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データ分析

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#データ分析

「仮説」には「どうやるか」ではない仮説があるのかもしれない

どう実現するかではなく、何をするかのための仮説もあるのではないかやるべきことがあり、それを「どうやって実現するか」をあれこれ考える、というのはみんな日頃から行っていることだ。この時に出てくる案のことを「どうやるかの仮説」と呼ぶことにしよう。

それ以外にも、「何をするか」や「あるべき姿」を考える場合がある。こちらは「どうあるかの仮説」と呼ぼう。例えば、人生の目標とか、会社の長期的な戦略を決めるよう

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「仮説」を気軽に使うと事故になるので気を付けていること

「仮説」を気軽に使っているけど、大丈夫?データ分析では「仮説」が良く話題にのぼるが、筆者は仮説という言葉があまり好きではない。

なぜならば、「仮説」というのは今そう思うことやすぐに思いつくこと、あるいはそうなって欲しいことになりがちだからだ。

「仮説を証明する」とか「〇〇がうまくいったか調べたい」なんてよく言われるが、これは仮説の間違えた使い方だ。仮説も考えるための道具であり、正しく使わないと

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ツールは人が主体的に使うこと

世の中にツールは溢れているが、そのうち本当に使われているのはどれだけか「ツールをいろいろ導入しているがあまり使えていない」という声はよく聞く。毎月何十万、何百万あるいはそれ以上の料金を払っているにも関わらず最低限の機能で定期レポートを作っているだけだったり、時には放置されていたりする。

これはツールに対して本来するべきではない過度な期待していたり、ツールの役割を勘違いしていることから起きる。では

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いらないダッシュボードを作らないようにしよう

なぜいらないダッシュボードを作らないようにしなければならないのかいらないダッシュボードとは、作っても見返りがないか、見返りがあっても非常に少ないダッシュボードのことである。作っても最初から誰も見ていないのは論外であるが、そうでなくてもいらないダッシュボードがたくさんある。

作ったが最初だけで今は誰も見ていない

意思決定の役に立たない

作るのにとても手間がかかる

維持管理にコストがかかりすぎ

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意思決定と分析のプロセスを料理のプロセスと並べてみると見えること

データ分析がプロセスであることが解りづらかったら、料理に例えてみよう意思決定と分析のプロセスは1つの意思決定に関するプロセスだ。しかしこれだけだと抽象的なのでいまいち伝わりづらいかもしれない。

こういう場合は身近な何かで置き換えて考えることで見通しがよくなることもあるので、料理に例えてみる。

意思決定と分析のプロセスと料理のプロセスを比較するまずはそれぞれのプロセスを並べてみる。すると大体同じ

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なぜ「分析」を行うのか

「分析をどうやるか」は重要、「なぜ分析を行うのか」も同じぐらい重要手法やツールで「分析をどうやるか」の話はたくさんあるが、「なぜ分析を行うのか」についてはなぜかあまり触れられていない。

「日本では家では靴を脱ぐ」ぐらい当たり前だから誰も語らないということあれば杞憂だった、で済むがそうでもないらしい。

「分析」を行う際に考えておくべきこととして、「なぜ分析を行うのか」をできるだけ簡潔に説明するこ

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「効果測定」をやめよう

「効果測定」だけが一人歩きしてませんかデータの仕事をしていると、知らないところでいつのまにかに行われた施策について「効果測定をしてほしい」と言われることがたびたびある。

とりあえず施策を行い後で振り返えればいいや、と考えている人が多いようだがこれでは正しい検証はできない。検証ができないから次の施策を決める時もまたとりあえず施策をする、が繰り返される。

これではいくら「効果測定」を行うために動い

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「データアナリスト」=「データ分析をする人」が引き起こしていること

前回の記事はこちら。

データアナリストの求人内容の範囲が広すぎる「意思決定支援」にはいろいろなやり方があるのに区別がされていない。詳しく見ると「データ分析に責任を持つ人」は皆無で実態はコンサルタント・マーケター・データ整備人のどれか。膨大な領域になるのに「データアナリスト」の一言で済ませるのは無理がある。

レストランがジャンルもレベルも書かずに「料理ができる人」だけ募集しても望ましい採用は難し

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「データサイエンティスト」と「データアナリスト」のトレンドから日米の違いを見てみる

日本の「データサイエンティスト」と「データアナリスト」のトレンドまずは日本での様子。

図はGoogleトレンドから作成。2014年1月以降、月別。

アメリカの「data scientist」と「data analyst」のトレンド次にアメリカ。

図は同じくGoogleトレンドから作成。2014年1月以降、月別

日米の比較で思うこと日本では「データサイエンティスト」と「データアナリスト」の両

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「データ分析」の3つの仕事を整理する

「データ分析」を整理する「データ分析」と言ってもその仕事にはいくつかの種類がある。しかし、その違いが整理されておらず各自に思い思いの「データ分析」があるために認識がずれる。

これだけ頻繁に使われている言葉なのにその内容に大きな違いがあることにあまり意識が向いていないらしい。良い状態だとは思えないので、まずは「データ分析」について整理してみようと思う。

「データ分析」の仕事「データ分析」と呼ばれ

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「知ること」と「決めること」はわけて考えよう

「知ること」と「決めること」は全然違うのでは「知行合一」という言葉もあるように、「知ること」と「決めること」を切り離すことはできない。しかし、この2つの行為にはまったく違う考え方、取り組み方が必要なはずだ。

「決めること」だけに注目が集まり、その結果だけみてプロセスを検証しないから成功に再現性がなく、失敗を繰り返しているのではないか。

「知ること」に必要なこと徹底して客観性が求められる。人の好

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意思決定と分析のプロセス

意思決定と分析のプロセスをデザインするデータを処理する手法やプログラミングは以前から話題には登っており、ここ数年ではデータ基盤の構築にも注目が集まりつつある。一方でデータ分析やデータ活用の全体像の議論はあまりされていないと感じている。

そこでデータ活用の全体像を考える、としたいところではあるがあまりに広い領域なのでまずはデータ活用の中心となる「データ分析」から取り掛かることにする。では何が「デー

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「意思決定を分析で支援する」という役割について整理する

「意思決定を分析で支援する」という役割について整理する

いろいろな「支援」がごちゃまぜになっている「意思決定を分析で支援する」という表現はここ最近増えた気がしている。ちゃんと計測しているわけではないが、数年前に比べると見聞きする機会が増えたのは強く感じている。

ところが同じ「意思決定を分析で支援する」でもやり方がいくつかあり、責任範囲も全く違うのだがどうやらこれらがごちゃ混ぜになっているようだ。

それだけが原因ではないだろうが、データ分析に関わって

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データ分析は決定に先行していなければならない、はずなのにそうなっていない気がする

データ分析は決定に先行していなければならない、はずなのにそうなっていない気がする

決定より先にないデータ分析は無意味データ分析は意思決定のために行う。ということは、すでに決定が下されていて変更の余地がないのであれば後でデータ分析を行っても意味がない。

そのはずだが、PDCAを回したりKPIを決める際に、「事前」に「片手間」ではなく「専門の能力」を持った人に「リソース」を割り当てて「データ分析」をさせているという話はあまり聞かない。

もしかしたらそんなものは必要無いのかもしれ

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