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短編

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閑話

そうです。せっかくなので横道にそれちゃいましょう。例えば昨日の事とかどうでしょうか。疲労が齎す弛緩と精神の過緊張がチクチクとしていました。
やはり、芯が崩れると、どうにも張りが失われて、ばたんと倒れてしまうようです。日をおいて、ようやく体が吊り上げられて、立てたような気がしますが。
おっと、そういえば貴方もいつぞやの時、体の奥から憎悪を抑えきることができないくらいに緩んでいました。アレはなかなか愉

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止痛

どこか、頭の通り途の何処かを、ピンセットで吊り上げたような、鈍痛がします。
ため息が漏れます。
はぁ、と、垂れ落ちた気怠さの通行人が会釈をして通り過ぎていきました。
どうやら今日は朝、らしかったのです。
光が在りました。どうも仕事はしたくないらしい。
首をもたげて、発する光輝に色々をペタペタ仕込んでいました。
手には錆びたカッターの折れた刃が握られていました。どうしてでしょうか。
せっかくなので私

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隠している

隠している
隠している。色々と。
実を言うと、隠さなくてもいいものも、結構あったりする。
隠しとかないと、どうしようもない物もあったりする。
隠していると、嬉しいものもある。
隠したくないものも、あるにはある。
隠していたら、変わっていたものもある。
どちらにせよ隠している。
多分どこにでも隠している。
一挙手一投足、隠している。
隠していないときがない。
むしろ隠していないものってなんだろう。

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