『ぼくは ちいさくて しろい』読んだ本 ご紹介!
和田裕美 著 ミウラナオコ 絵 クラーケン
『ぼくはちいさくてしろい』
絵がとてもかわいくて、ページも多くなく、子供向けの読み聞かせにもいい絵本ですが、内容は深いです。
一人ぼっちの小さな白いペンギンの物語は、
という言葉から始まります。
「どうしてぼくは~なのかな?」
小さなペンギンは質問を繰り返し、心の中にいるおかあさんが一つ一つ答えていきながら、物語は進んでいきます。誰かより劣ることを疑問に思う小さなペンギンを、おかあさんは決して否定しません。小さなペンギンの疑問、それは一人一人が抱えるコンプレックスに通じます。それはそれで、こういういい面もあるんだよと、おかあさんペンギンは諭していきます。一つ、いいなと思った所を引用します。
おかあさんの言葉は、小さなペンギンに希望を与えますが、何でも肯定するのではありません。できないことはできないと教えます。ペンギンはくじらのように大きくはなれないというように。でもおかあさんはこう続けます。大きな心になれるのよ。
そこからおかあさんの言葉は、小さなペンギンが生きていくための教えになっていきます。といっても決して説教臭くはなく、温かく、そしてこれから小さなペンギンの身に起きるであろうことへの厳しさも伝えられます。
それらの言葉は、人も生きていれば経験し、身を以て知っていくことです。特別なことが書いてある訳ではありません。でもこうやって言葉になったものを改めて読むと、心に小さな灯りがともったように感じます。
また頑張ってみよう。自分は決して間違っていない。そんなことを思わせてくれる言葉の数々です。
この言葉が好きです。転ばない。それは優れたことではないと思います。転んで起き上がる人に敬意を持ちたいし、自分自身いくつになっても起き上がることを学んでいかなければならないと思います。
最後のページ、一人で駆けていく小さな白いペンギンが、かわいくも希望を感じさせます。とても素敵な絵で、物語は締め括られます。
この絵本は shinku | 読書ヒーリングさんの記事で知りました。心に響くレビューを書かれていて興味を引かれ、読みました。
shinkuさん、この絵本を読んでよかったです。とても素晴らしい読書になりました。ご紹介ありがとうございます。
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