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60_リーダーがコーチングを学ぶ意味を考える

皆さま、こんにちは!

前回の記事では、「管理職が脳科学を学ぶことをお薦めする理由」についてお伝えいたしました。前回に続き今回は、「リーダーがコーチングを学ぶ意味」について書いてみようと思います。

なぜ「リーダーがコーチングを学ぶ意味」について考える必要があるのか

リーダーや管理職に昇格すると、会社の研修などでコーチングを学ぶ機会が増えたと感じていらっしゃる方も多いと思いのではないでしょうか。
私どもにも、

  • 管理職研修で部下育成の手法のひとつとしてコーチングを教えてほしい

  • リーダーが1on1を上手く進められるように、コーチングの基礎知識を教えてほしい

などのご依頼をたくさんいただきます。

「リーダーはコーチングを学ぶと良い」・「部下育成においてコーチングが役に立つ」というのはある意味正しいのですが、リーダーの方には「会社に勉強するよう言われたから」・「世間的によいとされているから」と思考停止で勉強するのではなく、「リーダーがコーチングを学ぶ意味」をきちんと理解した上で、前向きに楽しみながら取り組んでほしいと思います。

そして、人事の方には

  • 毎年管理職研修にはコーチングを入れてきたから

  • 他社でも取り入れているようだから

ということではなく、

  • リーダーを育てるのにコーチングの学びをどう活用するか

  • 管理職がコーチングを学ぶことで組織をどう変えていきたいか

などの中長期的視点を持つことで、リーダーや管理職の育成にコーチングを活用していただきたいと考えています。

さて、前置きが長くなりましたが、リーダーがコーチングを学ぶ意味について考えてまいりましょう。
私は、学ぶ意味として3点あると考えています。

①   コーチングは、考える力のある部下を育てることに役立つ

新入社員や異動したての方には、教えること(ティーチング)が必要です。何も教えないままに業務を振っても、仕事はできるようになりませんね。そのため、OJTやメンター制度を整備して、業務のキャッチアップを支援している企業様が多いと思います。

ただ、ティーチングばかりでは、指示待ちの考えない部下になってしまいます。考える力のある部下を育てるためには、考えさせるための質の高い質問を投げかけることが必要です。

例えば、部下に任せたプロジェクトが上手く進行していない時に
「どう対応する?」とチャンク(かたまり)の大きい質問を投げかけるのもよいでしょう。
また、「AとBという解決方法があります。1年後のチームの状況を考えたとき、どちらを取った方がいいでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを3点ずつ考えてみてくれますか?」と、部下の経験やスキルに合わせて、さらにその時に部下に考えてもらいたいことに視点を向ける質問をすることで、部下の成長を促すことが可能です。

優れた質問には、考える力のある部下を育てる効果があります。

②   メンバー間の対話にコーチングスキルを使うことは、組織開発にもつながる

リーダーがメンバーに向けた対話の中でコーチングスキルを使い続けると、メンバーもまた自然に同様のスキルを身につけていきます。そして徐々に、メンバー同士の対話にもコーチングを活用したコミュニケーションが生まれ始めます。
このようにして、はじめはリーダー対チームメンバー(1対1)から始まったコーチングの効果が、リーダー対複数メンバー(1対多)、メンバー対メンバー(複数対複数)のコミュニケーションに波及していきます。

コーチングの効果が網の目状に広がっていきます。

チーム全体において質の高い対話が生まれるようになると、それは信頼関係を育み、強いチームを作ること・組織開発につながります。対話の質を高めることが組織開発に役立つのです。

③   コーチングスキルを自分のために使うとリーダー・管理職を楽しめるようになる

前述したように、コーチングスキルは部下育成だけでなく組織開発にも活用できます。さらに、自分のために使うことも可能です(セルフコーチング)。

  • この質問は部下の視野を広げるのに効果的だったか?

  • 世界一のコーチなら、目の前の部下に対してどのような言葉で承認をするだろう?

  • 1ヶ月前と比較して、管理職として成長した点を3つ挙げるとしたら何だろう?

などの質問を自分に投げかけることで内省を深めたり、自分のモチベーションを上げたりすることができるようになります。

管理職は大きな責任を背負いながら、孤独感を抱えがちです。そんな時に、自分の感情をフラットに整え(負の感情に捉われず)、さらなる成長を目指す手法としてコーチングを自分のために使ってください。そして与えられたリーダー・管理職という役割を存分に楽しんでほしいと願っています。

皆さんが管理職という役割を楽しむことは、「私も管理職を目指そう」という部下を育成することにもつながります。繰り返しになりますが、「リーダーがコーチングを学ぶ意味」を理解した上で、前向きに楽しみながら取り組んでいただければと思います。

チームのために、そしてあなた自身の成長のために、ぜひご活用ください!

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