252. 人間関係に悩む全ての人へ

人によって見せる顔が違うのは当たり前


本当の自分って何だろう。Aさんから見える自分とBさんから見える自分は違う顔を持っている。そんな接し方をしていれば、「あいつは多重人格だ」と言われるかもしれない。「人によって態度を変えるやつだ」と言われるかもしれない。Aさんに見せている自分もBさんに見せている自分もすべてが自分である。本当の自分/ウソの自分などないのだ。


今現在、人間関係で悩んでいる人は分人主義を勧めたい。

分人主義とは簡単に言ってしまえば、いくつもの人格を持っているのが当たり前であり、文人の人格の構成比率で自分というものが形成される。


人間は対人関係ごとに様々な自分を持っている。キャラや仮面ではなく、すべて自分。人によって見せる行動は違うかもしれないが、奥底に眠っている根幹の部分は変わらない。感情は意識とは別に勝手に変化している。私たちは相手次第で、自然と様々な自分になる。


人間は桃ではなく、玉ネギなのだ。


桃は真ん中に種がある。そんな風に人には確固とした自我(本当の自分)があり、主体があるように思われているが、実は玉ネギの皮のように偶然的な社会的な関係性や属性を剝ぎ落していった先には何も残らない。つまり「本当の自分」などないということだ。


一人の人間は、「分けられない individual」な存在ではなく、「複数に分けられる dividual」な存在である。環境が変われば、当然、分人の構成比率も変化する。生きていく上で、自分が複数の分人をかかえていることを肯定すべきだ。様々な分人を入れ替わり立ち替わり行きながら考えごとをしている。私たちの人格そのものが他者のおかげで出来ている。


自分の中にある複数の分人の中に不幸な分人や幸せな分人がいる。常に自分の分人全体のバランスを見て、コントロールしていけば、人間関係に苦労しなくなるだろう。

理想的な構成比率の分人を生きられる
=自分が見つかる

日常生活の中で複数の分人を生きているからこそ、精神のバランスを保っている。人間はたった一度しかない人生の中で、できればいろんな人生を生きていきたいという欲求を誰しもが持っている。だからこそ、様々な人と交流し、複数の分人を作っているのかもしれない。


誰を好きになるよりも、一番難しいのは、ひょっとすると、自分自身なのかもしれない。自分は誰といる時の分人が好きかを理解し、足場を徐々に固めていけばいい。好きな分人が一つずつ増えていくなら、私たちはその分、自分に肯定的になれる。



人間は他者なしでは、新しい自分になれない。個性とは、常に新しい環境、新しい対人関係の中で変化してゆくもの。たった一つのコミュニティに拘束されることを不自由に感じてしまう。


今の自分が気に入らないのならば、一歩踏み出して新しい世界に飛び込んでみてほしい。新しい分人を作ることによって、自分の中での分人構成比率が代わり、幸せになれるかもしれない。私自身も中学校の時は複数の分人を作れずに、不幸な分人ばかりで構成されていた。高校になると新しい環境に飛び込んだことによって新たな分人を作ることができた。自分が好きだと思う分人を増やし、バランスを整えていってほしい。


分人主義という考え方をより詳しく知りたいと思った方がいれば、こちらの本を是非一で手に入れてもらいたい。

本日も最後まで読んでくださりありがとうございました!


【今日の格言】


順境にいて悲観せよ。逆境にいて楽観せよ。


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