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オレ達はどっちに向いて進化するべきなのか? 〜経世済民と進化論〜

イスラエルのイランへの報復攻撃が少しトーンダウンして、WW3の危機、核戦争による世界の破綻は少し先延ばしになったようです。この1週間ほど、ドキドキしながら中東情勢の海外情報を見守っておりましたが、ほっと胸を撫で下ろしております。まだまだ予断を許しませんが。。
とは言え、ウクライナ情勢ははいよいよ煮詰まって来ているようですし、劣勢に立ったら一発逆転の地ならしを敢行し世界を道連れにする核のボタンを持っている人が数多くいるのにはなんら変わりありません。世界は新しい時代の大きな曲がり角を高速で曲がろうとしています。

https://jp.reuters.com/world/security/SXBMRSYFSVNS7B4QW2OIJSOEZ4-2024-04-12/

世界平和は幻想

世界平和は人類共通の願いのはずです。にもかかわらず、有史以来、一度も戦争のない平和な時代が実現しないのは非常に不思議な気がします。21世紀にもなって、今更、戦争放棄を誓った日本までも軍備増強の必要に迫られている現実は人間社会は本当に進化しているのか?と疑問に思ってしまいます。というよりも、本当は世界平和を望む人の方がむしろ少ない(数の問題ではなくパワーバランスとして)のがどうやら現実として認めざるを得ないように思います。
ということは、殺戮と略奪にまみれたこの世界をより良くして次世代に引き継ぐには、既存の社会システムのパワーバランスを逆転するしかないのかも知れません。
ただ、残念なことに、これまでもこの論理で何度も世界各地で革命が起こって来ましたが、結局、元の木阿弥に帰着してしまっています。古くはフランス、近代では中国、ソヴィエトが人民解放の戦いに勝利したはずですが、民主的な国家とは正反対の強権的な組織が国を支配することになってしまいました。権力は腐る。と言われますが、これが人間の本性ならば、世界平和など実現することはないのかも知れません。しかし、諦めてしまうのは残念すぎる。なんとか違う方法論を模索するのが人間の進化の方向だと思うのです。

https://www.video.unext.jp/title/SID0025046/c_txt%3Db

世を經さめ、民を濟くふ。しかない

イデオロギーを中心に据えた革命は結局、多くの人を幸せにするのではなく、新たに一部の権力者を生み出すだけなのは、歴史が証明しました。人は生まれつき良き心を持っている。「良知」が誰の心にも宿っているとは儒学の基本理念ですが、同時に子供は天使のように無邪気に残忍さも持ち合わせています。この、人が持つ善悪、仏性と強欲の両面を認めながら、憎しみ合わず、奪い合わず、殺し合わない世界を目指すしかありません。これが、イデオロギーでも、宗教でもなく、経済ではないかと思っています。
経済とは、本来、経世済民の略であるべきだと言われます。「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」ために経済の仕組みが生まれたとするならば、私たちはもっと経済活動に前向きに、そして本質的に向き合うべきなのだと思うのです。2006年にマイケル・ポーターが提唱したCSV経営(creatived shea value:共有価値の創造)は、企業が行う経済活動自体が社会の課題を解決し、多くの人と共有する価値を創造する活動になるべきとの概念です。それが、事業を持続的に発展させるとの文脈でした。
この思考は日本で長年培われてきた三方よしの商売観とほぼ同じ考え方と言っても過言ではありません。そこには規模の大小、洋の東西を問わずあらゆる事業に取り組む人が経済合理性=欲も満たしながら、より良い社会を創っていく入り口が示されていると思っています。

共感による共同体が種を栄えさせる

人が未来を創っていく営みをする理由は究極は種の保存のはずです。この本能は他の生物と同じであり、人類もその為に進化を続けて来ました。そんな原則を鑑みて、ダーウィンの進化論に目を向ければ「適者生存の法則」がまず頭に浮かびます。小泉元首相が就任時の初心表明で「生き残れる者は強い者でも賢い者でもなく、変化に適応できる者である」と演説をぶって広く知られるようになりましたが、この言葉自体は進化論には書かれていません。ただ、地球の支配者として跋扈していた恐竜が絶滅し、小さな小動物の哺乳類が生き延びて、今や猿が進化した人間がこの地球の覇者となり、今では人と家畜で地球のほぼ全てが埋め尽かされてしまう程になりました。野生動物は4%しかいないとの統計もあります。人間は環境の変化に順応し、創意工夫を凝らして様々な困難を乗り越えて、種の保存どころか爆発的な発展を実現したのです。
では、どのように変化に適応したのか、できたのか?との問いが頭に浮かびます。ダーウィンは種の起源に非常に興味深いことを書き残しています。

世界を救う一条の光

現在、世界を席巻した強欲資本主義が行き詰まり、格差と分断が極まって、世界中で戦争が巻き起こっています。経済の根本的な在り方を見直すのにダーウィンの進化論に書かれている、「共感に満ちた共同体は栄える」との言葉は大きなヒントになるのではないかと思うのです。
持続可能な地球、経済、そして平和は共感の輪が広がることによって実現する可能性がある。もしくは、この方向しか私たちが進化する道はないのではないかと私は考えています。もうすでに↑にリンクを貼ったeumoのように明確にその方向を示して活動を始めているコミュニティーも出て来ています。共感資本経済、共感型ビジネスモデルがスタンダードになる世の中を目指して、あらゆる事業所が人に寄り添い、手を差し伸べることで、事業が成り立つ、そんな在り方から始めるビジネスモデルを創り上げる事ができれば、混迷を深めるこの世界に一条の光が見えるのではないかと思うのです。

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共感型ビジネスモデル、CSV経営を支える実務者研修と、志の高い若者を世に送り出す高校を運営しています。


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