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傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考

生きていくうえで、心を強く持っていられる。
そういった態度の”源流”になっているのが「真の図太さ」

<はじめに>

・些細なことで、すぐにあれこれ思い悩んでしまう。
・自分の意思よりも、人の言うことに流されやすい。
・何か心を塞ぐことがあると、いつまでもそこから抜け出せない。
・いつも周囲にどう見られているか、気になって仕方がない。
・傷つくのが怖くて、自分が思ったことを言えない。
=物事の受け止め方が繊細すぎる。
➔修行前の禅僧も同じ。

禅の修行
行住坐臥(ぎょうじゅうざが)
=人の基本動作
・歩くこと(行)
・止まること(住)
・すわること(坐)
・ふせること(臥)
➔日常のすべてが修行
=禅的な生活を送るなかで身につくこと。

禅的な生活
・禅の思考を踏まえて物事を見ること。
・禅の教えを心に置いて物事を受け止めること。
・禅を意識して発言したり振る舞ったりすること。
➔誰もが、日々の暮らしのなかで実践できること。
=図太さは必ず育つ。

<第1章 ちょっと図太くなって、たくましく生きる>

🐾図太い人は、人間関係もいい意味で「鈍感」

人が傷ついたり、悩んだりする原因の大半は人間関係。

繊細な人の場合。
少しぶっきらぼうな対応をされる。
➔嫌われていると思い込む。
=人付き合いが苦手になる。

図太い人の場合。
相手の言動に対していい意味で鈍感。
➔おおらか。

関係を持っている相手に悪意を持って接する。
➔普通はないはず。

ぶっきらぼうな対応。
➔”うっかり”口が滑ったもの

不快にさせる。
➔”たまたま”虫の居所が悪かった。

悪意や悪感情を嗅ぎ取る。
➔過剰反応
=人間関係がギクシャクする。

「どんなつもりでこんな言葉を吐いたのだ」
➔頭で考える。
=怒りは増幅する。

深い呼吸で間をとる。
➔心の中で何かをつぶやく。
「ありがとさん」
「平気、平気」
「大丈夫、大丈夫」
=怒りはしぼんで消える。

心のつぶやき。
➔傷ついたり、悩んだりする”タネ”を跳ね返す「盾」
=相手の言動をおおらかに受け止められるようになる。

繊細さがある。
➔おおらかに受け止められる。
=細やかな気遣いをすることができる。

繊細さとおおらかさを備える。
➔人間関係は一気に好転する。

※「図太さ」は「繊細さ」さえも大いなる魅力に変える。

🐾禅は「比べる」ことをもっとも嫌う

劣等感は自分と他人を比較することで生まれる。

劣っているという思い。
➔心を縮こまらせる。
=悩み、苦しみにも繋がっていく。

他人の能力の高さを羨んだら、自分の能力が高まるか?
他人の美しさを妬ましく思ったら、自分が美しくなれるか?
➔他人と比べても、自分は何ひとつ変わらない。

「隣の芝生は青い」
わが家の芝生に比べて隣家の芝生は青々としているように見えるということ。
➔他人のものはよく見えてしまう。

禅語)
「放下著(ほうげじゃく)」
捨ててしまいなさい、という意味。

捨てるべきは”比べる心”
➔今より軽やかに、おおらかに生きられる。

他人と比べる心を捨てる。
➔過敏に反応することがなくなる。
=心がゆったりとする。

他人と比べない。
外に目を向ける必要がない。
➔自分の内面に目を向けることができる。
=自分を見つめ直す時間が増える。

自分の内面で比較をする。
「今までできなかったことができた。スキルが上がった」
「言われたことしかできなかったけど、自分なりの工夫をするようになった」
=前の自分と今の自分を比較する。
➔変化を感じる。
=自己検証

※他人と比べても意味はない。
➔自分の内にこそ、比べるものがある。

●自分の長所には敏感に、短所には鈍感になる
短所にはとても敏感。
➔人にはそうした傾向がある。
=長所には鈍感。

短所を補うより、長所を磨く。
➔効果的であり、楽しいこと。

敏感になる(意識する)長所
鈍感でいい短所

※短所に目をつぶる図太さが、魅力を伸ばす。

🐾「怖いもの知らず」は、「考えすぎる人」にない勢いがある

禅語)
「禅即実践(ぜんそくじっせん」
とにかく、まず、動きなさい、ということ。
➔考えすぎは動けなくなる。

例)
多忙な人に配慮して電話ができない。
➔神経が細やかな人はさじ加減という”手抜き”ができない。

過ぎたるは及ばざるが如し。
➔配慮も過ぎると、そこから一歩も進めなくなる。

行動する。
➔何らかの反応がある。
=相手との縁がつながる。

「忙しくて会う時間がとれない」
・いつなら時間がとれるか?
・準備や要望はあるのか?
➔物事は回り始める。

「怖いもの知らず」
➔熟慮タイプや慎重タイプより、はるかにまさる。

勢いは力、邪を払う。
➔少々の障害は打ち破ってしまう。
=相手の懐にも飛び込める。

運勢という字は「勢いを運ぶ」と書きます。つまり、運勢は勢いなんです。運勢をよくしたいと思ったら、なんでも勢いよくしましょう。

銀座まるかん創業者、斎藤一人の言葉

勢いがない。
➔運がめぐってこない。
=縁も結ばれない。

禅がいちばん重んじるのは「体感」
➔少し無理をして自分を駆り立ててみる。
=怖いもの知らず風にすぐに動いてみる。

「動くと何かが始まる」
➔体感がもたらされる。
=動ける自分への変化に繋がっていく。

※体感したら、誰でも行動力を発揮できる。

🐾何かに没頭しているとき、人は恐れを抱かない

周囲にいる人の動向が気になる。
➔とくにライバルの存在を強く意識する。

「絶対、あいつだけには負けたくない!」
➔鼓舞するエネルギーになる。

結果にこだわらずにはいられなくさせる。

結果が絶対的な目的になる。
➔勝てない、評価を得られないことへの「恐れ」が心に入り込む。

恐れは膨れ上がり、行動を支配する。
・なりふりかまわず勝ちにいく。
・評価を得るために手段を選ばない。
➔「ひ弱な心」が根底にある。

負けを引き受ける心の強さ。
=図太さがない。

※ひ弱な心はときに道を誤らせる。

禅語)
「一行三昧(いちぎょうざんまい)」
真っすぐな心を持って、ひとつのことに全力を尽くす、という意味。

あらゆることに一行三昧で臨む。
➔禅のふるまい方。
=禅の生き方そのもの。

一行三昧
➔「そのこと」と「ひとつになる」ということ。

ひとつになる。
➔結果に対する恐れを抱くことはない。
例)
一心に仕事に取り組む。
「もうこんな時間か」
➔仕事中、結果については考えていない。
・ライバルに勝てるか?
・上司に褒められるか?
➔邪心はいっさい心に入り込んでいなかった。

一行三昧の姿。
➔仕事とひとつになった姿。
=仕事に没頭している姿。

結果はあくまで後からついてくるもの。
➔自分から求めるものではない。
=結果をコントロールすることはできない。

真っすぐな心で全力投入する。
➔どんな結果でも素直に受け入れることができる。

迷いない心。
揺るがない心。
=図太い心。

※結果にこだわるのをやめれば図太い心になれる。

🐾失敗への恐れの妙薬は「開き直り」にある

マイナスのイメージがついてまわる。
➔誰もがその恐れを抱えながら生きている。

ものごとを真面目に考える人。
何にでも真摯に取り組もうとする人。
➔マイナスのイメージを持ちやすい傾向が強い人。

失敗を恐れる。
➔心が萎縮する。
=動けなくなる。

できない自分を認める。
➔そのまま受け入れる。

「開き直る」
➔失敗への恐れが薄れる。
=目の前のことに打ち込むことができるようになる。

やってみなければ失敗するかどうかわからない。
➔わからないことは放っておく。
=失敗に縛られない。
➔禅の根本的な考え方。

諺)
「案ずるより産むが易し」
あれこれ思い悩んでいるより、やってみたら案外うまくいくものだ、という意味。
➔「開き直りなさい」という昔の人からの教訓。

※わからなければ、放っておく。

🐾落ち込みの沼から抜け出す「図太い視点」とは

一度も失敗しない人はいない。
➔ずっと順風満帆でやっていける人生などない。
=失敗をどう受け止めるか。

「失敗したら落ち込んで立ち直れない」
いったん気持ちが落ち込む。
➔立ち直る力より落ち込む力がよりはたらく。
=ふつうの心の在り様。

失敗が人間を成長させるとわたしは考えている。失敗のない人なんて本当に気の毒に思う。

本田技研工業の創業者、本田宗一郎の言葉

失敗にこそ「学び」がある、ということ。
=失敗の受け止め方。

失敗に真摯に学ぶ。
=人は成長する。

失敗のない人。
➔学びの機会を得られない人。
=「気の毒な人」

判断のまちがえ。
➔以降の的確な判断への道筋を示してくれる。
=落ち込むべきことではない。

失敗「できなかった」こと「うまくいかなかった」こと
➔「できる」ためのノウハウを学ぶこと。
=「うまくいく」ための知恵を手に入れたこと。

成功の危うさ。
「結果オーライ」
”たまたま”よい結果が出る。
➔「悪さ」「誤り」が隠れてしまう。
=「学び」がない。

失敗を学びと受け止めるためのポイント。
「失敗した過去はやり直すことができない」
➔胸に刻んでおく。

あがいても、努力しても、取り戻すことはできない。
➔心を転じて「いま」に集中するしかない。
=図太い視点

※図太く「いま」に集中する。

🐾思い通りにいかないから「どうにかなるさ」と考える。

「何をやっても思い通りにいかない」
➔世の中に思い通りになることが、どれほどあるか?

成果をあげた。
「これぞ、100点満点。思い通りの結果だ」
➔感じられるか?

仕事の場合。
相手のあること。
➔こちらと同じように相手も”思惑”を持っている。
・すり合わせ
・せめぎ合い
➔すべてこちらの思惑が通る。
=思い通りになる。
➔ありえないこと。

現実)
お互いがどこかで相手に譲る。
➔はじめて着地点が見つかる。

思い通りになることを前提にする。
「しなければいけない」
➔自分で心を窮屈にしている。

※世の中に思い通りにいくこと、思い通りになることなど、滅多にない。

汝らよ、この世は苦に満ちている。

お釈迦様の言葉

この世は思いどおりにならないことばかりだ、ということ。

思いどおりにいかない。
・世界が終わるわけではない。
・命をとられることもない。
=「どうにかなる」

思いどおりにいかない。
➔「どうにかなるさ」
=受け入れ、気持ちを切り替える。

どうにかなった現実の中で精いっぱい生きていく。

禅語)
「柔軟心(にゅうなんしん)」
やわらかく、しなやかで、自由な心のこと。
=力が抜けた心
➔本当の意味での図太い心。

思いどおりにならなくて悶々とする。
「どうにかなるさ」
➔声に出して言ってみる。
=心にやわらかさ、しなやかさを蘇らせる。

※「柔軟心」でこり固まった心の力を抜く。

<第2章 図太い人は、人間関係にも強い>

🐾「先読み」しないことが、人づきあいを円滑にする

読みまちがう。
➔想定した筋書きと違った流れになる。
=対応に窮してしまう。

「そんな対応は考えてなかった」
「まさか、そうくるなんて」
➔どうしよう・・・・・・

真面目に几帳面に先を読む。
➔仇になる。
「こんなはずではなかった」
➔気持ちは焦る。

先を読む。
➔そのとおりにいくことは稀。

先を読む。
➔”きっちり”ではなく”ゆるく””ざっくり”がいい。
例)
提案の場合。
先方からの疑問点に答えられるような準備だけしておく。
➔流れはその場の空気にまかせる。
=対応の幅が広がる。

「空気にまかせる」
相手の表情や口ぶりからその思いを汲みとり、気持ちを感じて、自在に対応していくということ。

あらかじめ流れを決めておく。
➔「空気にまかせる」ができなくなる。

「準備は整った。あとは出たとこ勝負だ!」
➔図太いスタンスでいい。

禅語)
「雲無心(くもむしん)」
とらわれのない自由な姿であることの大切さをいったもの。

人づきあいは生き物。
➔読み通りにはならない。

※勘所だけ押さえたら、あとは自由に。

🐾自分の無意識な「我」をへし折る方法

人は誰でも自我というものを持っている。

しっかり自己主張できる人。
=”図太い人”では?

「諸法無我(しょほうむが)」
➔仏教の根本原理をあらわす言葉。
この世に確かな「我」などというものはない。
あらゆるものは関わり合いの中で存在しているのだ、ということ。

「人は誰もが一人で生きているのではない。ほかの人達との関わりの中で生かしていただいている」
➔人はすべてとの関わりの中で生かされている。

関わりの中で生きていることに気づく。
➔「我」を削ぎ落としていく。
=禅の修行

自我を全面に出す。
➔いつも自己主張をする。
=一見芯の強い図太い人のように見える。

自分の意見や見解にこだわる人。
➔他人を認めることができない人。
=自分の正しさを言い募り、持論に固執する人。

絶対の正論などない。
誤りを指摘される。
➔鼻っ柱をへし折られる。
=心の脆さがあらわになる。

人の関わりの中で生きていることを知っている人。
➔他人を認め、他人の意見に耳を傾ける人。

自分の考えを持っている。
➔いたずらにこだわらない。
=周囲のいい考えや見方を取り入れる。
➔調和の中で着地点を探っていける。

心がしなやか。
=本当の意味で「図太い」

いつからでも心は変えられる。
➔他人を認め、他人の話を聞くことから始める。

※自我の強さは心の脆さ、ひとつ剥がせば、ひとつしなやかになる。

🐾自分にも他人にも「完璧」を求めない

誰にでも得手不得手がある。
➔「完璧」な人間などいない。

他人に多くを求める。
➔心が騒ぐことになる。

部下の得手不得手を把握しておく。
➔それぞれの得手不得手に合った指示を出す。
=チームはうまく回転する。

機械的に仕事を振り分ける。
➔不得意分野を振られる。
=労多くて功少なし、になる。

求めすぎない。
=人間関係をうまく運ぶ極意。

※求めすぎなければ腹を据えていられる。

🐾図太さと集中力の関係

何をするにも一番大事なのは「集中する」ということ。

禅語)
「喫茶喫飯(きっさきっぱん)」
お茶を飲んでいるときは、飲むことだけに一所懸命になりなさい、ごはんをいただいているときには、ただ、そのことに心も身体も投じなさい、という教え。

一時が万事
仕事をしているとき➔仕事に集中。
遊びに興じているとき➔遊びに集中。
➔徹しきること。

主体性が集中力のカギ。
例)
「また、こんな仕事を頼まれた・・・・・・」
➔「やらされている」という感覚。
=主体的に「やっている」とは明らかに違う。

「やらされている」
➔心が定まらない。
=集中できないのは当然。

やらされ感がある。
「自分がやるべきことだ」
➔意識に欠ける。
=おざなりになる。

禅語)
「随所作主 立処皆真」
(ずいしょにしゅとなれば りっしょみなしんなり)
どんなところにいても、どのようなことに対しても、自分が主体となって一所懸命にやれば、そこには本来の自分があらわれる、という意味。

本来の自分。
➔集中してことにあたっている自分。
=全力で生きている自分。

禅の修行
=行住坐臥(ぎょうじゅうざが)
➔すべてに主体的に取り組む必要がある。

誰がやっても同じな簡単なこと。
「自分がやったという証を込めよう」
➔心で向き合う。
=工夫が生まれる。

例)
コピーを取る。
・ホッチキスでとめる。
・クリップでとめる。
➔どちらが使い勝手がいいかを考えるようになる。

めくりやすさを考える。
➔右利き、左利きの人でとめる位置を分ける。
=アイデアが生まれてくる。

主体的に考えて行う。
➔「誰がやっても同じもの」ではなくなる。
=自分が表現されている。

主体を忘れる。
➔心がふわふわと落ち着かなくなる。

随所で主となる。
➔心はどっしり、しっかり、定まる。
=何にでも集中できる。

※そのことに主体として向き合うと必ず集中できる。

🐾「一人の時間」を持って、自分を見つめ直す

人はみなどこかしら「批評家」という面がある。
➔他人のことは見えても、自分自信のことはよく見えていない。

自分を見つめるための必須条件。
➔1人で静かな時間を持ついこと。

日常生活に1人の時間はあるか?

SNS仲間がたくさんいる。
➔人生の悩みを相談できる相手は何人いるか?

1人になる時間を持つ。
➔群れることより人生にとって大きな意義がある。

禅語)
「七走一坐(しちそういちざ)」
七回走ったら、一回は止まってじっとすわり、自分自身を見つめなさい、ということ。
➔時間に追われて走り続けている現代人に、警鐘を鳴らす言葉。

ずっと走り続ける
・自分がどんな走り方をしていたのか。
・どこに向かって走っているのか。
➔修正も、確認もできない。
=自分を見失うことにもなる。

少し走ったら一度止まる。
➔”一”度”止”まると書いて「正」という字になる。

止まって見直す。
➔自らが来た道が正しかったかがわかる。

群れている状態。
➔ぬるま湯にひたっているようなもの。
=離れるのは胆力が要ること。

胆力を持つ。
➔図太さを持つ。

人間は孤独でいるかぎり、かれ自身であり得るのだ。だから孤独を愛さない人間は、自由を愛さない人間にほかならぬ。けだし孤独でいるときのみ人間は自由なのだから。

ドイツの哲学者、アルトゥル・ショーペンハウアーの言葉

※孤独とは自由、自分を見つめ直すと図太くなれる。

🐾価値観のちがう人とのつきあい方

人は一人ひとり、自分なりのものの見方、考え方をする。
➔価値観もちがう。

価値観のちがう人とつき合う。
➔相手の価値観に合わせる。
・いい人に見られたい。
・話がわかる人と思われたい。
➔気持ちがあるから。

傷つくのが怖い。
・自分の気持を押さえる。
・思いを殺す。
➔相手と接している。
=苦しく、惨めになる。

相手に合わせている自分虚像
➔人と人との本当の繋がりとはいえない。

禅語)
「露(ろ)」
どこにも包み隠すところがなく、すべてが露わになっている、という意味。
=「ありのままの自分」「素の自分」ということ。

人間関係は重層的で複雑。
➔文字通りの「露」でいることはできない。

※「露」の自分を置き忘れないでいることは大切。

ものの見方、考え方、価値観
➔率直に相手に伝える。

「それは違うと思う」
「こう考えるべきじゃない?」
➔真っ向から反論する。
=相手の神経を逆なですることになる。

相手に理解を示すというワンステップを踏むことが大事。

人は自分が理解されたら嬉しい。
➔反感や敵意を持つことはない。

理解してくれる。
➔自分を相手を理解しようと思う。
=理解し合える関係になる。

ありのままを置き忘れないで、結びついてる関係。
➔苦しくなったりすることはない。

※人に合わせるのではなく、ちがった自分を伝える図太さを。

🐾長所を掘り起こすと、個性的に生きられる。

長所を伸ばす。
➔磨き上げていく。
=個性的な人になる早道。

自分の長所の見つけ方。
➔子どもの頃を思い出してみる。
・好きだったことは何か?
・夢中になっていたことは何か?
➔好きだったこと、夢中だったこと長所。

長所を自覚する。
➔本物の自信が持てるようになる。
=「図太い自分」

※長所を磨くと、自信が湧いてくる。

🐾悩みを楽しむ方法は「知足」にあり

この世に悩みがない人などいない。
➔悩むということは生きている証。

悩みを抱える。
「なぜ、自分だけが!」
➔思いにとらわれがち。

禅語)
「知足(ちそく)」
「足る」を「知る」ということ。

知足の人は地上に臥(が)すと雖(いえど)も、なお安楽なりとす

お釈迦様の言葉

足ることを知っている人は、たとえ地べたに寝るような生活をしていても、心は安らかで幸せを感じることができる、という意味。

困難な状況に置かれることはつらいこと。
➔困難は乗り越えるためにある。
=乗り越えることで自分がひとつ向上できる。

✘ 困難に振り回される。
○ 困難試練➔自分が向上するためのチャンス。

チャンスをいただく。
➔ありがたいこと。
チャンスを活かす。
➔楽しいこと。
=悩みを気にしない人の受け止め方。

人生で訪れる困難。
➔逃げることはできない。
=恨み言を言っている場合ではない。
「やっかいな”チャンス”をいただいちゃったな」
「こいつを乗り越えたら、どんな自分に出会えるか楽しみだ」
➔体制を整える。
=一所懸命に楽しみながら乗り越える。

※図太い人は、悩みさえ「ありがたい」と思う。

🐾自分の大切な時間を、他人に振り回されない。

付き合いのいい”いいやつ”
➔都合のいい存在。
=便利に使える人間。

時間の使い方。
✘ 他人のために自分の時間を削る。
○ 自分が「主人公」となって使う。

禅語)
「主人公(しゅじんこう)」
自分が主体となって、自分らしいやり方で、という意味。

主人公として時間と向き合う。
・時間に振りまわされない。
・時間に追われることもない。
➔時間の中で常に生きている実感を得ている姿。

自分の人生ということを視野に入れる。
・いまできること。
・やるべきこと。
➔考えるために時間を使う。

”人気者”の称号
”便利屋”の看板
=自分のためにはならないもの。

自分のために”わがまま”になる。
➔自分が主人公となって時間を使いきる。
=自分らしい人生を実現するための推進力。

※時間に使われるのではなく「主人公」となって時間を使いきる。

<第3章 図太い人は、気持ちの切り替えがうまい>

🐾落ち込んだときは、まず掃除をする

気持ちが塞ぐ、落ち込む。
➔なかなか立ち直れない。
=気持ちの切り替えができない。

気持ちの切り替えがうまい人。
➔落ち込んでいても何も始まらない。
=わかっている人。

ミスを悔やんだり、悩んだりする時間。
➔ミスの原因解明にあてるという前向きな姿勢。
=気持ちは切り替わる。

原因、改善策を考えている時間。
➔すでに気持ちは切り替わっている。

図太い人。
=落ち込んだときの対処ができる人。
➔習慣になっている人。

はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる。

イギリスの詩人、文芸評論家、劇作家、ジョン・ドライデンの言葉

まずは対処をしてみる。
➔習慣になる。
=立ち直りが早い人、図太い人に変わる。

体を動かす。
禅の考え方からのオススメ。
➔「掃除」をすること。

一所懸命に体を動かす。
➔余計なことを考えずにすむ。

掃除をする。
➔その空間が綺麗になる。

綺麗に片付いた空間にいる。
➔気持ちが清々しく、晴れやかになる。
・塞いだ気持ち。
・落ち込んだ気分。
➔一掃される。

「一掃除(いちそうじ)二信心(にしんじん)」
掃除は単に塵や埃を払ったり、その場を磨いたりするものではなく、自分の心についた塵や埃を払い、心を磨くものだと考えること。

落ち込んだらとにかく掃除をする。
=気持ちを切り替えるための手っ取り早い方法。

※一所懸命に体を動かすと余計なことを考えなくなる。

🐾嫌なことは、翌日まで引きずらない

嫌なことをクヨクヨ考える。
➔嫌なことは帳消しにはならない。

考えるにとらわれる。
➔前に進めなくなる。
=心が前向きになれない。

「嫌だ」と感じる。
=自然なこと。
➔それはそれでよい。

嫌だという思いをその場に置いてくること。
➔その場で断ち切ってしまうことが大切。

思いを断ち切る。
➔心が前向きになる。
=前に進むことができる。

「”引きずる”タイプだからなぁ」
➔「いま」できることに集中する。

今日の嫌な経験を明日に活かす。
➔「いま」できることは必ずある。

できることを考える。
➔実践する。
=クヨクヨしている暇はなくなる。

※嫌な思いは、その場に置いてくる。

🐾損得勘定にこだわると心が窮屈になる

何かをしようとしているとき。
➔人はどこかで損得勘定を働かせているもの。

損得勘定は人の業。
=どうにもならないこと。
➔超えていくことはできる。

損に思えることも、それが自分にまわってきたのは「縁」
➔いただいた「縁」は活かしきる。
=禅の考え方。

縁を活かすために全力を尽くす。
➔損も得もなくなる。
=損得を越えられる。

損だということが頭にある。
➔物事がつまらなくなる。

おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり

長州藩士、高杉晋作の歌

おもしろいことが何ひとつないない世の中だって、心の在り様(持ち方)ひとつでおもしろく生きていくことができる、ということ。

つまらないも、おもしろいもない。
➔つまらなくしているのは自分。
=おもしろくするのも自分。

※縁を活かしきれば、損得勘定を越えられる。

🐾自分の不遇を「人のせい」にしない

人は逆境、つらい立場の原因を外に求めがち。
=「世の中のせい」

逆境、つらい立場。
➔変えていけるのは自分だけ。

人のせいにする。
=何ひとつ変わらない。

自分にとってすべて好条件。
➔ありえないこと。

プラスマイナス両条件がある。
➔マイナスをどうプラスに転じていくか。
=禅の発想

「こんちくしょう」「なにくそ」の気持ちが大事。
➔マイナスをプラスに転じる推進力になる。

自分を理解してもらう努力。
✘ 相手のご機嫌を取る。
✘ 相手におもねる。
○ しっかりとした自分を持つ。
➔マイナスをプラスに転じようとするはたらきがけること。
・地に足のついたふるまい。
・腹が据わった行動。
➔やわな心ではできない行動。
=なにくそ精神、強い心の支えが必要。

※マイナスをプラスに転じる禅の発想で、どんな状況も変えられる。

🐾「でも・・・・・・」は動かないことの言い訳

「下手の考え休むに似たり」
実力がない(下手な)人間がいくら考えたところで、いい手など思いつくわけがないのだから、時間を無駄にしている(休んでいる)のと同じことだ、という意味。

悩みも同じ。
深刻に悩み続ける。
➔解決策にはたどり着かない。

時間をかける。
➔悩みは雪だるま式に膨らんで、深まるばかり。
=悩みが悩みを生む。

なすべきこと。
=具体的に動くこと。
例)
上司との折り合いが悪い。
➔同僚に自分が感じていることを打ち明けてみる。
など。

「岡目八目」
真実は当事者より周囲の第三者の方が見えやすい、ということ。

第三者の意見が思い込みと違う。
➔バイアスが外れる。
第三者の意見が思い込みと同じ。
➔現実を受け入れる。

実際に動いてみる。
➔何らかの結果が得られる。
=打つべき次の手は必ずある。

「でも」は動かないことの言い訳。

「でも」を封じる。
➔まちがいなく、動けるようになる。

※「でも」からは何も始まらない、図太く動けば解決が見えてくる。

🐾図太い人は「腹案」を用意する

「こんなはずではなかった」という状況。
・スゴスゴと尻尾を巻いてしまう人。
・さらに粘れる図太い人。

図太さを支える秘密。
=「腹案」
➔前もって心の中で考えておいた、ほかの案。

案がひつしかない。
➔うまくいかない状況。
=手詰まりになる。

腹案を持っている。
➔うまくいかない状況。
=その場で堂々と次の案に移れる。

腹案をつくるポイント。
➔話し合いの段階で相手の話を聞くこと。
=重要なのは聞く力。

相手の話にじっと耳を傾ける。
➔いかにして相手の思いや希望を引き出すか。
=聞く力こそ、最強の武器。

禅語)
「清寥寥(せいりょうりょう) 白的的(びゃくてきてき)」
心が静かに透きとおっていて、どこにもはからいがない、ということ。
➔相手の話を聞くときに必要な心がまえ。

うまくまとめよう。
商品を買ってもらおう。
など。
=”はからい”
➔心から追い出すこと。
=とにかく聞くことに全力を傾ける。

※腹案づくりの最大のポイントは”聞く力”にある。

合わせて読むのにオススメの本。

🐾呼吸が、図太さを高めてくれる

緊張に対する最良の方法は「呼吸」

座禅の呼吸「丹田呼吸」
➔下腹部を意識した深く、長い呼吸。

緊張して焦るあがる
➔呼吸は浅く、短くなる。
=胸式呼吸

丹田呼吸を行う。
➔自然に肩の力が抜ける。
=心が落ち着いてくる。

座禅の三要素
「調身」➔姿勢を整える
「調息」➔呼吸を整える
「調心」➔心を整える
➔3つは深く関わっている。
=姿勢を整えることで、呼吸が整い、さらに心が整う。

丹田呼吸のやり方。
①背筋を伸ばし、骨盤を立てる。
②丹田(おへその下約7.5センチ)を意識し、空気をゆっくり全部吐き出す。
③吐き切ることで、自然に空気が入ってくる。
➔吸うことを意識する必要はない。
④丹田までゆっくり息を落とす(吸い込む)

朝、窓を開ける。
=新鮮な空気を取り入れる。
➔丹田呼吸を数回行う。
=1日を落ち着いた心で始められる。

※呼吸はあなたの心をどっしりさせる。

🐾年相応ではなく、自分相応に生きる

すっかり萎れて老け込んでしまう人。
老いてますます盛んな人。
➔老いに対するとらえ方、考え方が両者を分けている。

老け込んでしまう人。
「老い衰え」
➔老いることにマイナスイメージが先行している人。

老いた自分が頭にある。
➔何かにつけて「年相応」であるべき。
=生真面目すぎるほどに年に自分を合わせている。

老いてますます盛んな人。
=いまの自分ということだけを意識している人。
・いまの自分ができること。
・いまの自分がやりたいこと。
➔向き合っている。
=「自分相応」に生きている。

例)
若々しいファッションがしたければする。
年が離れた世代の人たちともつき合う。
など。

ビジネスパーソンの場合。
➔定年はひとつの区切り。
「定年まであと5年しかなくなってしまったか」
=年相応派
➔定年というゴールばかり見ている。
「定年後は何をするかな。この5年はそのための準備期間だ」
=自分相応派
➔定年後という新たなスタートに据えられている。

自分相応に生きる。
➔年に縛られることはない。
=老いに対して鈍感でいられる。

※老いに鈍感になると、若々しくいられる。

合わせて読むのにオススメの本。

<第4章 怒りをため込まないで、図太く解消する>

🐾怒っている相手と同じ土俵に上がらない

理不尽と感じる怒り。
感情を吐き出しているとしか思えない怒り。
➔どう対応するか?

「断然対抗するよ。返り討ちにしてやる」
➔”売り言葉に買い言葉”
=収拾がつかなくなる。

気まずい思いのまま背を向け合う。
➔怨みを抱えたまま関係断絶。

怒りに怒りで対応する。
=相手の土俵に上がること。

”敵”が上がってくる。
➔相手も戦闘意欲を掻き立てられる。

双方が引けなくなる。
➔ノーガードの打ち合いとなる。

※怒りをもって怒りを制することはできない。

高みに上る。
➔視点を土俵のはるか上に据える。
=相手を見下ろす。

こちらが取り合わない。
➔自分一人が力みかえっているみっともなさに気づく。
=矛を収めるしかなくなる。
「暖簾に腕押し」戦法
「糠に釘」作戦

禅語)
「和顔(わげん)」
和やかな表情という意味
➔人に対しては常に和顔の表情で接しなさい。
=禅の教え。

口汚く罵ってくる相手。
➔和やかな表情で受け止める。
=相手はグウの音も出なくなる。

「和顔施(わげんせ)」
和やかな表情にはお布施と同じ効力がある、ということ。

怒りにお布施を持って返す。
➔図太い対応
=大人の対応

※怒りには「和顔」というお布施をもって返す。

🐾いちばんの「仕返し」は堂々と生きること

報復で人を陥れる、傷つける。
➔心地よいものではない。
=溜飲が下がるのはほんの一瞬だけ。

「報復の連鎖」は世の常。
➔やられた相手は黙っているとはかぎらない。
=さらなる報復が返ってくる。

裏切られた悔しさ。
手酷い仕打ち。
騙された悲しさ。
➔簡単に忘れられるものではない。
=心の痛みはいつまでも疼く。

禅語)
「前後際断(ぜんごさいだん)」
例)
薪は燃えて灰になる。
➔薪は灰の前の姿。
=灰は薪の後の姿。
➔見方もできるが、そういう見方をしてはいけない。

薪は薪、灰は灰で、それぞれ絶対の姿であり、繋がっているわけではない。前(薪)後(灰)は際断、断ち切られているのだ、ということ。

大切なのは「いま」というその瞬間のみ。
過去を引きずっていない。
➔未来に繋がってもいない。

いま生きているのは、現在。
➔現在は過去の後でもないし、未来の前でもない。
=「いま」をただ、生きればいい。

仕返しを考える。
➔切り離されている現在を、相も変わらず”裏切られた”自分として生きていること。

※仕返しは過去に葬っていまを、ただ、生きる。

🐾どでかい堪忍袋を持つ

堪忍袋怒りを包み込んでしまう図太さ。

すぐに怒りを露わにする人。
「瞬間湯沸かし器」
➔周囲に敵をつくりやすい人。
=周囲からサポートも得にくい人。

周囲の人達との縁をいただく。
➔周囲の人に支えられながら生きている。
=生きるということの大原則。

堪忍袋の小さい人。
=生きにくい。

怒りは敵と思え

徳川家康の言葉

「織田が搗き 羽柴が捏ねし天下餅 座りしままに食らうわ徳川」
=長く太平の世を治めるキッカケをつくったのは徳川家康。

腹が立ったら、何かいったり、したりする前に10まで数えよ。それでも怒りがおさまらなかったら100まで数えよ。それでもダメなら1000まで数えよ。

米国第3代大統領、トーマス・ジェファーソンの言葉

東西の”天下人”
=強く怒りを戒めていた。

人生には怒るべき「ここ一番」がある。
➔怒ればいい。
=感情的ではなく、理性的に怒る。

理性的に怒る。
➔自分の正当性と相手の不当性を、じっくり、じっくり吟味する。
=怒りは「伝家の宝刀」になる。

怒りと愚行は相並んで歩み、悔恨が両者の踵を踏む。

米国の政治家、ベンジャミン・フランクリンの言葉

※怒りは人生を破壊し、堪忍袋は人生を成功に導く。

🐾「書く」ことで怒りの感情が消える

書くことは怒りを吐き出すこと。
➔怒りのテンションはまちがいなく下がる。

書いたものを読み返す。
➔怒りの源を客観的に見直すこともできる。

「客観的に見る」
=図太い人のものの見方。
➔渦中にいても、少し離れた視線で見ることができる。
=感情を揺さぶられることもない。

書くこと
=図太い人の視線を持つこと。

心で思っている間は、怒りの出口が塞がれている。
➔書くという作業は出口を開くこと。
「たいしたことじゃないな。ま、いっか」
➔落ち着く。

※書くことで、怒りの出口が開かれる。

合わせて読むのにオススメの本。

🐾自分を実力以上に見せようとしない

必要以上に頑張りすぎない。
➔自分のペースでナチュラルに生きること。

責任にも範囲がある。
「ここは得意じゃないな」
➔「引き受けたからには全部自分の責任でやらなければ・・・・・・」
=責任の範囲を広くとってしまう。

苦手なことに手を焼き、多くの時間を費やす。
➔期日に間に合わなくなる。
=責任を果たせなくなる。

引き受けた責任を一人で背負い込むことはない。
責任をまちがいなくとれるところはとる。
➔残りは得な人の手を借りる。

例)
「わたしはビジュアル化が苦手なので、そこは〇〇さんにお手伝いしていただこうと思います。それでよろしいですか?」
➔言ってしまえばすむこと。

図太い神経は必要。
➔できないことではない。

「できる人に見られたい」
「凄い人と思われたい」
➔人が潜在的に持っている願望。
=自分を実力以上に見せようとしてしまう。

実力以上の仕事はできない。
・期日に間に合わない。
・完成度が低い。
・ミスが散見される。
➔不備が露呈することになる。

自分の本当の実力ときちんと向き合う勇気を持つ。
=正味の自分を見つめる。

正しく実力を見極める。
➔責任範囲を見誤ることはない。

※自分の実力に見合った責任だけとればいい。

🐾弱みを見せてしまえばラクになる

繊細な人ほどさっさと情報公開してしまうのがいい。

周囲が情報を共有している。
➔それとなく便宜をはかってくれることになる。
=居心地もよくなる。

不得意を隠す。
➔なんでもできるオールラウンダーのふりをする。
=”ふり”をしたツケは必ずまわってくる。

禅語)
「露堂々(ろどうどう)」
どこにも隠すところがなく、ありのままの自然の姿があらわれている、という意味。

弱みを隠す。
➔堂々とはできない。
=露見を恐れていつも怯えることになる。

弱みを見せる。
➔人柄が垣間見える。
=素敵で好感度も高いこと。

不得意、弱みを隠す。
➔おどおどしながら生きる。
ありのままの自分を図太く見せる。
➔スッキリ、心晴れやかに生きる。

※弱みを見せたら、いまよりずっと魅力的になれる。

🐾反省は、ピンポイントでいい

仕事、人間としての成長に、反省は不可欠。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」
➔反省も過ぎると自分が惨めになってしまう。

物事にはプロセスがある。
➔それぞれの対応、すべてが間違っていたということはない。

✘ すべてについて反省する。
○ どの段階のどんな部分に問題があったか。
➔不足していたという点を見つけて、そこを反省する。

反省は問題箇所、不足部分。
➔ピンポイントに焦点を当てなければ意味がない。

問題がなかった対応。
➔反省する必要などない。

正しく反省する。
➔うまくいかなくても挫けることはなくなる。

※やみくもな反省ではなく”検証”する

<第5章 図太さを貫いたその先に>

🐾年をとっても図太く生きる

人間が使っている能力は最大でも持っている能力の約25%。
➔ほとんどの人が25%以下しか能力を使っていない。

「そろそろ自分の能力も限界かな?」
➔未使用の能力が約75%もある。
=誰にでも使う能力を向上させていく可能性がある。

自分で限界を決める。
➔諦めてしまう。
=可能性を自ら閉ざすこと。

老いは限界を感じさせる大きな要因。
高齢になってから、新しいことに挑もうとする。
「限界なにするものぞ!」
➔心意気のあらわれ。

「年寄りの冷や水」
➔揶揄する諺。
=せっかくの心意気がなえることになる。

いくつになっても限界ははるか遠くにある。
=チャレンジスピリットの見せどころ。

限界を決める。
➔能力は低下する。
=常に挑み続ける。

※図太く”冷や水”を浴び、70の手習い、80の手習いで生きる。

🐾自分の「心の声」を聴く

座禅の意味は心のなかの自分とじっと向き合うことにある。

向き合って心のなかの自分に問いかける。
「ここまでの生き方は間違っていなかっただろうか?」
「今日の行動に誤ったところはなかったか?」
「他人を傷つけるような言葉を発したりしなかっただろうか?」
➔返ってくる声を聴く。

人はけっして完璧な存在ではない。
➔心のなかの自分と向き合うことが大切。
=向き合うことでまちがいに気づける。

間違った自分に気付ける。
➔あらためることができる。
=対応に動くこともできる。

※心のなかの自分と向き合えば心は強く鍛えられる。

🐾図太い人は、よく寝る

よく眠れる図太さは誰にでも身につけることができる。

「心を落ち着かせる」こと。
=寝る前30分間がポイント。

「結界(けっかい)」
お寺や神社にある山門や鳥居のこと。
➔外(俗)の領域と内(浄・聖)の領域を分けているもの。

結界という考え方。
➔自宅の門、玄関を結界に見立てる。
=結界を越えたら、煩わせることは考えないようにする。

継続は力。
➔しばらく意識的に続けてみる。
=必ず習慣化できる。

寝る前30分間。
➔自分にとって「心地よい」と感じることをする。

門・玄関空間的な結界。
寝る前の30分間時間的な結界。

心地よい例)
・好きな音楽を聴く。
・絵本や写真を眺める。
・お気に入りのアロマを焚く。
・軽く身体を動かす。
・星空を眺める。
など。

心地よいことをしている。
➔人はそのことと一体になっている。
・何も考えない。
・何も気にしない。
「ああ、心地よいなぁ」
➔感覚に包まれている。

心が落ち着いている。
=安らかな眠りに入る最適な状態。

※2つの「結界」をつくれば、安らかな眠りが訪れる。

合わせて読むのにオススメの本。

🐾病気は大切なことを気づかせてくれる

病気になる。
➔いままで当たり前にできていたことができなくなる。
=あたり前のことがありがたく思える。

当たり前がありがたいことだと気づく。
=禅がめざす心の境地。

ありがたさを知る。
➔人は必ず成長する。
=感謝は心の器を広げる。

素直さ、あったかさ。
=心の器を広げる良薬。

心の器が広がる。
➔人としても大きくなる。
=心の図太さも育っていく。

※病気になることは、禅の修行に等しい。

🐾「すべてありがたい」が生きることの原点

世の中はすべてのことが関係性のうえで成り立っている。
例)
仕事の場合。
・会社がある。
・上司や部下、同僚がいる。
・仕事相手がいる。
➔関係性の中で成立している。
=一事が万事

※人は関係性に支えられて生きている。

関係を持ってくれるものに対して感謝する。
「仕事をさせていただけてありがたい」
➔周囲のすべての関係によって生かしていただいている。
=生きることの原点。

禅語)
「即今(そっこん)当処(とうしょ)自己(じこ)」
たったいまそのとき、自分がいるその場所で、やるべきことを自分でやる。それがいちばん大切なのだ、という意味。

やるべきことを、ただ必死にやっていけばいい。
必死にやらない。
・考えすぎる。
・悩みすぎる。
・迷いすぎる。

例)
「得意先に迷惑をかけてしまった。どうしよう」
➔やるべきことは「ただちに謝罪する」
=すぐに先方に足を運んで頭を下げること。

※「すぎない」ための妙法は、とにかく「やる」しかない。

🐾「見切る」図太さを持って、余計なものを剥がす

人間の欲望というものは、たとえヒマラヤの山を黄金に変えたところで、満たされることはない。

お釈迦様の言葉

人の欲望には際限がない。
➔満足することがない。
=ひとつ持てば次が欲しくなる。

一度手に入れた物は手放せない。
➔人間の心理。
「もっと欲しいけど、どれも手放せない」
=物が増えていくのは当然の帰結。

「見切る」図太さ。
➔死蔵品を見切る、手放すと決める。
=スペースが広がり、暮らしやすくなる。

「ヒト」も「カネ」も「情報」も図太く見切る。
ヒトの場合
惰性で付き合っている状況。
➔心をいちばん窮屈にするのが人のしがらみ。
カネの場合
稼ぐことが最初に「ありき」になる。
➔道を誤ることになる。
情報の場合。
集めすぎるから縛られる、振り回される。
➔本当に必要な情報はかぎられている。

見切ること。
=暮らしの贅肉を落とすこと。

※ものは手に入れるより、図太く「見切る」

合わせて読むのにオススメの本。

🐾人の言うことに惑わされず自分の感性を貫く

噂が耳に入ってくるのは止めようがない。
➔その場で聞き流してしまうのがいちがんいい。

自分の感じたそのままが、自分にとってのそのもの。
根拠の希薄な事前情報での先入観。
➔目を曇らせ、感性を鈍らせる。

自分が噂の標的になる。
「人の噂も七十五日」
➔賞味期限は長いものではない。
・火元を明らかにする。
・直接抗議する。
・逆におもねる
・卑屈な態度を見せる。
➔火に油を注ぐこと。

いつも通りにふるまう。
➔火元とも、いつもどおり挨拶を交わす。
=自分を鼓舞してでもしてみる。

撃退するもっとも有効な方法
➔歯牙にもかけない図太い態度。

※噂やデマは”いつもどおり”で撃退する。

🐾究極の図太さとは「ただの人」として生きること

出世は人生の目的のひとつ。

「たかが、出世じゃないか」という感覚を持つ。

仕事をしている期間は40年余り。
=トップに立ててもいられるのは数年。

米国のコンサルタント会社の調査
世界の上位2500企業のCEOの平均任期期間
=約6年半

人生80年以上。
➔数年などわずかな期間。
=出世を極めても、退けばただの人。
➔20年以上をただの人として生きていかなければいけない。

肩書のないただの人としてどう生きるか。
=人生がかかっていること。

最後に思うこと。
「ああ、いい人生だったなぁ。やることはやりきった」
➔感じられる人生が、いちばん素晴らしい。

「確かに出世はしたが、その間、ずいぶん家族を犠牲にしてきたな。家族のためにやるべきことがあったのに、ほとんどできなかった」
「出世のためになりふりかわまず生きてきて目的は達した。しかし、リタイヤ後は気力も失せて空疎そのものだった。自分の人生っていったい何だったのだろう」
➔思いが湧くとしたら、いい人生と言えるか?

ただの人としてしっかり生きる。
=人間として成長を続けていくこと。

禅語)
「枯高(ここう)」
「枯れ長けて強い」ということ。

人の晩年も枯高の姿でありたいもの。

人生はただの人としてどう生きるかにかかっている。
➔自分の信条を貫いて生きる。
=究極の図太さ。

※”ただの人”としてどう生きるか、それで人生は決まる。

知ることだけでは十分ではない、それを使わないといけない。やる気だけでは十分ではない、実行しないといけない。

ゲーテの言葉

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