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スライス王子
2021年4月5日 22:00
健常者の直線歩行は、床反力は膝関節中心を通過する。歩行中は膝関節周囲に強い筋力を発揮させなくてもよい。股関節の伸展筋力を使い、膝関節の中心に床反力を通過させる歩行が獲得できれば、倒立振子運動は成立する。ということは、重度片麻痺で膝の制御が難しい症例では、装具によって膝関節を固定し、股関節屈曲および伸展運動を十分に引き出し、股関節周囲筋、下腿三頭筋を賦活してその後、膝関節の制御の獲得へと
2021年4月4日 21:25
歩行の基本的評価(ローテク)片麻痺患者における歩行速度と生活空間0.8m/s以上:地域での移動可能0.4〜0.8m/s:地域での移動に制限あり0.4m/s未満:屋内移動歩行耐久性6分間歩行テストが有用。困難な場合は2分間歩行テストが信頼性が高い。膝伸展パターンの歩行について・中期膝伸展パターン(MSt以降に膝が過伸展する)LRで前脛骨筋の活動が大きくなるが、拮抗筋の
2021年3月18日 22:50
正常歩行の姿勢制御運動パターンの生成を脳幹・脊髄の低位の層が担い、運動の計画や開始・終了、調節や学習を高位の階層が担うという中枢神経系の階層性制御が存在。正常歩行と片麻痺歩行のバイオメカニクスロッカー機能の観点で歩行を評価するには足関節を中心に下腿と大腿が前方回転することと体幹の直立が着目すべき点。片麻痺患者は、麻痺側立脚後半に足関節底屈モーメントの低下によりpush offが減少し、
2021年3月16日 19:20
下肢屈曲位の歩行は前脛骨筋による衝撃緩衝システムが機能せず、推進力の減衰が生じ、非麻痺側の下肢の歩幅の減少や、速度維持のための非麻痺側下肢による過度な代償運動の発生が推察される。膝屈曲位での衝撃緩衝は下腿が前方へ倒れることの恐怖心を植え付けやすく、LRで代償的に体幹を前傾させる戦略をとることが多く、TStでの股関節伸展が不足してしまう。荷重下での股関節伸展運動を可能にするためには推進力を維
2021年3月16日 18:26
遊脚振子運動とは?の続編です。歩行には倒立振子運動を形成し、それが遊脚振子運動へとつながります。そのための前段階として有用なのがステップ練習です。ステップ練習で意識することは、麻痺側膝関節伸展位で踵接地をさせる ↓荷重応答期から立脚中期にかけて大腿及び骨盤が前方推進するとともに ↓立脚終期に股関節が伸展位となるように 側方から介助を加えることであ
2021年3月16日 18:17
本来、膝関節は前遊脚期に屈曲し、遊脚中期から終期にかけて伸展する。この膝関節の運動は遊脚振子運動と呼ばれ、立脚終期後に股関節が伸展位から屈曲方向へ移動する際の慣性力によって生じている。つまり、遊脚期に先行する立脚期が確実に形成されることが重要な要素となる。立脚終期に股関節が伸展せず、屈曲位の状態で倒立振子運動を形成できないと、遊脚初期に膝関節を十分に屈曲させるための慣性力が産生できない
2021年3月16日 18:10
長下肢装具は遊脚期に膝が屈曲しないため、地面とのクリアランスを確保することが難しくなる。そのため麻痺側遊脚の際は、通常よりも非麻痺側下肢への重心移動を強調しなければならず、おのずと非麻痺側下肢のみで立位保持するための下肢筋力とバランス能力が求められる。重度片麻痺患者は非麻痺側筋力も低下していることが多いため、アプローチも必要に応じて行うべきである。参考文献 脳卒中重度片麻痺患者の歩行再
2021年3月14日 22:07
倒立振子運動歩行を効率化。ロッカー機能も倒立振子のためにある。脳卒中の歩行では崩壊している。倒立振子運動の成功条件①初速が速い速度が遅いと重心が昇りきらない②歩幅が大きい歩行中重心は3~4㎝落下する。重心の落下が大きいと歩行速度が速くなる。倒立振子の前進速度に有利なため結果的に倒立振子に有利となる。つまりのところ、速く、歩幅を大きく、踵からついて歩ければよい。遊脚振
2021年3月14日 21:32
Heel Rocker踵接地時に衝撃を吸収する役割。前脛骨筋の遠心性収縮と大腿四頭筋の遠心性収縮が同時に起こる。ICでは膝伸展0°である。遠心性収縮した前脛骨筋は同時に下腿を前傾させ膝を屈曲させる。大腿四頭筋の遠心性収縮により膝屈曲のブレーキをかけ、膝屈曲15°まで許す。遠心性収縮が得られない場合は膝が過伸展する。TA、Quad、Ham、脊柱起立筋などほとんどが遠心性収縮する。
2021年3月13日 22:30
一般的な特徴として①歩行速度が遅い②歩行周期が長い③ストライド長が短く、特に麻痺側から非麻痺側へのステップ長が長い④麻痺側の踵接地が困難であり、つま先あるいは足底全体で接地する⑤立脚後期に麻痺側のつま先離れが悪く、遊脚期にクリアランスがとれない⑥立脚期に麻痺側の足関節が内反し、不安定である⑦立脚期に麻痺側の膝関節が不安定あるいは過伸展である。もっとも重要な点は麻
2021年3月13日 19:41
CPGとは?自動的にリズミカルな共同的動作を発生させるニューロン群やニューロン回路のこと。歩行においてはCPGを働かせれば、歩行運動は上位中枢からの入力が無くても可能ということ。しかし、CPGにおける歩行は自動的な運動に近く、目的を持った歩行運動ではない。歩行中枢中脳、脳幹:逃避的要素(中脳)、姿勢(脳幹)を作り、筋緊張を調節。自動的歩行を発現する。小脳:適切に姿勢を変化させ、
2021年3月13日 16:25
当り前だが理学療法のすべての対象が本来の姿に回復するわけではない。必要とされる運動機能を「回復」させるのか、「代償」させるのかを見極めることは理学療法の分岐点。回復:血流増加による虚血性ペナンプラの回復や機能解離(Diaschisis)の解消代償:脳自体が失われた機能を取り戻すために可塑的に変化する機能的再組織化(functional reorganization)この可塑的な変化
2021年3月13日 15:51
皮質網様体脊髄路の機能として先行性姿勢調節(APA)が残存していれば、非麻痺側下肢を振りだす際に麻痺側下肢での支持性が得られる。この部分が得られれば、無意識下での歩行獲得に繋げられる。脳卒中片麻痺患者の実用歩行獲得に至る要因の考察 中西康二 他
2021年3月11日 23:34
一次運動野から下降する皮質脊髄路は運動出力パターンを決定し、随意運動の制御を担う。ところで、補足運動野からの投射が網様体にあり、網様体からは姿勢を調節するための姿勢制御に関わる出力がなされる。皮質網様体路はこの補足運動野から脳幹の網様体への投射路であり、皮質網様体路の有無が脳卒中患者の歩行能力へ関与することが報告されている。