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日々の断片的記憶・詩集

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日々思いついた詩を書いています。詩が好きなのは祖母譲りです。
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2022年10月の記事一覧

【タワマン文学】会社の同期と行った高級店の話をします。

【タワマン文学】会社の同期と行った高級店の話をします。

※これは創作です。

「この日本料理屋が気になってるんだけど」

Netflixを見ていると唐突にLINEが来た。

研修で同じチームだった子達のLINE。

あれから数年が経ち、連絡の頻度はめっきり減っていた。

人付合いだ。

仕方がない。

そう思いながら日程調整の表に記入した。

「値段は10,000円です!」

そう言われ、「!?!?」となった。

何故早く言わないのか、何故そんな高い店

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今日も東京の構成員やってます。

今日も東京の構成員やってます。

電車の中、私はボックス席に座りながら帰路についていた。
窓から見える無数のマンション。
無数の扉、無数の窓。
薄暗い曇り空がよりマンションのコンクリートの質感を際立たせていた。
一つ一つのビルが細胞のように思える。
ビル自体がそれぞれ個性のあるクリーチャーでそこに格納されている人達。
自分もその一つ一つの細胞の構成員でしかない。
そしてこの無数の人達も自分と同じようにご飯を食べて毎朝ゴミを出す。

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ワンルームで思い出した花火の思い出

ワンルームで思い出した花火の思い出

キャンドルを貰った。
一人暮らしの知り合いから。
仙台旅行のお土産が何故かキャンドルになった。 
お土産を渡すとその知り合いは喜び、「お返しをしなければ」と何度か呟きながらワンルームをウロウロし始めた。

そして玄関に置いてあったキャンドルを渡された。

斑模様の施されたガラス容器に入ったキャンドルは虚しくもこの知人の玄関先で放置されていた。

逆に荷物が重くなったが快く受け取り、帰りの溝の口駅の

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