見出し画像

ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 1章 時代を超えた成功の法則

1章 時代を超えた成功の法則

「良好は偉大の敵である」

いったいどういうことか。
偉大な学校がないのは、そこそこ良い学校が多いからだ。
偉大な政府がないのは、無難な政府があるからだ。
偉大な人生を送る人がめったにいないのは、平凡な人生に満足すれば気楽だからだ。
偉大な企業がめったにないのは、ほとんどの企業がそこそこ良い企業であるからだ。

ごくごく平凡だった企業が、世界有数の経営者に率いられた企業を上回る実績をあげるようになった。一方で同じ業界で同じ機会があり、保有する資源もそれほど変わらなかった企業が飛躍を遂げられなかったのはなぜか。

良い企業は偉大な企業になれるのか

そもそも、企業のみならずどの組織にも、どの時代にも適用できる偉大になるための普遍的な答えは存在しうるのか。
1965~1995年までにフォーチュン誌のアメリカ大企業500社に登場したすべての企業を対象にした調査から偉大な企業11社が選ばれ、同時に「直接比較対象企業」11社と「持続できなかった比較対象企業」6社も選ばれた。
この28社を50年以上前までさかのぼって資料を集め、転換期に責任ある地位についていた人たちにインタビューも行い、あらゆる角度からデータを集めた。また、広範囲な定性分析と定量分析を行い、企業買収から経営陣の報酬まで、企業戦略から企業文化まで、レイオフからリーダーシップのスタイルまで、財務指標から経営陣の交代まであらゆる点が調査された。
なぜ「企業」だったのか。
偉大と良好、卓越と凡庸の間の基本的な違いを探るとき、ブラックボックスの内部を調べる対象として「企業」、それも上場企業を選んだのは実績に関して幅広く同意が得られる指標があり、容易に入手できるデータが大量にあるからだ。

事実から出発する

これらのデータについてチーム全員で議論し、反対意見を述べ、机をたたき、声を荒げ、議論をやめて考え込み、議論を重ね、考え込み、意見を言い合い、解決し、質問を出してまたまた議論し、「このすべてが何を意味するか」が考えられた。

議論の中で最も重要な点は、論じられた概念はすべて、データから直接導き出す方法をとっていることである。事実から出発し、事実から直接に導き出す方法によって理論を構築しようと試みられている。

犬が吠えなかった事実

シャーロック・ホームズは「あの夜、犬がとった不思議な行動」が事件解決のカギになることに気づいた。たしか、事件の夜、犬は何もしなかった。
ホームズにとってはそれが不思議な行動であり、犬が良く知っている人物を疑うべきだと結論づけた。吠えるはずの犬が吠えなかった、見つかるべきものが見つからなかった点が偉大な企業への過程を理解するうえで特に重要な手掛かりとなることがわかった。

各章のテーマ

まとまりのない大量の情報の中から一貫したパターンは見つかるのか。
果たして、主要な概念はすべて、超優良に飛躍した企業の100%で飛躍の時期に変化した点であり、比較対象企業では30%以下しか変化が見られなかったものである。
この基準を満たすことができた概念が各章のテーマとなっている。証拠に真実を語らせようではないか。

偉大さへの飛躍をもたらす法則

〇第五水準のリーダーシップ
〇最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
〇厳しい現実を直視する(だが、勝利への確信を失わない)
〇ハリネズミの概念(3つの円の中の単純さ)
〇規律の文化
〇促進剤としての技術
〇弾み車と悪循環
〇ビジョナリーカンパニーへの道

読者は裁判官であり、陪審員である

「最高の学生は教師から学んだことを鵜吞みにしない学生だ」。
ほんとうにそうだ。この教師はこうも話してくれた。
「データが示すものに同意できないというだけで、データを拒否すべきではない」。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?