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ワンルームで思い出した花火の思い出


キャンドルを貰った。
一人暮らしの知り合いから。
仙台旅行のお土産が何故かキャンドルになった。 
お土産を渡すとその知り合いは喜び、「お返しをしなければ」と何度か呟きながらワンルームをウロウロし始めた。

そして玄関に置いてあったキャンドルを渡された。

斑模様の施されたガラス容器に入ったキャンドルは虚しくもこの知人の玄関先で放置されていた。

逆に荷物が重くなったが快く受け取り、帰りの溝の口駅の店でマッチを買った。

結婚式で貰ったというかわいいキャンドル。

それにはライターは似つかわしくないかなと思い何となくマッチにした。

そして今日は久々の在宅勤務だった。

ワンルームに響く会議の電子音。

まるで上司がそこにいるような感覚になる。

癒やしが必要だ。

おもむろに休憩時間にマッチを擦ってキャンドルに火をつけた。

部屋に充満する硝煙の匂いと甘ったるい匂い。

そして思い出した。

「この匂い嗅いだことある。懐しい。」

匂いで思い出がふと蘇る現象をプルースト効果といいらしい。

小学校のとき祖父の家で毎日のように花火をやった。

最後はやはり線香花火。

「背が伸びたなぁ」

家の無機質なアルミ建材の上に書き出される私の身長。

祖父の笑顔が浮かんだ。

相変わらず会議の電子音が部屋に鳴り響いているが、ワンルームが少し意味あるものになった気がする。

私はこれからもこの部屋で歳を重ねるのだろう。

暇人ブログ(転職・就活・大学院) 

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