山好き

長野県で働く内科医。忙しい仕事の合間に趣味である、登山、ランニング、サウナ、読書にいそ…

山好き

長野県で働く内科医。忙しい仕事の合間に趣味である、登山、ランニング、サウナ、読書にいそしむ。 自分の経験を色んな人達と共有して、人生を少しでも楽しく、豊かなものにできたら嬉しいです。

最近の記事

これから社会人になるあなたへ

「医者は治療する立場だから患者が亡くなると自分の責任だとか思いがちだけど、そんなたいそうな力はない。良い医者ですら、多くの失敗や患者の死を経験しそれをもとに形成されている。責任を負うなんてそんなたいそうなことは思う必要はないし、医者はそんな偉い立場でもない。でも無駄にしてはいけないし、申し訳ない気持ちは大事にした方が良い。やっぱり失敗をもとに次にどうするか、そうやってしか前に進めない。それが成長につながり、より良い医療を提供できるはず。今日は精一杯申し訳ない気持ちになっって、

    • 『あなたが自分で考えてください。』

      「なんで僕に聞くんだろう。」 幡野広志さんの著書「なんで僕に聞くんだろう。」を読んだ。幡野さんの本を読むのは、「他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと」に続いて2冊目だ。1冊目を読んで、幡野さんに興味を持ち、違う本も読んでみたくなり手に取った。 「なんで僕に聞くんだろう。」も多発性骨髄腫(血液のがん)になった写真家である幡野さんが、色々な人生相談を受けて、それに答えていくという形で本にまとめられている。家族、恋愛、将来、病気など、様々なテーマについての人生相談が含まれ

      • 自分の「クロノタイプ」を知って、満足な睡眠を手に入れよう!

        皆さんは毎日満足な睡眠が得られているだろうか? 私は比較的満足な睡眠がとれていると思うが、パートナーが「寝ているのに疲れがとれない。」と悩んでいたので、睡眠の本を読んで勉強してみた。 自分の「クロノタイプ」を知ることが重要だということが分かった。 皆さんは「クロノタイプ」という言葉を知っているだろうか? 私は今回勉強して初めてこの言葉を知った。 「クロノタイプ」とは、ある個人が1日の中でどの時間帯に最も活動的になるかを示した時間帯特性である。人は遺伝子によって、生まれつ

        • 「天国のおばあちゃんが守ってくれたのかもしれないね。」

          朝、車で通勤している時に、ふと学生時代の事を思い出した。大学5年生の時の事だ。 関東で医学生として実習をしている時に、 「おばあちゃんが亡くなりました。通夜と葬儀をやるので、時間があったら帰ってきてください。」 と母から連絡があった。病院に事情を話し、急いで九州に帰るための準備をした。 移動は飛行機であった。航空券を予約し、急いで荷造りをして、羽田空港に向かうことにした。予想以上に荷造りに時間がかかってしまい、フライトまであまり時間がないことに気づく。電車の時刻表を確認し

        これから社会人になるあなたへ

          「もう夢はかなっているのかもしれない。」

          noteをはじめてもうすぐ1年になる。先日記事を投稿すると、100投稿になりましたと、ポップアップで知らせがあった。毎日投稿しているわけではないが、毎月1投稿はなんとか続け、100まで達した。いつか本を出してみたいと思って始めたnote。まだ本は出せていないが、少しだけ灌漑深かった。 昨日、「職業は夢の通過点だと思います。」という記事を書いて、色々な年代、分野の人が「スキ」をして下さり(「スキ」をしてくれた方のnoteは必ず1投稿は読むようにしている)、嬉しさを感じるととも

          「もう夢はかなっているのかもしれない。」

          「職業は夢の通過点だとおもいます。」

          幡野広志さんの著書『他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと』を読んだ。がんになった写真家である幡野さんが、色々な人から人生相談を受けて、それに答えていくという形で本にまとめられている。家族、恋愛、将来、病気など、様々なテーマについての人生相談が含まれている。 この本を読むまで、幡野さんの事は知らなかったが、優しく力強い言葉の中に、時には厳しい言葉で質問に答えいる様子が痛快で、あっという間に読破してしまった。 『大切なのは仕事の先にある夢です。職業は夢の通過点だとおもい

          「職業は夢の通過点だとおもいます。」

          朝に感じたほのかな香り

          日曜日の朝、7時ごろから自宅の周りをランニングした。3月も中旬になり、ようやく春の気配を感じるあたたかさとなってきた。 ランニングをする時、いつもと違うコースを走ると新しい発見があって楽しさが増す。こんなおしゃれなイタリアンがあったのか、ここには新しい家が建つんだな、いつもと見える景色が少し違うだけで足取りも軽くなる。 走っていると色々なにおいがしてくる。朝の時間なので、朝ごはんの香りが多い。今日は、その中に混じって一瞬、ふわっとしたとても優しい香りがした。本当に一瞬だっ

          朝に感じたほのかな香り

          別れの記憶として残っている『ボヘミアン・ラプソディ』

          素晴らしい映画には、不思議なくらいその映画を観た時の思い出が一緒に残っている。『ボヘミアン・ラプソディ』もその一つだ。 『ボヘミアン・ラプソディ』は、ブライアン・シンガー監督の2018年の作品で、イギリスのロックバンドQueenのボーカルであったフレディ・マーキュリーに焦点が当てられている。1970年のクイーン結成から1985年のチャリティコンサート「ライブエイド」までが描かれている。 フレディ・マーキュリーの音楽的才能、Queenの名曲誕生の瞬間など、音楽史に残る伝説的

          別れの記憶として残っている『ボヘミアン・ラプソディ』

          たかが30分、されど30分

          私は朝型であり、遅くても6時30分には職場に到着する。朝7時の回診までの時間は勉強の時間だ。短い日はたかだか30分であるが、静かなデスクでの朝の勉強は思っている以上にはかどる。終わりの時間が決まっているのもいい。 時々、朝早く出勤してくる医師もいる。資格試験や締め切りが迫った仕事があるため早く来てこなしているようであった。しかし、そのような医師が朝早く来るのは、資格試験や締め切りの迫った仕事が終わるまでである。終わってからも継続して朝早く来続ける人はいない。 「塵も積もれ

          たかが30分、されど30分

          その時間まで削ってしまっていいのだろうか?

          働き方改革が叫ばれるようになって久しい。 医療者の働き方も随分と改善されたと思う。以前は当直明けに夜遅くまで働く医師も多かったが、今は多くの医師が当直明けは早く帰宅するようになった。とてもいい変化だと思う。 一方で、必要な時間、大切な時間までも、時間外業務だからという簡単な理由で削られているような気がする。必要や大切といった基準は人それぞれなので一概には決められないが、当事者(時間外業務をする人)に話を聞いたり、相談することなくその時間が削れられていることが、私の周りにもち

          その時間まで削ってしまっていいのだろうか?

          なぜ自分は可愛がってもらえるのか?

          医師になってからこれまで、多くの人達に可愛がってもらってきた。先輩医師だけでなく、ベテラン看護師からも可愛がってもらえることが多かった。パートナーからは半分冗談交じりに、「なぜあなたが、そんなに可愛がってもらえるのか分からない。」と言われた。確かに自分でも、その理由がよく分からず、先日10年弱可愛がって来てもらったある先輩医師と食事をした際に、思い切って聞いてみた。 「何か問題が起こった時に、その問題を自分に関係があることだと思い、問題から逃げないからだよ。そういういう後輩

          なぜ自分は可愛がってもらえるのか?

          ネパールで食べた『モモ』の味が忘れられない。

          皆さんは『モモ』をご存じだろうか? 知らない方のために、まず『モモ』について少し書きたいと思う。 『モモ』はネパール餃子である。 野菜、マトン、ヤクの肉などでできた具材を、薄く伸ばした小麦粉の皮で包み、加熱する。蒸したものが一般的であるが、焼いたり、揚げたりして食べることもあり、まさに餃子である。アチャールというたれにつけて食べる。本来はチベット料理とされているが、ネパールにも伝わり、家庭でもレストランでも広く食べられている。 『モモ』を初めて食べたのは2023年11月の

          ネパールで食べた『モモ』の味が忘れられない。

          noteを通じて広がる世界

          自分の書いた記事に「スキ」をもらえると嬉しい。 誰が「スキ」を押してくれたか分かるので、その人のページに飛び少なくとも1つは記事を読むようにしている。 本当に色々な人が、色々なことに興味を持って記事を書いていることが分かり面白い。自分と同じような経験・考えをしている人の記事も共感しながら楽しく読むが、noteをやっていなければ知らなかった世界や分野に触れられることも楽しい。 これからも自分の思いを記事にしていきたい。また新しい人から「スキ」が貰えるように頑張りたい。そしたら

          noteを通じて広がる世界

          『うまくなったなー。』~自分の事以上に嬉しい後輩の成長~

          医師には専門的で高度な技術の習得が求められることがある。消化器内科の内視鏡(カメラ)もその一つである。動画コンテンツで自己学習できる機会も増えてきたが、技術の向上のためには、やはり師匠(先輩医師)からの指導がかかせない。私はこれまで素晴らしい師匠に恵まれて、技術を磨いてくることできた。医師として学年が上がってくるにつれて、先輩として後輩を指導する立場になってきた。 後輩に教えるにあたって、自分の手技を見直すとともに、どのように自分が教えてもらってきたのかを振り返ってみた。キ

          『うまくなったなー。』~自分の事以上に嬉しい後輩の成長~

          『ラ・ラ・ランド』につまった思い出

          『ラ・ラ・ランド』が好きである。 色鮮やかで迫力のあるミュージカルシーンと切なくも美しいロマンティックなラストシーンが大好きだ。主人公は女優志望のミアとジャズピアニスト志望のセバスチャンという個性的な2人である。 はじめは波長が合わない2人であったが、何度か偶然会ううちに自然に恋に落ちていく。2人はお互いを高め合いながら、ミアは女優としての一人芝居の準備を始め、セバスチャンは友人のバンドに加った。セバスチャンのバンドが先に成功し、忙しくなってくると2人の間に徐々に溝ができ

          『ラ・ラ・ランド』につまった思い出

          自分と違うことを受け入れ、楽しむ

          何かを判断する時、皆自分というフィルターを通して判断している。その判断基準は、育ってきた環境、これまでの経験によって形作られている。そのため、判断基準は十人十色である。 1例を挙げると、「食事中にテレビを見るかどうか」。私はテレビを見ながら食事をすると、テレビに夢中でごはんをこぼしてしまったりして行儀が悪いので、食事中はテレビをみてはいけませんと子供の時に親から言われた。しかし、私のパートナーの家庭では、一家団欒の時間としてテレビを見ながら食事をとっていたとのことであった。

          自分と違うことを受け入れ、楽しむ