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すべての子どもは消耗品じゃない(1)

🎈リキとユキトの場合

■0.プロローグ

「あそこんちの子、障害者らしいよ。」

「えっ?うちの子と仲いいんだけど。」

「自閉症だって。ほら、みんなと違ってなんか暗い感じしない?
 詳しく知らないけど、ちょっとね。」

「やばっ。よくゲームしに行ってるけど、付き合うのやめさせるわ。」

「子どもに悪影響あるとやだよね。なんか悪いけど。」

「うんうん、ワカル。関わりたくないよね。私もおんなじ。」




■1.リキ

「ユキト、今日の約束キャンセルな。」

「うん。」

「もう行かないってママと約束したんだ。」

「うん。」

”ユキト君家に面白いゲームあるから遊んでおいで。”
いつもはそういうけど、今日のママは違った。

「障害のあるユキト君とはもう遊ばないで。リキに何かあったら困るの。
 リキの為なのよ。ママとちゃんと約束できるね。」

ママは僕の為に言ってくれてるんだ。
ママの言いつけを守ってればいいんだ。
ママが言うことは絶対だから。

ユキトの障害は見た目じゃわからない。

ユキトも最近まで知らなかったらしいし、俺もよく分からない。
先生もママも、誰も教えてくれない。
分からないから、ママの言うことをきいてればいいんだ。
そしたらママは怒らない。

だけど、あのゲーム、クリアまでもう少しだったのにな。
もうあのゲームはできない。
少しだけ寂しい気持ちになったんだ。




■2.ユキトの母

「お母さん、もうリキ来れないって。ママと約束だって。」
「そう。」
「うん。」

ユキトの平気そうな顔を見ていると、涙がこみ上げてくる。
慌てて後ろを向いてお菓子の準備をする。
担任や同じ塾のママに話した時点でこうなることは予想してた。
だいじょうぶ。
分かってた事だ。
だいじょうぶ。
ユキトは傷ついてない、、、、、、まだ。

「リキ君と遊べなくて寂しい?」
「別に。」
「そっか。」
「うん。Youtube見ていい?」
「宿題終わったらね。」
「はぁい。」

だいじょうぶ、ユキトはいつも通り。
帰って来てから宿題をしてお菓子を食べてYoutube。
彼のルーティンはいつも静かに守られている。

ユキトは深く考えてない。
悲しがっていない。
寂しがってもいない。
もうそれでいいじゃない。
ユキトが傷ついてないならいい。

、、、、、、、誰にも理解して貰えなくても。

ユキトが生きていてくれるだけでいい。
ちょっと前までの暗い表情と痩せ細っていた体を思い出す。
あの頃よりユキトはずっと元気になった。
自然に笑うようになった。
「学校怖い。生きるのも怖くて嫌だ。」なんて言わなくなった。

充分じゃないか。
私達は今のままでじゅうぶんに幸せだ。
笑顔でいよう。
笑っていよう。
私ひとりが間違えたって、赦してくれる家族が居る。
いつからだってリスタートできる。
ひとりじゃないから怖くなんかない。



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読んで下さってありがとうございました❣



🎁大好きなnote友の大橋ちよさんが感想文を書いて下さいましたヾ(*´∀`*)ノ

読み進めていくうちに泣いてしまいました( ;∀;)

想いや考えをキャッチして貰えて嬉しかったです。

ちよさん、改めてありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ



🎁能登半島地震をきっかけにnote友になったあかうまさんも感想文を書いて下さいましたヾ(*´∀`*)ノ

ちよさんの感想文に感動していたら、
あかうまさんからも感想文が届いて嬉しくてうるうるです( ;∀;)

あかうまさんは能登半島地震の応援歌を作られた方です。
大橋ちよさんとのコラボされてるのを縁にnote友さんになりました。



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