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Dr.Shu 五島秀一
2021年10月6日 10:43
【新しき世のはじまり】*1425 文字「これ、ここへトヨを呼ぶがよいぞ」「はは」「おお、トヨよ、今宵は大切な話があってな。この卑弥呼も年老いたと思う」
2021年6月11日 14:23
【卑弥呼の巫女養成ものがたり】*1069文字卑弥呼は、時を失うことが最も愚かだと、教えていました。時の記憶をな無くせば、予言は成り立たないと、卑弥呼は常々巫女たちにこう語っていました。いい? 暦を描くのよ。過去の歴史をできるだけたくさん覚えて、私の霊能力はそこからくる。
2020年9月11日 21:22
【闇の世界の神フクロウ】*1575 文字その年は、異様に野ねずみが増えておりました。「なに!それほどに野ねずみが増えたか!」「はは! 我らの大切な食料の米を、貪り尽くしております。サツマイモも、ニンジンも、はや底を突きかけておりまする」「そうか、もっと詳しく話を聞かねばならぬ。そうじゃ、大人(たいじん)のカムロを呼ぶがよい」「はは!」
2020年9月11日 17:37
【トヨの野焼き】*925文字その頃、邪馬台国では、日照りが続いておりました。「卑弥呼様」「わかっておる。こう日照りが続いては、民の苦しみがヒシヒシと伝わってくる。トヨ、良い知恵はあるか?」「はは、しばらく考えてみまする」
2020年8月8日 23:21
【ヌシの無益な殺生】*953文字ドアを叩く音「卑弥呼様、南方でまた、ヌシという大人(たいじん)が下戸(げこ)めを始末いたしました」「なんだと、よい、ヌシをここに呼ぶがよい」「卑弥呼どの、ヌシにございまする」「おぉ、いつもいつも、熱心に仕事をしてくれるな」
2020年8月6日 22:27
【カムトの進言】*984 文字卑弥呼は熱病に罹っておりました。「イキミよ、なにやら熱が下がらぬ。カムトを呼んでくれないか」「承知いたしました」「これカムト、卑弥呼様の熱が下がらぬ。我ら医師はあらゆる方法を試みたが、何としても熱が下がらぬのじゃ。そちは医術に通じ、霊能力にも通じておる。
2020年8月6日 22:07
【龍蛇族の誇り】 *1196 文字ドアを叩く音「大変でございまする! 卑弥呼様!」「どうしたのじゃ」「かの狗奴国めが、またまた生口(せいこう)を送ってまいりました」 「何人送ってきたのじゃ」 「それが十名という、いまだかつてない人数でございます」
2020年8月6日 21:48
【音による攻撃】*705 文字ドアを叩く音「誰じゃ」「卑弥呼様、いよいよ、魏の使者のおもてなしをしなければなりませぬ」「そうじゃな、タケミコ」「卑弥呼様、これにつきまして、どのようにおもてなしをすればよいか、指針を与えていただきとうございまする」
2020年8月6日 17:25
【眼に見えぬ敵】*1187 文字戸を激しく叩く音「卑弥呼様、お開けくだされ!」「どうした、こんな夜遅くに」「ははあ! 今しがた見張り番のものが申すには、見たこともない、他国の軍勢がこの邪馬台国に押し寄せて参ったと」
2020年8月6日 17:04
【卑弥呼の笛】*405 文字卑弥呼は、殊の外、笛がお好きでございました。満月に向かって、鹿角で出来た笛をお吹きになるのが、お気に入りでございました。
2020年8月6日 16:23
【統率者シテ】*612 文字「卑弥呼様、このたび、部族長のシテが大きな手柄を立てましてございまする」「そうか、どんなことじゃ」「はは! 部族長のシテは、このたびシャチに襲われた少年を助け、さらにこのシャチを追い戦って勝ちましてございまする。何卒このシテにご褒美を」
2020年8月6日 16:09
【過去を癒すものたち】*1858 文字卑弥呼が力を入れておりましたことのひとつに、教育というものがございました。「これ、オドよ、ここへ参れ」「ははあ!」「どうじゃ、そなたに人を教えるという重責を担わせたが、ことは順調に運んでおるかえ?」「卑弥呼様、ただいまその義につきまして、大いに悩んでおりまする」
2020年8月6日 15:53
【迫りくる火】*1983 文字さて、豪族を束ね、女官たちを束ね、人の上に立ちて七年。やっと人心の安定を見た卑弥呼でありました。さてもさても、その年は、大変な不作の年でございました。幸い卑弥呼は、備蓄というものを奨励しておりましたので、邪馬台国の中では、比較的食べるものには困らぬ様子でございました。
2020年8月6日 09:41
【鬼道ー祈りびとの思い】*1358 文字「タケミコ、鬼道をはじめる。私の道具をここへ」「ははあ」「きょうは、どのような卦が出まするか」「そうだな、では参るぞ」卑弥呼は、やおら鹿の肩甲骨を取り出し、それを小さな斧で五角形に型取りました。「ところで卑弥呼様、何ゆえに鹿の肩甲骨を用いるのでございましょう」