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撮影レポート(俳優編)

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吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第七章:44歳の地図〜

吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第七章:44歳の地図〜

第7章「44歳の地図」

10月某日
撮影前日に再び深谷入り。

明日撮影するシーンは・・なかなか問題のシーンです。
僕がある人物と会話をするシーンなのですが、脚本上では「他愛もない会話。街のこと。家族のこと。」みたいな記述しかないのです。
そしてどう考えても僕が会話をリードする立場なのです。
入江さんからも、「何を話すか考えておいてくださいね」
と言われています。

いやいや・・
ずっと考えまし

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HIROSHIMA DIARY by 吉岡睦雄

HIROSHIMA DIARY by 吉岡睦雄

第1章 時をかけるムツオ 8/21
コロナウイルス抗原検査陰性を確認する。

11時 福山シネマモードさんへご挨拶。
福山駅から歩いてすぐの立派な建物。
残念ながら支配人の藤井さんは在館しておらず。
突然の訪問にも関わらず優しく対応して頂きました。
酒井さんや受付にいらっしゃった神原さんが一緒に写真を撮ってくださる。

13時 シネマ尾道さんへ。
尾道駅のすぐ目の前。
河本清順さ

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吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第五章:こわれゆく男〜

吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第五章:こわれゆく男〜

第五章 「こわれゆく男」

9/30 撮影2日目。僕の撮影初日。
快晴。まるで夏が舞い戻ってきたかのように太陽が照りつけております。

緊張のせいか悪夢ばかり見て、全く眠れませんでした。
宿泊場所に森下史也くんが車で迎えに来てくれる。森下くんは役者なのですが、今回は車両部としても参加です。笑顔の素敵なナイスガイです。
森下くんが若旦那の「いのち」を流しています。緊張でガチガチの心がほぐされていく。

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「はじめてのげんば」 入江組1年 八代真央

「はじめてのげんば」 入江組1年 八代真央

2020年6月。
自宅、先の見えない不安、向き合う時間が何倍にもなったスマホの画面と会話相手のTwitter。に、流れてきたのが入江悠監督 自主映画制作オーデションの募集でした。
制作部から俳優部の道へ舵を切って数ヶ月後、誰もが予想しなかった方向に情勢が押し流され、例外なく私自身も呑み込まれていた矢先の出来事です。

入江監督が以前web媒体で話していた「映画館のスクリーンとは世界を見つめる窓」と

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金谷真由美 『市役所シーン〜怒涛の1日〜』

金谷真由美 『市役所シーン〜怒涛の1日〜』

こんにちは 牟根田瞳役 金谷真由美です。

私の現地入りは、クランクイン前日、市役所の飾り込みでした。
監督・スタッフさんと一緒に、俳優部の松澤さん、三溝さんと、市役所内のスペースに椅子やデスク、持ち寄った文具や手作りポスター等を設置していきます。(予告編で『市役所だけが公文書の改竄ダメって理由ないでしょ』って言っている部屋です)。
撮影を明日に控えてたので作業中もソワソワしてましたが、ガランとし

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『シュシュシュの娘』に寄せて仗桐安

『シュシュシュの娘』に寄せて仗桐安

皆様、こんにちは。

『シュシュシュの娘』に高峰三吉役で出演いたしました仗桐安です。”じょう・きりあん”と読みます。

『シュシュシュの娘』の完成・公開、おめでとうございます。ありがとうございます。

入江監督のミニシアターへの思いがついに各シアターに届くのですね。携わった人間のひとりとして、大変うれしく思います。

監督から「何か書いて」との依頼がありましたので、本作との何やかんやを振り返ります

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吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第三章: 古い舟をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう〜

吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第三章: 古い舟をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう〜

第三章 「古い舟をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」

9月下旬のクランクインまで二ヶ月強。この準備期間、監督やスタッフはやる事が盛りだくさんです。ロケハンやらロケセットの掃除やら小道具作りやらクラウドファンディング用のチラシ配りやら……。

特に今回は自主映画です。全て自分たちでやるしかありません。入江監督や学生スタッフ達もフル稼働していたみたいです。

では、出演者は一体なにをしているの

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『シュシュシュの娘』に参加して|榎本栞

『シュシュシュの娘』に参加して|榎本栞

みなさま、初めまして。
榎本栞(えのもとしおり)と申します。
今回は、映画シュシュシュの娘に俳優部として参加させていただきました。
文章がとても苦手なのですが、私自身感じたことなどを綴りたいと思います。
公開に向けて少しでも、わくわくしていただけたらと思います。
最後まで読んでいただけたら幸いです。

ちょうど去年の今頃、今よりももっとコロナに対して緊張感があった時、私自身、予定していた舞台も全て

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俳優・松澤仁晶の挑戦|『シュシュシュの娘』でみつけたもの

俳優・松澤仁晶の挑戦|『シュシュシュの娘』でみつけたもの

俳優部の松澤仁晶です。

「新型コロナウィルスにより苦境に追いこまれた全国のミニシアターへ」

『シュシュシュの娘』の台本の1ページ目には、こう記されています。
初めて目にした時の、感銘と奮い立つ想いは今も忘れられません。
『シュシュシュの娘』は、このコロナ禍の時期に、様々な人々の志が集まって、創られた作品だと思っています。
私のレポートは、役作りを通して、どうこの作品に携わったのかをお伝えしたい

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吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第二章:ソルティーオーディション〜

吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第二章:ソルティーオーディション〜

 TEXT by 『シュシュシュの娘』司役、吉岡睦雄

 6月の後半、入江さんから連絡がありました。
 「オーディションに参加していただくことは可能でしょうか?」
 それはびっくりするくらいにとても丁寧なメールでした。
 (今回のオーディションには自分で連絡をしたいと事務所にお願いをし、
個人で応募したので、合格に至るまでの色々なやり取りは僕が直接していたのです。)
 それからオーディション日程の

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吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第一章:出会い〜

吉岡睦雄が覗いた『シュシュシュの娘』〜第一章:出会い〜

TEXT by 『シュシュシュの娘』司役、吉岡睦雄

 そもそも入江悠監督とは十年以上前に飲み会の席で出会ったのです。
当時の入江さんは「SRサイタマノラッパー」を撮る前、「ジャポニカ・ウイルス」の公開前後だったと思います。
 それから何度か顔を合わせたりする事はありましたが、一緒に飲んだりする機会はありませんでした。(一度酔っぱらって、夜中にいきなり「飲みませんか?」と電話したことがありましたが

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