分析は先にやればやるほど効果がある理由
最初が間違えていたら元も子もない
戦略(あるいは目標、KGI/KPI、企画、施策、アイデア、方針その他もろもろ)を決めても、実はそれが正しくないのであればどんなに実行されていようが正しい結果に繋がらない。
もしも最初から間違えていたとしたら、どんなに正しく実行されているかをチェックしても「間違えている方向に正しく進んでいるか」をチェックしているだけにすぎない。
だからこそ、正しい(あるいは、よりよい)方法を選ぶことが必要だ。そのためには調べて考える、つまり”分析”が必要で、それは早い段階で行われるほど効果が高い。
修正にかかる時間と手間が削減できる
一度決めてしまうと修正するのが難しい。
最初に決めたことが基準となってしまう(アンカリングバイアス)
決めたことを覆すことをプライドが邪魔する
関係者が多すぎて調整が大変だからやりたくない
上司やクライアントと合意してしまった
ただ単に面倒だからもう決めたことでいいと思ってしまう
など、理由はいろいろあるだろう。
さらに、すでに決定から時間が経って何かが動き出し、多くの人を巻き込んでコストを費やしているのであれば中止や変更にはもっと多くのエネルギーが必要だ。
そうならないためにも対策はやはり「やる前にもっとよく考える」である。先に考えておくコストは、後になって修正するコストよりもずっと低い。
機会損失を防ぐことができる
間違った目標を立ててしまった、やり方が違っていたといったことに後で気づいても修正できることもある。しかし、失われた時間とリソースは戻ってこない。
もし「最初からもっと検討しておけば同じ目標を目指していた」のであれば早く分析をすればするほど機会損失を防ぐことができるはずだ。
先にやってみる方がいいこともある
なぜ分析するのかといえば未来のことはわからないからだ。なので実際にやってみる、以上に有効なことはない。ただしそれは「失敗したときのダメージが少なく後で取り返せる」場合に限る。
失敗したら会社がつぶれる巨大プロジェクトに取り掛かるとか、命を失う大手術を受けるかどうかを決めるに「とりあえずやってみよう」とはならないだろう。
あと、ABテスト、カナリヤテスト、テストマーケティングなどいろいろな表現はあるが、これは「実際に一部で試してみてからどうするか考える」という分析の方法の1つ。
なのでこのようなテストを普段から行っている人には本記事の「先にやってみて、調べて考えることがいかに大切か」ということが伝わりやすいのでは、と思っているがどうだろうか。
情報は見えないからこそ意識をもっと向けよう
「こんなことは当たり前だ」と思うだろうが、実際にはそうなっていないことも多い。
ビルなどの建築物では後で修正することが容易ではないことがわかりやすいためか綿密な設計が行われている。しかし、見えない触れないものには弱いというか興味が薄いらしい日本人の特徴なのか、ITシステムやマーケティング施策ではどうもうまく行かないことが多いようだ。
データ活用が多くの人の手で行われるようになってきたからこそ、「データ分析は意思決定の前に行うこと」という点はもっと強く意識するべきなのでは、と日を追うごとに強く思うようになっている。
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