高橋剛志 #職人起業塾塾長

本業は神戸と台北を拠点に設計デザイン、自社大工による施工を行う建築事業を営んでいます。…

高橋剛志 #職人起業塾塾長

本業は神戸と台北を拠点に設計デザイン、自社大工による施工を行う建築事業を営んでいます。 自分自身の出自は大工と言う事もあり、職人育成と職人の社会的地位の向上をミッションに掲げ、一般社団法人職人起業塾を立ち上げて日本全国で職人の意識改革、キャリアアップの支援活動を行なっています。

マガジン

  • 職人進化論

    大工であり、全国で建築職人、現場実務者向けの研修と、職人の採用、育成を行える組織づくりのサポートを行っている一般社団法人職人起業塾の代表であり、神戸で大工集団から創業した株式会社四方継 つむぎ建築舎のCEOの高橋剛志が提唱するこれからの職人の在り方。

  • 建設業の構造改革とタレンティズム

    競争原理が根本にあるグローバル資本主義の次の時代は、関係資本や信頼資本をベースにした共感資本主義社会になると言われているし、期待を込めてそうなれば良いと思っています。そんなパラダイムシフトに欠かせない人の才能を最大限発揮するタレンティズムをテーマに建築業界の構造改革について書いています。

  • 令和デモクラシー

    混迷を深める世界に対してどう向き合うか?微力だが無力ではない地域企業から誰も取り残さない本当の民主主義の実現への道を探ります。 責任ある大人の無関心が世界を暗闇に叩き込む、それを妨げる一助となれば幸いです。

  • 小さな工務店が取り組む理想の組織への挑戦

    神戸の西の果てにある小さな工務店&地域コミュニティー事業を営む「株式会社四方継」で取り組んでいる組織論と実践報告的まとめです。

  • 構造化思考と社会課題解決

    事業計画を立案し実行、目標達成すると同時に考えるべき持続可能性について構造化を切り口に考えてみます。

最近の記事

シン・職人育成論 〜タレンティズムとイントラプレナーシップ①〜

職人育成に興味がある、若手の現場人材を採用したい。との問い合わせがこのところ毎日のように届いています。 事業所が教育機関となり、職人育成を行える高校、マイスター高等学校の事業スキームのオンライン説明会を毎週行っておりますが、GW中の枠も既に満席になる勢いです。 多くの方が、若手不足、職人不足に頭を悩ましているのを最近肌で感じます。 誰も解決出来なかった課題私が代表理事を務めている一般社団法人マイスター育成協会は、若手の職員の採用と育成のスキームを提供しています。このように書

    • オレ達はどっちに向いて進化するべきなのか? 〜経世済民と進化論〜

      イスラエルのイランへの報復攻撃が少しトーンダウンして、WW3の危機、核戦争による世界の破綻は少し先延ばしになったようです。この1週間ほど、ドキドキしながら中東情勢の海外情報を見守っておりましたが、ほっと胸を撫で下ろしております。まだまだ予断を許しませんが。。 とは言え、ウクライナ情勢ははいよいよ煮詰まって来ているようですし、劣勢に立ったら一発逆転の地ならしを敢行し世界を道連れにする核のボタンを持っている人が数多くいるのにはなんら変わりありません。世界は新しい時代の大きな曲がり

      • VUCA時代の他力本願考

        親鸞聖人に興味を持って歎異抄を手に取ったのはかれこれ10年以上前のこと。不良少年でどうしようもなかった私が、大工になり、ひょんな流れで工務店経営者になって少し経った頃で、なんとか慣れない経営を成り立たせようと必死にもがいていた頃でした。 悪人正機と他力本願その時に親鸞聖人が唱えた代表的な概念「悪人正機」である悪人こそ成仏できなければならない。という考えに触れて何か救われたように感じました。五木寛之の「親鸞」を読んで人間味あふれる親鸞聖人の人生を垣間見たことから興味を持って、

        • 職人革命 〜マイ・エヴォリューション&レボリューション〜

          職人進化論このnoteのタイトル「職人進化論」は2007年に当時まだ半分大工、半分は工務店経営者だった私が、「職人の社会的地位の向上」を志に掲げ、未来を模索した挙句、情報発信の重要性に気づきスタートしました。それから17年、最近は少しペースを落としましたが、これまで毎週、ほぼ日更新を続けてきました。 まるで道具のように使われ、ポイ捨てされてきた自分自身の大工時代の経験則から、職人の地位を向上させるには、職人自身が自助の精神を持ち、変わらなければならない。進化しなければならない

        シン・職人育成論 〜タレンティズムとイントラプレナーシップ①〜

        マガジン

        • 建設業の構造改革とタレンティズム
          60本
        • 職人進化論
          649本
        • 令和デモクラシー
          45本
        • 小さな工務店が取り組む理想の組織への挑戦
          34本
        • 構造化思考と社会課題解決
          18本
        • SINIC理論研究会
          11本

        記事

          今こそ実践すべき理由

          日本の言葉には直接的に受け取る意味の他に潜在的なニュアンスが含まれることが少なからずあります。定義として定められているのをそのまま受け取れないというか。私たちが職業人として社会を生きる上で最も重要だと言われる「実践」は日常的に頻繁に口にのぼるだけに特に深く考えることなく使っておりますが、最も重要な概念だけに「実際に行うこと」との意味以外にも深い含蓄が潜んでいると思っています。そして、非常に重要なワードにも関わらず、あまり大切にされていないというか、おざなりにされているというか

          やるならやる、やらんなら言わん

          この言葉、誰しも子供の頃に1度は言われたことがあるのではないかと思います。自分で決めたことを決めた通りにやるのが当たり前で、できないなら始めから口にするな。当たり前に過ぎますが、大人になってもこんな当たり前のことができない、出来ていないのは残念ながら世の常だと思っています。 人間だもの、じゃねーよ世の中には、倫理観や道徳が暗黙知として行き渡っています。特に日本人は神や仏に広く深く親しんでいることもあり、誰もが正しいことと、正しくない事を知っています。それ自体で非常に素晴らし

          やるならやる、やらんなら言わん

          セカンド・ルネサンスへ適応する成長の種

          時代が大きな転換期を迎えている事は、このnoteでこれまでも繰り返し書いてきました。これまでの延長線上にない時代にどのように適応するかは多くの人が迷われているのではないでしょうか。 ざっくり乱暴に言ってしまうと、金融中心のグローバル資本主義が息切れを起こしている現代は、これまでお金やモノ中心の目に見える価値から、信用や信頼に基づいたコミュニティー、伝統や文化、精神性など目に見えない価値に焦点が当たる時代への転換です。 アプリを増やし続けるような水平的な成長から、OSをアップデ

          セカンド・ルネサンスへ適応する成長の種

          経済合理性の外も課題を事業に引き入れるパタンランゲージ

          私はかれこれ10年以上、毎月無料の勉強会を主宰しています。始めた当初は原理原則系のマーケティング理論を紐解いておりましたが、時代の変化と共に少しずつ内容もブラッシュアップして、現在はCSVモデル、社会課題解決型ビジネスの構造化を実践する会として運営しています。 元々、独立思考を持っている社員の大工たちの独立支援、アントレプレナーシップの共有だったことから「職人事業塾」との名称で始めましたが、今では業種を問わず経営者が参加されるようになり、持続可能性を経営の本質だと定めて受け継

          経済合理性の外も課題を事業に引き入れるパタンランゲージ

          「ふてほど」で拾った最適化社会を生きるメタファー

          時代を超えて繰り返し人気が出るタイムスリップものドラマがまた話題になっています。少し前にも不良少年がタイムリープするアニメ、東京リベンジャーズが人気を博したところなので、少しスパンが短い気もしますが、「不適切にもほどがある!」が50代の昭和生まれのおっさん世代の間で密かなブームになっています。 昭和から令和の現代にタイムスリップしてきた阿部サダヲ演じる、中学校の体育教師、小川市郎が、パワハラ、セクハラなんでもこいの不適切発言を繰り返す姿に声をあげて共感したいけど、それをしちゃ

          「ふてほど」で拾った最適化社会を生きるメタファー

          幸福の最大化よりも不幸の最小化。デイヴィッド・ベネターに共感する日本の未来

          デイヴィッド・ベネターとは「世界で最も悲観的な哲学者」であり、反出生主義なる、人は生まれて来ない方が良いし、子供をつくること自体が悪である。との理論を展開した南アフリカ出身の哲学者。なんて悲観的な偏った人なんだ。と感じましたが、よく考えたら、今の日本人はこの悲観的すぎる考え方に随分と寄ってしまっているのではないか?と思いました。 世界は苦しみに満ちているちなみに、仏教の世界では人が生まれ、生きていく事自体が苦(ドゥッカ)に満ちているのが大前提になっています。この世はは四苦八

          幸福の最大化よりも不幸の最小化。デイヴィッド・ベネターに共感する日本の未来

          計画を遂行するためのもう一つの計画とインサイト

          最近、計画の策定に立ち会うことが少なからずあります。起業して三十年近くなったら、多くの失敗を繰り返しているだけに、計画の筋の良し悪しが見えるようになったのもありますが、自分自身の試行錯誤だけでなく、アクションプラン(行動計画)の立案と実行を中心にした実践型の研修事業を長年行ってきて、圧倒的な人数の計画未達を傍で見てきた経験があります。その中で、計画は成果に結びつかないことの方が多いとの不都合な真実を認識するようになりました。ちなみに、辞書で「計画」を引いてみても目標に対して未

          計画を遂行するためのもう一つの計画とインサイト

          simple is Bestに隠された欺瞞 〜VUCA時代のデザイン思考〜

          VUCA化した今の世の中は複雑化して難解な社会課題に満ち溢れている。と言われると同時に、世界は意外にシンプルで基本的な人の営みは1万年前からさほど変わっていない。とも言われます。どちらが正しくて、間違っているかを問答したところで大した意味はありませんし、どちらも真実だと私は思っています。 ただ、"simple is Best"と何故か昔から単純で素朴、簡素なものが良しとされる風潮が世間にどっかりと根を下ろしていることと、本来深く考えなければならない事柄に対してつい、そこに逃げ

          simple is Bestに隠された欺瞞 〜VUCA時代のデザイン思考〜

          SINIC理論の取り扱い方 〜SINIC理論研究会#4〜

          私が世話人として参画している経営実践研究会ではいくつかの専門的な分科会を立ち上げています。その一つがオムロンの創業者、立石一真氏が50年前に未来学会で発表し、その精度の高さが単なる予想や預言の域を超えていると近年大きく注目されている、SINIC理論の研究会です。 その未来予測に示された、実際に現在起こっている時代の大転換が生み出す最適化社会から自律社会へのシフト、これから起ろうとしている社会の変容を民間の実業を行っている経営者が集まって、シンクタンクとなり社会実装のための思考

          SINIC理論の取り扱い方 〜SINIC理論研究会#4〜

          シンクロニシティは自律社会へのプロローグ

          最近、私が考えている事を他の人が話したり、やろうとしたことを誰かが同じタイミングで行ったり、相談しようと電話をかけたら相手も同時にかけてきたり、そんな体験がやたら多くあり、なんだか気持ち悪い様な、気持ち良いような複雑な気分を味わっています。いわゆる、シンクロニシティってやつでしょうか。 テクノロジーが生み出した環境直接コミュケーションを取っていないのに同時に同じことを考えるって不思議な体験のようですが、冷静に思い返せばそうでもないかと思い始めました。これって時代の流れなので

          シンクロニシティは自律社会へのプロローグ

          未来を創造する3つの革新

          元大工の工務店経営者からスタートして、私塾を主催する塾長として全国行脚するようになり、複数の会社の顧問や団体役員を務めて今ではキャリア教育を行う高校の学校長と様々な立場や役割を持って多岐に渡る活動をしている私ですが、実は「未来創造企業認定コンサルタント」と言う変わった役目も拝命しています。現在、第9期認定企業を目指す担当事業所の社員さん向けに未来創造企業認定を取得する意味と意義を伝えるキックオフミーティングを順次開催しています。 未来を創造するサポート未来創造企業の認定とは

          未来を創造する3つの革新

          事業と経営と文化

          先日、とある経営者に事業計画のプレゼンテーションを聞いてもらいたいとの依頼を受けました。軽い気持ちで引き受けて、20分ほどの事業プレゼンを拝聴しましたが、一体誰のために何のために話されているのか、的が全くつかめないまま、そのプレゼンテーションは終りました。フィードバックで(失礼ながら)そのように素直にお返ししたところ、「とある経営者の勉強会で事業計画には、数字を書き込むことが重要だと言われて、(違和感を感じながら)売り上げ目標を中心に作ってしまいました。」との事でした。どうや