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愛世(趣味:小説書き)
2024年4月5日 20:39
朝八時半を五分くらい過ぎた時間帯。街一番の大きさを誇るこの交差点を私はいつも通る。それは専門学校に向かう途中に現れる交差点。待ち時間は長し、人通りは多し、車の往来も激しい。 それでも私がこの交差点に立つことを楽しみにしている理由。それは――彼。 いついかなる時もキチンとスーツを着こなす若い男性。みんなが赤信号に痺れを切らしてだらける中、彼だけは姿勢を崩さない。信号待ち集団の前列は私の特等
2024年3月24日 15:21
澄んだ青空を見上げれば、抱くのは安心感。春風に揺れる木々の香りを嗅げば、思い浮かぶのは平穏。それこそ神崎隼人の願いであり、唯一の時間だった。誰にも邪魔されないひと時なんて、手に入れることが難しいこの時代。その難関を突破した隼人にとって、この芝生の上は貴重な拠り所であった。 柔らかい芝生の上に仰向けになると、一気に視界を埋め尽くすのは透き通った空。大海を泳ぐわた雲は右から左へ流れていき、小さな
2024年3月19日 22:06
〜小春の場合〜 私の名前は卯月小春、今年の春にめでたく高校生になりました。 この季節になると、周りから必ず言われることが二つあります。一つは「卯月さんって春生まれなの?」。もう一つは「卯月さんって春っぽくないよね」です。 結論から言います。私は春生まれではなく、秋生まれです。小春という名前は、私の祖父が好きな昔の美人画から付けられました。春とは無関係です。卯月という苗字も、言うまでもあ
2024年3月17日 08:41
はじめに 思いつきでササッと書いた小説です。どうか軽い気持ちでお読みください。(もしかしたら後々手直しするかもしれません)〜隼人の場合〜 俺は神崎隼人、今年の春に入学したばかりの高校一年生。顔良し、頭良し、運動神経良しの、自他ともに認める学校一の人気者だ。 入学式では俺の噂を聞きつけた先輩女子達が大勢駆けつけ、入学してからというもの一ヶ月経ってもIDやプレゼント攻撃は止まず、「人集