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石けんの種類と『純石けん』のすすめ

 【石けんの起源】

 紀元前3000年代のメロポタミア・シュメールの記録粘土板には、既に人間が薬用として石けんを使用していたと書かれています。
 動物を殺して焼いて食べるときに、焼いた際に滴り落ちた脂と、燃やす際に使った木の灰(アルカリ性)が混ざり合って、石けんのようなものができたと言われています。
 自然発生的に生まれたものですので、川に流れても、環境を汚さず、人にも環境にも優しいです。

 【合成洗剤の起源】

 合成洗剤が日本に入ってきたのは戦後です。
 もともとは、第一次世界大戦中に、ドイツ
にて、石けんの材料とされる食用油が不足し、低コストで石けんをつくろうと、食用油の代わりに石油を原料にした、合成界面活性剤を開発しました。
 それが、第二次世界大戦中に、アメリカの工業化により大量生産に成功し、戦後に日本へ入ってきました。 

【合成洗剤の自然破壊】

 上記にあるように、合成洗剤の歴史は、まだ60年ほどです。その数十年で、人々の肌荒れやアトピー、環境汚染など、様々な問題を引き起こしています。合成洗剤は分解性が悪く、川や海の魚のエラを壊したり、環境に必要な微生物も破壊してしまいます。

 石けんは水で薄めれば、洗浄力が薄まりますし、そもそも自然由来ですので、川や海に流れても、自然に循環されていくので問題ありません。自然に戻る、というイメージです。

 それに対し、合成洗剤ですと、水で薄めても洗浄力はそのままですので、川や海に、生物を破壊する成分が弱まることなく流れるのです。害のある人工物が永遠と蓄積される一方です。

 【洗浄力】

 石けんも合成洗剤も肌につけた瞬間の洗浄力自体は同等です。
 よく、「石けんは洗浄力が強くなくて肌に優しいから〜」とおっしゃる方がいますが、石けんにも十分な洗浄力があります。
 石けんは、肌の表面の汚れを落とした後は、水で洗い流せば薄まって消えていくので、必要な汚れだけは落としてくれるのに肌を傷つけない、という、よく出来た機能を持っています。(そもそも、皮膚が弱酸性であるのに対し、石けんが弱アルカリ性だから、肌につけると中和されるので、皮膚を傷めません)
 一方、合成洗剤は、肌を綺麗に保ってくれる常在菌を殺してしまいます。しかも、水で薄めてもそのままの洗浄力ですので、有害成分が肌に残り続けます。

 【「無添加石けん」は要注意】

 最近は「無添加石けん」と称した商品が多いですが、「無添加」=肌に悪い成分が一切入っていない、ではありません。「無添加」=一部の有害な成分は入っていません、という意味なのです。ですから、一部の成分以外は好き放題入れても「無添加」を名乗れるのです。
 「無添加石けんは肌に優しい」と宣伝するメーカーもありますが、あれは、余計な成分を入れているせいで、石けん本来の洗浄力が弱いからです。
 本来の石けんは、肌につけてもすぐに薄まって消えていくので、そもそも洗浄力を弱める必要がありません。

【石けんの作り方】

 石けんの製造方法は2種類あります。
 「中和法」と「鹸化法」です。
 一般的な石けんは中和法で作られます。短時間で大量生産でき、低コストです。また、中和法だとグリセリンが精製できないので、使うとツッパリ感が出てしまいます。このツッパリ感を無くすために、メーカーはあらゆる有害な成分を入れて使い心地を良くしています。
 一方、鹸(ケン)化法は、釜で1週間ほど時間をかけて炊き込んで熟成させることで、石けんと共にグリセリンを精製しますので、ツッパリ感がありません。よく耳にする「純石けん」はこの方法で作られています。

 

【「純石けん」のすすめ】

 石けんを購入する時に見るポイントは、成分が必要最低限で作られているかどうかです。
 もし迷ったら、成分表記が「水・カリ石ケン素地」のみの純石けんを選べば良いのです。
 有名なのは、『シャボン玉石けん』ですね。

 他の商品と差別化するために、色々な成分を配合させているメーカーもありますが、個人的には、水とカリ石ケン素地だけで作られている純石鹸がオススメです。

              静かな花より🌸

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