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【絵本】「ぼくは小さくて白い」 和田裕美 ミウラナオコ 絵

「いまの自分がもっているものを否定せず、受け止めて勇気をもって生きてください。あなたはあなただけの良さを持っているのです」



「ぼくは小さくて白い」 和田裕美 ミウラナオコ 絵



子どもにとって、親の「ひとこと」ってとても重く響きます。


何十年たっても、「あの時」 言われた言葉を思い出すことがあります。


とくに


勇気づけられた言葉って、辛いときに心の引き出しから勝手に飛び出してきてくれて、自分を救ってくれました。


この絵本は、営業やコミュニケーションなどのコンサルタントをされていて著書も多く、人材育成に携わっている和田裕美さんが書かれたものです。


あとがきには


「今は亡き母に感謝をこめて」と、次のように書いています。


いまの自分がもっているものを否定せず、受け止めて勇気をもって生きてください。あなたはあなただけの良さを持っているのです。


きっと


和田さんにとってお母さんからもらった「光り輝く言葉たち」が、この絵本の核になっているんだと想像できました。


         ◇


小さくて真っ白いペンギンは、他のペンギンと違うことをコンプレックスに思っていました。


「どうしてぼくは 灰色の部分も黒い部分もなくて真っ白なのかな?」


他と違ってひとりぼっちで、さびしい真っ白なペンギンは思い悩みます。


すると


どこからか、お母さんの声がきこえてきました。


「白いのも素敵なのよ。雪のなかでかくれんぼが一番になれるでしょう」


ペンギンは、見えないお母さんに向かって語りかけます。


「お母さん、お母さん、どうしてぼくはほかの子よりも走るのが遅いの?」

「それはね、前を走っていたら後ろの子が転んでも気がつかないでしょう。あなたはほかの誰かが転んだら起こしてあげる役目なの」

「でも、ぼくはいま、たったひとりでさみしいよ」

「さみしいのは、ほかの人のさびしさを学ぶためなの」

「ぼくはいま、とっても悲しいよ」

「悲しいのは、あなたにあたたかい心があるからなの」


コンプレックスって、やさしさにつながるんですよね。


さみしさも、悲しさもいっぱいもってるからこそ、人の気持ちをわかってあげられるやさしい人なんです。


そして


その心を持ち、めげずに頑張って歩いていけば、勇気と出会い、夢と出会うです。


「前を向いて歩いて行くと勇気と出会えるの。いろんなことに向かっていけば 最初は小さな勇気でもどんどん大きくなっていくの」

「歩いていったら出会うのよ。でも、そこで泣いていたら夢には出会えないの」

「そうやって前に進んだら必ず夢に出逢うから・・・」

「だからもう、心配しないで行きなさい」



【出典】

「ぼくは小さくて白い」 和田裕美 ミウラナオコ 絵 朝日新聞出版


荒神咲夜さん、ありがとうございました。


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