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2018

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記事一覧

脱ぐ

このタイトルを見てどれだけの人がいやらしいことを想像しただろうか。

「脱ぐ」という行為にはどうしても人の裸の姿がついていきがちである。

「女優の誰々が脱いだ」とか言う宣伝文句があったり、「脱げるカラダに」とか言う特集記事があったり、、、人はいつも脱ぐという言葉の先に脱いだ後の裸の肉体を見ているようである。

脱ぐという言葉はほかの言葉を組み合わせることでまったく違う意味を生み出す動詞の1つであ

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忘れないこと〜「君の名前で僕を呼んで」

学生の時、とある女の子と付き合っていた。学校行事を通して知り合った子だった。
とにかく明るくてよく喋る子で、自分とは違うキャラクターの持ち主だった。そこに惹かれていって、一緒にテスト勉強したり遊びに行くようになり、しばらくしたのちそういう仲に。

当時の僕はかなり浮かれていた。なんせ初めての恋人だったからだ。その子の顔を見るのが毎日の楽しみだった。お互い部活動が忙しくて、なかなか二人で会えなかった

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いつかきっと絶望する前に

書きたくない話題だ。

こういう話がしたくて文章を書き始めたわけではない。noteを始めたきっかけについて、詳しくは一番最初の投稿を読んでほしいのだが、今回の記事は自分にとって極めてイレギュラーなものである。同じようなトピックはなるべく扱わないようにしていきたい。

救われない文章なんて、誰が書きたいだろう。

でも書かなくてはならない。
この話題には触れなくてはいけない、僕は使命感に近いもの

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荷物

物心ついた頃から、周りから「肌白いね」と言われてきた。

初対面の人はしばらく話したらほぼ必ずこう言ってくるし、長い付き合いの人もふとした瞬間「やっぱ白いな」と言う。23年間生きてきて、本当に数え切れないほど言われた気がする。

否定するつもりはない。鏡で自分の身体を見ると確かに白いなと思う。ただ、肌の白さが影響しているのか、最近は「肌綺麗だね!」という人まで出てきた。この言葉を聞くと複雑な気持ち

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居場所

一人でいるのは寂しい。

今、一人ファミレスに入ってこれを書いている。すごく寂しい。でも仕方ない、近くのカメラ屋に出しているフィルムの現像が終わるまでの我慢だ。どうして好き好んでファミレスに一人で行って白玉あずきを頼むのか。

どうしようもなく誰かに会いたいときがある。ただそれと同じように、誰かに会うことがめちゃくちゃ億劫になることもある。

心がねじれ絡まっているのは僕が一人っ子だからだと思う。

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何もない日々よ、さようなら

何もない日々よ、さようなら

9月は自分が受け持つ仕事が突然増え、休日もそのことで頭がいっぱいになり気持ちが落ち着かなかったので先月は記事が書けませんでした。今週いくつかの作業が一段落つきホッとしながら、今月こそは書かねばと思いこうしてパソコンを開いています。

さて、10月である。天候はどうも不安定だ。台風がやってきてわが国の公共交通機関をめちゃくちゃにしたかと思いきや、日中の気温が30度を超える日もやってきてクールビズが終

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苦みと粗さと想い

午後5時、ルノアールにて。
本当は仕事をするために入ったが、始めて5分で店内の騒がしさにうんざりしてこちらの執筆作業に切り替えた。沈黙は苦手だがあまりにもうるさいとそれはそれで集中できないようだ。
予想していなかった雨。傘はない。アメッシュを確認すると、しばらくすれば止むような気がしたのでそれまで店にいようと決める。
社会人になってカフェに行くことが増えた。仕事を進めたり今みたいにエッセイを書いた

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