGsに貢献している」と胸を張っている姿も散見されますが、現場レベルで実感できるには時間がかかるかもしれません。

 また、バックキャスティングは、万能ではありません。堀江貴文氏の言うように「多動力」で動き回る力も重要です。先のことを考えるより行動しろ、というのもうなずけます。今の試行錯誤の延長線上で未来を見ることをフォアキャスティングと言ったりします。ただし、堀江氏には、将来のビジョンは明確にあると思うんですよね。

 どちらも取り入れられるとよいですよね。

 加えて、ある段階で、しっかりとSDGsと脱炭素の意味するところに立ち向かう人は急増すると思います。私の見立てだと、たぶん、来年あたりです。なので、今から色々と書いて材料をため込みます。


てなわけで、真鍋先生へのお祝いを足がかりに科学と人間・社会との関係を記事にしました!

本当にここまで読んでくださった方、心から御礼です。感謝。


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