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スパイスたっぷりのキャンディ〜味わうのはまだまだ先、旅は続くよどこまでも〜

コロンボからおおよそ130km。
キャンディという町へ向かうことにした。

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コロンボという街にもっと興味を持てばよかったのに、たった一度ひとりで外出した先が、思っていた以上に「THE・ビジネス街じゃん」だったこと、顔を覆わなければ殺られる…ってほどにその日が異常に暑かったこと、がやたらと印象付いてしまい、積極的に出かける気力がなくなってしまった。

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たぶん、別のエリアをdigすれば、もっと違った雰囲気の場所もあっただろうに、そういうめんどくさがりが非常に仇となる。

そして何よりも、「ロベルタ&ルーカスと一緒に過ごす」「外出=お酒をひっかける」というのが日々の常となっていた。
彼らは私が感じる一番心地のよいスピードで動くし話すし笑うので、なんとなしにほとんどの時間を一緒に過ごすこととなったのだ。

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そんな彼らに「3〜4日キャンディへ行ってくる、あばよ」と伝えると、「シノが帰って来るころにもまだこの宿にいるから安心しな」とのことだった。

嫌いじゃないよ、そういうの。(す、すき…)

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車中は日中韓系アジア人0%、ときどき欧米人。

スリランカ人のくすんだ肌の色から覗く2つの大きな目が、怖い人なのか優しい人なのか未だによく分からない。見慣れていない人種の人たちに、物珍しさを感じるのはお互いさま、か。

それよりも何よりも、もっと珍しいのは間違いなくコレ!だ。TVの旅番組で幾度となく見る度に憧れを抱いていた、“扉なし列車”〜〜!ヒュー!

列車①

生茂る緑を掻いくぐって走るこの様子は、まるで「銀河鉄道999」的アドベンチャーワールド。
そっちが宇宙の星に囲まれてると言うのなら、こっちは地球の緑に囲まれてるゼ!

列車に乗っているだけで、こんなに解き放たれた“自由”を感じるなんてこと、ある!?
手練れた青年たちが外に身を放ち、さらなる自由を振りかざしていて、眩しい。

列車②

列車の淵に座るスリランカのフチ子さんナウ♩

そしてスリランカのフチ子やフチ男は私だけじゃない。読書をしたり、恋人と愛を語り合ったり、それぞれにぴったりの使い方がある。

開けた扉から新しい世界が広がる、
樹林鉄道999!

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淵から足を放り出しながら、列車の中で手売りされてる軽食を気ままに買ってみる。

これは、、スパイスが効いたカレー味、の何か。が、包まれたその袋は、マジカルな文字がアクセント。な、誰かの使い古しノート。

そう、これが時代の新常識、スリランカのサステナビリティ!いたって(ニュー)ノーマル!

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なんて、そんなことをくるくると考えながら、景色を眺めたり物思いにふけたり。
なんとも言えない良い時間を過ごしていると、新しい乗車客が次々と乗ってきて、たちまち車内はギュウギュウに。

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「こっちにおいで」と、端っこに追いやられ気味の私を、中の方に導いてくれるおじさん。
「ここに座りな」と、大きなバックパックを持つ私に、席を譲ってくれるまた別のおじさん。

怖い人なのか優しい人なのかよく分からなかったスリランカ人の瞳が、優しいことを知った。

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すべての窓、扉のない扉から、これでもかと言うほどにザワつき立てる風。
風の流れと同時に顔をなぞる自分の長い髪の毛に、何度も目を瞬(シバタタ)く。
瞬きのシャッターは列車の中のなんでもない日常の姿を切り取り、私は心の中へそれをしまった。

なんでもないようなことが幸せだったと思う、だなんてよく言ったものだ。

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おおよそ4時間の列車旅を経て、キャンディに到着。スリランカ最後の王朝として、古都の佇まいを残す世界遺産の町。

コロンボとは全然違う、こぢんまりとしているからこそ際立つ雑踏感。民間用のバスやスリーウィラーが不要不急な外出をしまくっている上に、不要不急なクラクションで盛大なる大合唱を巻き起こしている。さほど整備されていない町並みに、ゴチャつく人群れ。はぁ、まったくほんとに、、

嫌いじゃないよ、そういうとこ。

キャンディ①

流しのスリーウィラーをつかまえる。
事前に予約していた宿の住所をドライバーに見せるも、英語…読めないじゃん!汗

住所が英語表記だったのは完全に私の準備不足で悪かったけど、そのあと宿の電話番号に電話してくれて住所を確認してくれたのは良かったけど、まさかその住所がこんな山奥で、番地とかないじゃん!みたいなところだなんてドライバーも思わないのもギリ分かるけど、だからって山三周くらいして一生辿り着かないじゃん!ってなほどに道に迷って、挙げ句の果てには、まじで誰も通らんだろ!っていうこんな山奥で、「誰かに道聞いてくる!」つって、山道に私ひとりを置いて消えていったりしないよな?って、どこ行ったドライバーーー!!山の中にメーテルはおらんぞー!怒

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一生を使い果たすギリギリ一歩手前で、どうにか辿り着いた宿。

まさかその宿が、男2人が住む”ゲストは私だけ”の一軒家だなんて聞いてないし、その2人の男がこの旅で私に何をもたらすのか、なんてことも、このときの私はまだ何も知らない。

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私が過ごしたスリランカには、
夢とか幻とか、現実、があった。

「なんでもないようなことが、幸せだった」。

THE・トラブルによる、旅という名の刺激的なスパイスロードは、まだまだ大ヒットが続くらしい…。


“コロンボ”での『2人の男』についても、ゼヒ。
①【インドが落とした一粒の涙〜光り輝く東洋の真珠〜
②【その男たち、○○につき
③【路地裏のサルサ、ベリーはそのあとで〜summer night dream〜

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