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『この家どうするの?』親の持ち家の記録

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毎週金曜日・連載中です。父子家庭の一軒家。家の購入をオススメする内容ではありません。どこから読んでも良いように一話完結。重複もたくさんあります。
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この家どうするの?(47)葬儀屋さん今昔・27「ぶっつけ」

この家どうするの?(47)葬儀屋さん今昔・27「ぶっつけ」

お寺さん(2代目)が父の家に来られた。父はいない。なるようにしか、ならない。たいあたり。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1420文字)

ぶっつけ本番コミュニケーションがとれない、人間が苦手の父。お寺さんに来てもらうのは年に一回。お寺さんは別格だったようだ。

とにかく、ぶっつけ本番。いきさつを話して、きのう火葬まで終了。お寺さん、あまりビックリせず。こんなこと、たまにあったり

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この家どうするの?(47)葬儀屋さん今昔27・ぶつだん

この家どうするの?(47)葬儀屋さん今昔27・ぶつだん

父の火葬の翌日。くしくも、年に一度のお寺さんが来られる日。
計ったようなスケジュール。ちいさな父もビックリしただろう。
(今回は葬儀屋さんおやすみ)
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1125文字)

お寺さんスーパーでお花とお供えを買う。
仏壇(ぶつだん)はもとより、家のいろいろなことをしなくてはならない。これからは、ひとり。

寺じまいをして他県に住んでいる「お寺さん」も葬祭屋

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この家どうするの?(46)葬儀屋さん今昔・26「お寺さん」

この家どうするの?(46)葬儀屋さん今昔・26「お寺さん」

ここは実家なんだけど、父の家。カレンダーに「お寺さん」の文字が残る。あした、お坊さんが来る日だ。
ぐうぜんなのか?
連絡する手間が、はぶけた。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1625文字)

これまでのあらすじ「葬儀屋さん今昔」編も長くなりました。ほんの3日ぐらいのできごと。まとめておきます。
(葬儀および火葬は、自治体の斎場・葬儀社ににより違いがあります)

金曜日から月曜日

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この家どうするの?(45)葬儀屋さん今昔・ (25)父の家にかえる

この家どうするの?(45)葬儀屋さん今昔・ (25)父の家にかえる

葬儀屋・社長さんのガイド。
それがなかったら、斎場でオタオタしていたはず。父は、ちいさな白いせとものにおさまった。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1468文字)

父の変身
たんたんと、【お骨あげ】の手順をすすめる斎場の職員さん。祖母のときは、形なきお棺のぐるりを親族が囲っていた。

今回は、わたしと葬儀屋・社長さんのふたりだけ。父は軽く白い陶器と同化した。何度も入院したから、

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この家どうするの?(44) 葬儀屋さん今昔・24「終のすみか」

この家どうするの?(44) 葬儀屋さん今昔・24「終のすみか」

ひとりで父をおくる。いずれは、この日が来るのだ。やっと来たのか、もう来たのか。斎場でのひととき走馬灯。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1163文字)

実感がない2時間ほどの空白。白いテーブルとイス。天気もよく明るい斎場の空間にいる。あまり実感がないのは、父と交流がなかった……こころの。

昭和の父子家庭なんて。はずかしかった。恥という字は耳に心と書くくのか。いまごろ気づいた。

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この家どうするの?(43)葬儀屋さん今昔・23「宇宙塵」

この家どうするの?(43)葬儀屋さん今昔・23「宇宙塵」

葬祭屋・社長さんに案内され炉のまえに。わたしひとりで父を送る。親族とも交流がないから、これでいい。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1121文字)

白い大理石の神殿火葬炉が一直線にならぶ。高い天井から白くつるんと陶器のような石壁が下へ流れる。床も大理石。マーブル模様が、それぞれの人生のひだに見える。先人の涙のあとかもしれない。

洋風、なんだか神殿のようだ。祖母とはちがう斎場

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この家どうするの?(42)葬儀屋さん今昔22 「親とのわかれ」

この家どうするの?(42)葬儀屋さん今昔22 「親とのわかれ」

父と最後のドライブ。葬儀屋・社長さんの運転で。わたしより、ひとまわりほど若い50歳くらいの社長さんの経験をきいた。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1293文字)

とつぜんのわかれ「あと5分ほどで斎場です。長女さん、待ち時間にお食事されるのでしたら、近くのレストランなどにお送りしますが……」

「いえ食事はちょっと……。空いてるところで座って待ってます。ありがとうございます。」

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この家どうするの?(41)葬儀屋さん今昔・21「安い理由」

この家どうするの?(41)葬儀屋さん今昔・21「安い理由」

直葬。葬儀屋の社長さんが運転する黒い車。わたしと、ものいわぬ父の3人しか乗っていない。気になることを聞いてみた。家族や親戚がいないのをいいことに。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1324文字)

お迎え・義母のとき
斎場(火葬場)まで30分。葬儀にかんすることを聞いておきたい。この機会をのがしてはいけない。

「あのぅ……【検察医事務所までの迎え】は、別途費用は要らないのですか

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この家どうするの?(40)葬儀屋さん今昔20「つながるしごと」

この家どうするの?(40)葬儀屋さん今昔20「つながるしごと」

A葬祭さんから出発、いや出棺。
社長さんが、みずから運転。助手席にわたし、うしろに棺桶すがたの父が乗る。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1307文字)

プロの気づかい黒い車がゆっくりすすむ。あとは斎場 (火葬場)に行くだけ。家から、徒歩・約10分のA葬祭さん。いろいろとお世話になり感謝……あれっ、車が家のすぐちかくに止まった。

わざわざ父のために家に寄ってくださったのか!

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この家どうするの? (40)葬儀屋さん今昔19「葬儀当日」

この家どうするの? (40)葬儀屋さん今昔19「葬儀当日」

年明けから休載の本作を、そろそろ復活します。「親の持ち家あれこれ」。孤独死した父の葬儀当日から……。つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1792文字)

これまでのあらすじ◆「葬儀屋さん今昔」編
別に読まないでも大丈夫ですので、すっとばしてください。

◆孤独死・警察の対応・葬儀屋さんのやりとりのおはなし◆

くわしくは……
マガジン『この家どうするの?・親の持ち家の記録』葬儀屋さん

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この家どうするの?(39)葬儀屋さん今昔18「どうしたものか」

この家どうするの?(39)葬儀屋さん今昔18「どうしたものか」

 やっと、葬儀屋さん編・本題です。現在の葬儀もろもろ。個人の体験や感想です。つらくなるかたは、お読みにならないでください。
(1023文字)

まちの葬儀屋さんA葬祭さんの自社ビル。20畳ほどのお部屋に棺桶ひとつ。いまでこそ、家族葬・直葬の時代だが、父とわたしだけでは広すぎて。
むかしからの、まちの葬儀屋さん。

もの言わぬ父。棺桶の前で鉄パイプの椅子に座るわたし。出棺まで……どうしたものか。

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この家どうするの?(38)葬儀屋さん今昔17・いよいよ

この家どうするの?(38)葬儀屋さん今昔17・いよいよ

 明日は、父の火葬の日。
つらくなるかたは、お読みにならないでください。個人の体験と感想文です。
孤独死の父。預金通帳と年金手帳が出てきた。貴重品のすべてでした。
(1475文字)

とにかく安堵 親子の交流はなくとも戸籍は真実。父は離婚後、再婚はしていなかったようだが、今後は真実がポロポロと出てくるかもしれない。

うちは貧乏な庶民。投資や不動産その他なにも所有なし、金庫もなし。足腰も弱くなった

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この家どうするの?(37)葬儀屋さん今昔16・発掘

この家どうするの?(37)葬儀屋さん今昔16・発掘

 高齢者は貴重品をどこに隠すのか? ちいさな一軒家で探す娘。
キレイ好き、潔癖性の父だった。モノを複雑に隠すとは思えない。孤独死はとつぜんに、やってきた。
(980文字)

捜索ひとくぎり 朝から、ひとりでゴソゴソ捜索。父の「預金通帳と年金手帳」これだけ。収納するところは探した。古着・古布・古紙……捨てるものしか出てこない。それでもモノはすくない。わたしの住むマンションよりも。

ちょっと休憩。ひ

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この家どうするの?(36)葬儀屋さん今昔14「収納ケースとワイヤーラック」

この家どうするの?(36)葬儀屋さん今昔14「収納ケースとワイヤーラック」

押し入れ、たんす、本棚。家具らしきものは開けて中身を出して、さがしました。ちっちゃい一軒家の亡父の家。預金通帳と年金手帳は、いずこ。
(1040文字)

収納ケース父にとって貴重品の「預金通帳と年金手帳」。家の1階には、ないはずだ。2階にアタリをつけてさがす。

押し入れ・洋服タンス・和ダンス・本棚。家具はこれだけ。出てこない。あとあるのは、ワイヤーラックと、収納ケース。

収納ケースは、半透明の

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