道

私には私の歩んでいる道がある。

あなたの眼前にも尊い道が続いている。

いまあなたがどんな道を歩むのか知らないが、ほかの人には歩めない道だ。

私にしか歩めない、振り返っても前に進むしかないこの道。

足元に注意すると、綺麗な花が見つかることもある。

穴だらけの砂利道もある。

友と旅路を一緒にすることもあれば、独り黙々と歩みを進めることもある。

雨の日も、晴れの日もある。

この道が果たして正しいのか、誰かに教えて欲しい時もあるだろう。

間違っていると分かっていて、引き返せない時もあるだろう。

しかし、私にはこの道しかない。

諦めの気持ちというわけではない。

いま目の前にある道を、今日も精いっぱい歩むことを私は選んだのだ。

自分にしか歩めないこの道を、ゆっくりでも時間がかかっても、一歩また一歩。

私の前にしか続いていない、かけがえのないこの道。

旅の途中で、他の人の道を羨むようなこともあるかもしれない。

あの分かれ道を、反対の方にいっていればと悔やんでも、道はひらけないから。

道をひらくために、私はこの道を歩んでいく。

そう心に決めて、一歩でも前へ歩んでいく。

ここまで長い道のりだったと懐かしむ時、私はさらに前へ歩みを進めよう。

この道を歩む喜びを味わうために。