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中学生を理解する3

話を聴くとは  話を聴くには前提条件がある。それは、「話をしてもいいかな」と相手が思っている状態にあること。つまり、否定されず、批評されず、説得されずに話を聴いてもらえる状態や関係がすでに構築されている状態にあること。  教員になって生徒指導を任されるようになった頃、難しい状況になることがしばしばだった。それは何かというと、複数から聞き取りをしたときに話が食い違うことがあるということだ。意図的に何かを隠している様子でもないのに、なぜこれほどまでに話が食い違うのか。  叩かれ

    • 中学生を理解する2

      闘争か逃走か  「闘争か逃走か反応」とは、外敵に襲われるような緊急事態が起きたときの生理的・心理的な反応を意味する。動物は非常事態になると、命を守るために戦うか逃げるかによって生き残ろうとする。例えば、暴力を受けそうになった時、災害にあったとき、自尊心を傷つけられるとき、わたしたちの体のシステムは戦う準備、もしくは逃げるための準備をする。血圧・心拍数を上げ、呼吸を早くし、筋肉に力をいれて、早く走ったり、敵の攻撃に備える機能を向上させ、より多くの情報を得るために瞳孔を広げる。

      • 中学生を理解する1

        理解しようとしているが  「生徒理解」の、理解するってどういうことだろう。年度当初や夏に行われる「生徒理解研修」は、彼らを理解できている研修になっているとは思えない。それは、「やっぱり、家庭や本人の問題です。改善してください、改善させてください。」と、言っているつもりはないが・・・改善を家庭や本人に求めることが多いからだ。  理解するつもりで、彼らから話を聞いているが、彼らが見ている世界をわたしたちは見ていない。子どもが語る言葉や感情をわたしたちの評価基準で評価し、わたした

        • 中学生の教育相談って3

          教育相談のすすめかた教育相談の流れ 1 スクリーニング 2 「もやもや」を探る 2 「好きなことや興味のあること」を探る 3 感謝を伝える スクリーニング  まず、最初にスクリーニングの質問を問いかけて、体調不良、メンタル不良や心配事がないか探っていきます。そのときは、相手の表情や態度に変化がないかよく観察しましょう。表情がくもったり、下を向いたり、そわそわしたり、答えようとしなかったり、声のトーンやテンポがいつもと違ったりすれば、メンタル不良の可能性が高いと思われます

        中学生を理解する3

          中学生の教育相談って2

          2 子どもが安心して話せる7つの方法どんな気持ちになったら、話すのか どんな気持ちになったら、話してくれるのか どんな気持ちになったら、話していただけるのか それは・・・ 熱心に聞いてもらっていると、感じるとき 理解してもらっていると、感じるとき 安心だと、感じるとき 信頼できると、感じるとき その1「相づち・うなずき」 「うんうん」「なるほど」などやうなずきで、話し手にしっかり聞いている、関心を持っていることを伝えるための姿勢です 効果としては、話し手が熱心に聞い

          中学生の教育相談って2

          中学生の教育相談って1

          1 しゃべるのはだれ?教育相談って 教育相談ってなに? なにしゃべったらいいの? なに聞いたらいいの? 「はい、どうぞやってください」と言われても・・・ 「相談ありません」って言われたら? 学習指導要領では  教育相談は、一人一人の生徒の教育上の問題について、本人又はその親などに、その望ましい在り方を助言することである。 その方法としては、1対1の相談活動に限定することなく、すべての教師が生徒に接する あらゆる機会をとらえ、あらゆる教育活動の実践の中に生かし、教育的配慮

          中学生の教育相談って1

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 6章 システムを管理する

          枠組みの中の自由と規律  コックピットの機長席に座ると多数の複雑なスイッチや計器があり、8400万㌦の巨大な機械に責任を負うことになる。パイロットはフライト前のチェック項目を点検している。順を追って、組織的にすべての項目をチェックする。パイロットはきわめて厳格な枠組みの中で働いている。この枠組みから離れる自由は持っていない。しかし、同時に、離陸するか、着陸するか、着陸をやめるか、別の空港に向かうかの決定的な判断はパイロットに任されている。  良好から偉大に飛躍した企業の内部

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 6章 システムを管理する

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則5章 単純明快な戦略

          第5章 単純明快な戦略ハリネズミの概念  「キツネはたくさんのことを知っているが、ハリネズミはたった一つ、肝心かなめの点を知っている」。古代ギリシャの寓話には、キツネのほうがはるかに知恵があるにもかかわらず、勝つのはいつも同じ戦法をとるハリネズミが描かれている。  アイザイア・バーリンは随筆「ハリネズミとキツネ」で、世の中ではハリネズミ型の人とキツネ型の人に分類した。キツネ型の人はいくつもの目標を同時に追求し、複雑な世界を複雑なものとして捉えようとしている。対してハリネズミ

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則5章 単純明快な戦略

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則4章 最後には必ず勝つ

          第4章 最後には必ず勝つ厳しい現実に耳を傾ける  第二次世界大戦時、ウィンストン・チャーチルはきわめて厳しい現実から決して目をそらさなかった。悪いニュースが薄められて自分に伝えられることを危惧し、通常の指揮系統からは独立した部門「統計局」を設立し、特に厳しい事実をフィルターを通さず、ありのままの状態で自分に提供することとした。彼曰く、『政治家にとって、根拠のない期待を国民に向かって主張するほど最悪の間違いはない』のである。 明暗を分けた決断  「百年にわたる成功の重みは

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則4章 最後には必ず勝つ

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則3章 だれをバスに乗せるか

          第3章 だれをバスに乗せるか意外な事実  このバスでどこに行くべきかは分からないが、分かっていることがある。それは適切な人がバスに乗って、それぞれがふさわしい座席について、不適切な人がバスを降りる。そうすれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ。  偉大な企業は、新しいビジョンや戦略をまずは策定して、それに合う人を集めたわけではない。例えば、ウェルズ・ファーゴは銀行業界にやがて来る厳しい変化の時代に備えて、傑作した人材をいつでもどこでも見つけしだい採用し、何を任せる

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則3章 だれをバスに乗せるか

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 2章 第五水準のリーダーシップ

          第2章 第五水準のリーダーシップ予想していなかった点  われわれは当初、リーダーシップやそれに近いものを探していたわけではない。それどころか調査チームには経営者の役割を重視しないようにと強く指示していた。すべてを指導者の功績とか責任で割り切ろうとする見方が一般的になっているのでそのような単純すぎる見方を避けたいと考えたからである。調査の早い段階で「経営者を無視しよう」と主張し続けていた。  しかし、調査チームからは繰り返し反論が出されていた。「偉大な企業の経営者にはめったに

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 2章 第五水準のリーダーシップ

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 1章 時代を超えた成功の法則

          1章 時代を超えた成功の法則「良好は偉大の敵である」 いったいどういうことか。 偉大な学校がないのは、そこそこ良い学校が多いからだ。 偉大な政府がないのは、無難な政府があるからだ。 偉大な人生を送る人がめったにいないのは、平凡な人生に満足すれば気楽だからだ。 偉大な企業がめったにないのは、ほとんどの企業がそこそこ良い企業であるからだ。 ごくごく平凡だった企業が、世界有数の経営者に率いられた企業を上回る実績をあげるようになった。一方で同じ業界で同じ機会があり、保有する資源も

          ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 1章 時代を超えた成功の法則

          あつよしの夏 四万十川

          高校生のときタイトルに惹かれて手にとった「四万十川 あつよしの夏」 物心がついた頃からなぜか川遊びに夢中だった。大きなザルのような網で魚を取ることが好きでたまらない少年だった。瀬戸内海の島の小さな小川には毎年、一匹の鮎が遡上してくる。その鮎をひと夏かけて捕まえるのだ。ウナギはミミズをつけた針を細い竹の先端にひっかけて石垣の隙間に差し込む釣りだ。ヨシノボリはいつだって満足するだけ捕まえては逃した。 膝くらいまでしか水量のない小川が、台風のときだけは氾濫せんばかりの濁流となっ

          あつよしの夏 四万十川