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己の尺度を自覚させてくれた出来事

今から10年ほど前。
私はバックパッカーとして世界を旅していた時期があった。

大学卒業後、初めて就職した銀行を4年半勤め、次の会社で働き始めるまでの約何ヶ月間か、世界を旅していたのだ。

世界を旅して地球という惑星のダイナミズムを痛感した場所はいくつかあったが、イグアスの滝はそんな中でも最も私自身を驚かせた場所の1つであった。



イグアスは先住民族の言葉で『大いなる水』を意味する。




しかし実際に現地に行くまで、
私も『ブラジルにある《大きな滝》』程度のイメージしか抱いていなかったのだ。






ところが現地に向かう飛行機で、窓から『眼下に広がる森林地帯』を眺めていると…彼方に一部分だけモヤのような蒸気が盛り上がっているのが見えてきたではないか!!!




「あれはなんだろう???」
「竜巻でも起こっているのだろうか??」

目を凝らしていると…操縦室のパイロットのアナウンスで『それがイグアスの滝から放たれている水飛沫』であることを知り、私は思わず息を呑んでしまった…。


空から身下しても遥か彼方であるにもかかわらず…






その水飛沫の範囲の広さといい高さといい、その下にある滝の様子が中々想像できない。

世界の三代瀑布の1つであるイグアスの滝は、ブラジルとアルゼンチンの国境を跨いでおり、双方合わせた国立公演自体の広さは東京都全体とほぼ同じ大きさであるという情報だけは事前に調べていた。





毎秒放出される水量は多い時期で6万5000tにも及ぶ。




それだけの水が約4kmの幅に渡り275箇所から落下しているので、その音は何キロも離れた場所からですら聞こえてくるほどだ。





現地到着後。
通称『悪魔の喉笛』と呼ばれる滝の中で最も水が激しく落ちている滝壺近辺へのボートツアーに参加したのだが…側に寄れば寄るほど、ボートは激しく揺れ体にかかる水飛沫の勢いと量で口呼吸でなければ息も吸えない状況。
他のお客さんもパニック状態であった…。





カッパを着ていたが、岸に戻った時には全員ずぶ濡れ状態。





それでもそこにいた誰もが、満足感に満ち溢れた顔をしていたのはいうまでもない。



そこにいた全員が、
『間近にした地球の威力を一生忘れることはない』と表情で語っていた。


それ程の凄まじさと神秘的な力を備えた空間だった。




滝だけでなく、ハナグマやホエザルなど多様な生物が生息している壮大な国立公園の自然も含め、イグアスは『驕りちな己の尺度を自覚させ、目覚めさせてくれる』




そんな心地にさせてくれる、私にとっては貴重で新鮮で思い出がある大切な場所。






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