データ分析とインテリジェンス

「データを使いやすくする人」たまに「データを分析してインテリジェンスを提供する人」。その実態は謎の業界ウォッチャー。

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「データを使いやすくする人」たまに「データを分析してインテリジェンスを提供する人」。その実態は謎の業界ウォッチャー。

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    「データ分析」の3つの仕事を整理する

    「データ分析」を整理する「データ分析」と言ってもその仕事にはいくつかの種類がある。しかし、その違いが整理されておらず各自に思い思いの「データ分析」があるために認識がずれる。 これだけ頻繁に使われている言葉なのにその内容に大きな違いがあることにあまり意識が向いていないらしい。良い状態だとは思えないので、まずは「データ分析」について整理してみようと思う。 「データ分析」の仕事「データ分析」と呼ばれる行為には、以下のアウトプットがあると考えられる。 提案 インテリジェンス

      • 「知ること」と「決めること」はわけて考えよう

        「知ること」と「決めること」は全然違うのでは「知行合一」という言葉もあるように、「知ること」と「決めること」を切り離すことはできない。しかし、この2つの行為にはまったく違う考え方、取り組み方が必要なはずだ。 「決めること」だけに注目が集まり、その結果だけみてプロセスを検証しないから成功に再現性がなく、失敗を繰り返しているのではないか。 「知ること」に必要なこと徹底して客観性が求められる。人の好き嫌いだけで聞いていないか、発信者の思うような方向に誘導されていないか、自分の好

        • 意思決定と分析のプロセス

          意思決定と分析のプロセスをデザインするデータを処理する手法やプログラミングは以前から話題には登っており、ここ数年ではデータ基盤の構築にも注目が集まりつつある。一方でデータ分析やデータ活用の全体像の議論はあまりされていないと感じている。 そこでデータ活用の全体像を考える、としたいところではあるがあまりに広い領域なのでまずはデータ活用の中心となる「データ分析」から取り掛かることにする。では何が「データ分析」を構成するのだろうか。 データ分析はプロセスであるデータの使い道は意思

          • データ整備のアンチパターン

            データ整備のパフォーマンスが上がらない理由を考えるデータ整備は「データを使いやすくする」役割であり、そのパフォーマンスを定量的にかつ客観的に計測することは非常に困難である。だが困難だからといって課題を把握もせずに放置すればパフォーマンスが上がるはずもない。 そこで、整備のパフォーマンスに大きく悪影響を及ぼしているだろうと思われる要因をアンチパターンとして考察する。今回はまず「データ整備を認識しない」と「 データ整備をやりすぎる」の場合を取り上げる。 前提として、「データ整

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            「示唆を出す」とは何なのか

            「示唆を出す」とはよく言うけれど、それは一体何なのか「示唆を出す」は自分でも昔はよく使っていたが、なんだかわからなくなってきたのでいつのまにかに使うのを止めた。 ただ、自分が使わなくても「示唆を出すことを期待している」と言われることもあり、その度に「一体何を求められているのだろうか」と悩む。 よくわからないので、示唆について思うところを書いてみる。 「示唆」を別の言葉で置き換えるデータを使ったアウトプットには「データ」「インテリジェンス」「提案」の3つがあると考えられる

            「データサイエンティスト」と「データアナリスト」のトレンドから日米の違いを見てみる

            日本の「データサイエンティスト」と「データアナリスト」のトレンドまずは日本での様子。 図はGoogleトレンドから作成。2014年1月以降、月別。 アメリカの「data scientist」と「data analyst」のトレンド次にアメリカ。 図は同じくGoogleトレンドから作成。2014年1月以降、月別 日米の比較で思うこと日本では「データサイエンティスト」と「データアナリスト」の両方ともビックデータの登場以降に検索がされ始めている。対してアメリカでは「data

            「データアナリスト」=「データ分析をする人」が引き起こしていること

            前回の記事はこちら。 データアナリストの求人内容の範囲が広すぎる「意思決定支援」にはいろいろなやり方があるのに区別がされていない。詳しく見ると「データ分析に責任を持つ人」は皆無で実態はコンサルタント・マーケター・データ整備人のどれか。膨大な領域になるのに「データアナリスト」の一言で済ませるのは無理がある。 レストランがジャンルもレベルも書かずに「料理ができる人」だけ募集しても望ましい採用は難しいだろう。さらに「(料理ができるに越したことは無いが)店舗運営ができる人」や「設

            「データアナリスト」の違和感の正体

            世の中では「データアナリスト」=「データ分析をする人」になっているらしい 世の中の多くでは「データアナリスト」は「自分が使うためにデータ分析をする人」、「データを扱うスキルがある人」を指しているらしいということに気がついた。 「データアナリスト」だけを考えるとおかしくはないのだが、他の言葉と比較してみると言葉の使われ方が違うことに気づく。 料理人と比較すると違いが判る「料理をする人」は、料理を提供することに責任があるかどうかで2つにわけることができる。料理のジャンルやレベ

            第3次データサイエンティストブームと、データサイエンティストの終わりの始まり、か?

            データサイエンティストブームを横目で眺めて早数年データサイエンティストのブームはリアルタイムで最初から見てはいるけれども最近第3次ブームとも呼べそうな動きを見せており、これはいったい何なのだろう?というのは最近ちょっと気になっていた。 その中で第1次や第2次ブームとの違いが見えて来たので、概略ながら見聞きして来たことを最初から書いてみることにした。 ちなみに自分はデータサイエンティストブームには直接に関係していることはあまりなければ名乗ってもおらず、名前が残るも消えるも別

            作って役立ったデータマート

            データマートと言えば「何か特定の目的のために作ったテーブル」だということは多くの人が知っているだろう。 しかし具体的にどういったテーブルなのかというとその例はあまり見かけない。 そこで具体的に過去自分で作って役に立ったなと思うデータマートについて書いてみる。 1.クライアントやサービス個別の事情を排除したデータマート(POS・行動ログなど)1つのテーブルの中に、複数のクライアントの売上データが入っていることがある。 クライアントに限らず自社の複数のサービスや様々な行動

            抽出でSQLを書くときに考えていること

            自分の思考を文章化してみるSQLを使い始めてちょうど10年になった。その間には随分たくさんのクエリを書いてきたが、ちゃんとした師匠がいたわけでもなければ同じような仕事を同じレベルでやっている同僚もほとんどいなかったのでほぼ全部独学でやってきた。 これでいいのか未だにわからないので、自分がSQLでデータ抽出をしている際の思考や行動を文章化して公開してみる。是非いろいろと突っ込んでいただけると嬉しい。 何を抽出するかを決める目的無きデータ分析は無駄であるでの話と同じで、とりあ

            データ分析の”あたりまえ”について考えてみた

            あたりまえなことって何なんだろう先日、目的無きデータ分析は無駄であるはあたりまえである、という話を複数見かけた。なるほど確かにあたりまえだと言えばたしかにそうなのだろうが、ふと「ではデータ分析の”あたりまえ"って何だろう」と疑問に思ったので、つらつらと書いてみる。 長いし全部に繋がりがあるわけでもないので適度につまみ食いしてもらえればよいかと。 データ分析の”あたりまえ”なことってなんだ自分が”あたりまえ”と思っていることはなんだろう ・データ分析は「次にどうするか」の

            「意思決定を分析で支援する」という役割について整理する

            いろいろな「支援」がごちゃまぜになっている「意思決定を分析で支援する」という表現はここ最近増えた気がしている。ちゃんと計測しているわけではないが、数年前に比べると見聞きする機会が増えたのは強く感じている。 ところが同じ「意思決定を分析で支援する」でもやり方がいくつかあり、責任範囲も全く違うのだがどうやらこれらがごちゃ混ぜになっているようだ。 それだけが原因ではないだろうが、データ分析に関わっている人の間でも同じ職名だがやっていることが全然違うし、求人情報の混乱は悪化してい

            データ分析は決定に先行していなければならない、はずなのにそうなっていない気がする

            決定より先にないデータ分析は無意味データ分析は意思決定のために行う。ということは、すでに決定が下されていて変更の余地がないのであれば後でデータ分析を行っても意味がない。 そのはずだが、PDCAを回したりKPIを決める際に、「事前」に「片手間」ではなく「専門の能力」を持った人に「リソース」を割り当てて「データ分析」をさせているという話はあまり聞かない。 もしかしたらそんなものは必要無いのかもしれないが、自分がもし決める立場になったら必要ないなどということは思うことは多分ない

            目的無きデータ分析は無駄である

            何となくデータを見ることで目的など生まれない 何かいいことが見つかるかもしれないからと何の目的も無しにデータを見るのは時間の無駄である。 データ分析は意思決定のために行っているはずだ。であれば何らかの意思決定という目的が無ければどんなに数字をいじくりまわしたところで「それで?」で終わるだけになる。それは時間の無駄としか表現のしようがない。 なおここでいう「データ分析」とは手元にあるデータを何とかするということに限らず「特定の目的の意思決定を支援するための一連のプロセス」を

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            書いている人書いている人 :しんゆう やっていること:データ周りのこと(整備メイン+分析ちょっと) 連絡先 Twitter:@data_analyst_ メール:メールフォームをご利用ください 質問でも問合せでもまずはお気軽にご連絡ください。 お仕事のご相談もまずお話させていただき、その上で求められていることに対してどういったご提案ができるかを考えます。 このnoteのテーマデータ分析とデータ整備を中心に、学んだことや実践して考えたことについてつらつらと書いています。