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カプリ島〜雨の日に行くのはどうなの〜

ナポリを拠点にしていろんな場所を回る日々。
今回は青の洞窟で有名な「カプリ島」にいく。
天候は雨。雲行きが怪しい。


フェリーでカプリ島へ

早朝、まだ人通りの少ないナポリ中央駅から地下鉄に乗り、港を目指す。ナポリとカプリ島を結ぶ船は、大型フェリー、高速船、水中翼船の3種類あり、今回はSNAV社が運行する水中翼船で島に渡る。

水中翼船は、カプリ島に50分ほどで到着する最速の船でヌーヴォー城近くのベヴェレッロ港から出港する。最寄駅で地下鉄を降り、道中で買ったパンを齧りながらフェリー乗り場を探す。

フェリー乗り場には、午前6時30分ごろに到着し、ネットで事前購入したチケットを窓口で引き換える。8時の船に乗船予定だったが早く到着してしまったので7時の船に乗れないか、ダメもとでスタッフに尋ねる。

窓口のスタッフは、笑顔で「No Program」と一言。そのまま乗船手続きに進み、フェリー入り口でスタッフにチケットを見せる。「乗船時間が違うぞ」と言いながらも渋々チケットをもぎってくれた。

隣にもフェリーが見える

淡い希望消える

結構酔うと噂の水中翼船だったが快適に島までの船旅を楽しんだ。ついにカプリ島に到着したものの、どんより雲の雨降り。当然のことながら「青の洞窟」行きの船が運休になっていた。

島に来た唯一の目的を失い、しばらく呆然と佇む。「もしかしたら島の周りだけ天気がいいかも」という淡い希望は消えた。さあ、歩き出そう…目的のない旅の始まりだ。

とは言え、ここまで来たら島を観光しよう。バス乗り場で出会ったイタリアのお兄さんにチケットの買い方を教わり、数分後にジャンボタクシーくらいのバスにぎゅうぎゅう詰めで乗り込んだ。

行き当たりばったり

バスの目的地は、観光名所が集まる地区「アナカプリ」
窓ガラスに押しつけられながら断崖絶壁の急カーブを登る。
高所恐怖症には少し辛いが絶景を拝むことができた。

バスは崖を登り切り、しばらく進むと街中にあるバス停に止まった。
どうやらアナカプリに着いたらしい。
とりあえず降車してみるとリフト乗り場付近のようだ。

事前に見るものを決めてないので、ふと目に入った観光案内所に行く。
案内所は、8畳ほどのスペースに小さなデスクとパソコンが一つ。
ブロンドヘアーのおばさんが何やら資料に目を通していた。

簡単なあいさつを終え、さっそくおすすめの場所を聞く。
この地区にある教会や美術館などを教えてもらい、ようやく目的地ができた。
おばさんに雨で青の洞窟に行けなかった不満を漏らしつつ案内所を後にした。

道端に地図があった
こんな広場もある

サンタ・ソフィア教会

フィレンツェで似たような外観の教会を見た気がする。
真っ白い壁と不思議な造形がどことなく非現実感を漂わせる。
実は、劇で使う小道具みたいにハリボテじゃないかと疑いたくなる。

ちゃんと後ろにもある
内部も真っ白

サン・ミケーレ・アルカンジェロ教会

青の洞窟に行けなくても「ここに来れたからいいや」。そう思えるほど満足した。
教会は縦長にすっと伸びる小ホールがあるだけのこじんまりした建物だった。
内部は白とクリーム色で仕上げられ、床一面にマヨルカ焼のタイルが広がる。

隅っこにある板を歩かないといけない

タイルには「アダムとイヴの楽園追放」が描かれていて、所々に動物が見える。
受付のおばさんが「上に行けるわよ」と言うので入口の螺旋階段から2階へ登る。
上から見渡すとこれまで見えなかった「楽園」の全体像を見ることができた。

床一面に描かれている

楽園と呼ばれる場所は、豊かな水辺があり、木々が生い茂っている。
ラクダや牛、鳥、ライオンなど生息環境がまるで違う種族が共に暮らし、想像上の生き物「ユニコーン」まで住んでいる。そんな景色に見とれ、時が過ぎていった。

とても凛々しい
角の方にはレモンも

ヴィラサンミケーレ

カプリ島では定番の超人気観光スポットらしい。
スウェーデンの医師が立てた邸宅で、現在は美術館として利用されているようだ。
室内に収められている美術品や調度品を楽しんだ後は、眺めのいい屋外へ。

あんなものや
こんなものや

銅像や彫刻が並んだ廊下を通り抜け、植物が生い茂る庭園に向かう。
庭園から見える景色は格別ということらしいが、やはり雨だ。
ちょっとした恨み節を言いながら島の景色をゆっくり楽しんだ。

たくさんある
ああ、港が見える

あとがき

カプリ島は日帰りで観光した。フェリーを予約するときから天気が悪そうだと思いながらも日程的な問題があったので仕方ない。

実際、青の洞窟をかなり楽しみにしていたので、これはとても悔しい。何かと雨に降られる旅だなとつくづく思う。

アナカプリだけでなくカプリ地区にも行ってみたが、高級ブティックが軒を連ねる景色にはそれほど興味が湧かなかった。どこの観光地もそうだと思うが、観光地化されてしまうと高級ブティックが立ち並ぶようになるものかもしれない。

いよいよナポリも終わりに近づく。
最後まで怒涛のように街を歩き回る。


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