CPG!
CPGとは?
自動的にリズミカルな共同的動作を発生させるニューロン群やニューロン回路のこと。
歩行においてはCPGを働かせれば、歩行運動は上位中枢からの入力が無くても可能ということ。
しかし、CPGにおける歩行は自動的な運動に近く、目的を持った歩行運動ではない。
歩行中枢
中脳、脳幹:逃避的要素(中脳)、姿勢(脳幹)を作り、筋緊張を調節。自動的歩行を発現する。
小脳:適切に姿勢を変化させ、運動を滑らかにする
大脳基底核:歩行の開始と終了に関与し、運動のプログラムを設定する。
大脳皮質:歩行のリズム、速度、方向を調節、筋出力を調節する。環境に合わせて歩行を調節する。
CPGを賦活させるための要素
・求心性フィードバックの種類と入力の程度
リズミカルに足底からの信号が脊髄に入ってくることでCPGが賦活。
テンポよく、左右対称な、十分な荷重が加わった歩行がCPGを賦活させる。
・求心性フィードバックの手足と身体位置の影響
筋紡錘から脊髄へ入ってくる情報が重要。
例)立脚後期に股関節屈筋群が伸張されることにより対側下肢筋群の活動スイッチがオンになる
例)立脚後期に下腿三頭筋が伸張されることで他の筋群のスイッチがオンのなる
つまり、、
立脚後期がきちんと実現されるかはCPG賦活に重要である!
まとめると、
歩行時にCPGを賦活させる条件として、
・左右対称でリズミカルな歩行
・立脚初期でICが両側性に実現された歩行
・立脚後期が両側性に実現された歩行
なので、、
揃え型歩行はCPG賦活のチャンスが少ないのである。
CPGの切り替えにおける求心性情報として有名なもの
・荷重情報:下腿三頭筋からのⅠb抑制や足底メカノレセプターからの入力
・股関節の位置情報:立脚後期における股関節屈筋群の伸張
ということは
立脚⇒遊脚の切り替えには股関節屈筋、足関節底屈筋への伸張刺激が重要
身体重心は立脚期前半に減速、後半に加速するがこの加速には股関節屈曲、足関節底屈トルクが強く作用する。
このトルクの産生には腱の弾性要素が強く作用
CPGを機能させるための治療
①末梢から情報を受け取りやすい状況にアライメントを整える。
つまり踵接地が大事!
踵の中央部に受容器が集中している。(踵が浮いてしまうと50~70%の情報を失う)
踵接地ができないと、前庭系が発火しないため、抗重力伸展活動が出にくくなる。
②立位バランスを強化するために選択的伸展を促通する(片脚立位)
③リズミカルなパターン
脊髄回路の学習による、末梢入力コントロールに伴う無意識的、自律的な歩行を目指す。
「杖、右、左」などの声掛けを行わない。足の振り出し方、踏ん張り方を意識させない歩行。
④スピード、協調性の経験を与えていく
ゆっくり歩く、速く歩けることどちらも大切。
歩行は目的を達成させるための手段なのだから。
後方介助のすゝめ
股関節の積極的な屈曲ー伸展の自動運動により歩行の自動的抑制を促進し、大腰筋の伸張による張力を利用しながらエネルギー効率の良い歩行を実現できる。
参考文献 歩行運動における脊髄神経回路の役割 河島則天 国リハ研紀30号
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