「データアナリスト」=「データ分析をする人」が引き起こしていること
前回の記事はこちら。
データアナリストの求人内容の範囲が広すぎる
「意思決定支援」にはいろいろなやり方があるのに区別がされていない。詳しく見ると「データ分析に責任を持つ人」は皆無で実態はコンサルタント・マーケター・データ整備人のどれか。膨大な領域になるのに「データアナリスト」の一言で済ませるのは無理がある。
レストランがジャンルもレベルも書かずに「料理ができる人」だけ募集しても望ましい採用は難しいだろう。さらに「(料理ができるに越したことは無いが)店舗運営ができる人」や「設備を整えてくれる人(料理ができればなおよい)」が欲しいのであれば「料理ができる人」で募集するのではなくふさわしい職種で募集してくれた方がいい。
「できる」のレベルが違いすぎる
同じ「できる」でもいろいろある。以下のようにレベルが違っていても同じ「データアナリスト」でひとまとめにされている。
・高度なモデリングによる予測が得意
・リサーチャーとして数年の経験がある
・実務経験は少ないが体験的な訓練を受けている
・ExcelでIF関数が書ける(けどVlookupはわからない)
すると「データアナリスト」と名乗っているから「データ分析ができる」だろうとレベルを確かめもしないで雇う企業が出てくる。言う側もそういう勘違いを期待しているのかもしれない。その結果「データアナリストとか名乗っているけど何もできない人」が出来上がる。
「コンサル型/提案型/課題解決型 データアナリスト」という言葉が作られる
「コンサル型/提案型/課題解決型 データ分析をする人」と読めば何となく通じる気はするが、責任範囲がどこまでなのかがわからない。意思決定のための情報(インテリジェンス)を作ることに責任があるならば提案や課題解決という言葉は出てこない。
「データアナリストは提案しなければならない」と聞くたびに「分析スキルに強みのあるコンサルタント/マーケターとかでいいのでは」と思っている。
「データアナリストは通過点」と言われる
データアナリストを「データ分析のスキルがある」と使っているとしたら納得できる。
「データ分析だけしてもしょうがない」「データ分析は目的ではない」といった発言も同じような話だろう。レベルも「料理人として勤めることが出来る」のではなく「自炊ができる」ぐらいの使われ方。
データ分析に限らず「営業」「マーケティング」「IT」などでも通じる。あまり意味があるようにも思えない。
対策
「データアナリスト」をどんな意味で使っているのかを先に確かめる、しか思いつかない。「データ分析」「データサイエンティスト」「〇〇リサーチャー」も同様。
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