鹿です。

バーベル体操が好き。

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最近の記事

計画的なトレーニングにおける適切な重量設定

Rondel Hunteが話していた内容の一部に、計画的なトレーニングでは「momentum」(「勢い」「余勢」などの意)が大事という話があった。 目新しい話ではないが、見失いがちな点なので、備忘的に書いてみたい。 (以下は、わたしの個人的な意見なので注意。彼の話を翻訳した訳ではない。) 「momentum」とはどういうことか、旧来型のサイクルと比較しながら説明してみたい。 まず、単純な線形で"積極的に"ベスト更新を最終週で狙うというサイクルを「旧来型のサイクル」とここ

    • パワーリフティングのためのピリオダイゼーションについて(初級編)

      5/3/1とかスモロフJrとか意味も考えずに実行している皆さん、ごきげんよう。強くなっていますか? もし強くなっているのであればこの記事は見る必要ありません。 今回は「ピリオダイゼーション」と言いつつ表層的な内容ですが、「どうやって計画的な練習に取り組んでいくべきか」という話について書きました。 【なぜ計画的な練習が必要なのか】 やりたいように、好きなように練習して強くなれる人間はごく一部だけ。 漸増性の原則を見据えて計画的に練習しないとそう簡単に強くはなれません。目先の

      • ジャガーノートトレーニングシステムAI2.0について(前編)

        概要 アプリを使うことでAIがプログラム作成をサポートしてくれるというサブスクがあるのだが、アプリそのものについては面倒くさいので書く気はない。「JTS 」「AI 」「2.0」で検索してほしい。英語が読めないとかよく分かんないから説明してほしいみたいなリクエストには答える気はない。アプリの解説をしたい訳ではなく、プログラムについて書きたいので。 このアプリの良さ 一応、このくらいは書いておくことにする。  まず、良いところとして「他者が一切介在しない」という点を挙げたい。人

        • パワーリフターと特異性の原則

          トップシングルやトップセットの意味 「貴方は何のためにトップシングルやトップセットを行っていますか?」と聞かれたら、どういう答えが返ってくるでしょうか。 ①筋力強化 ②神経系の向上 ③精神的な準備  上記の3点を挙げる人が多いと思います。わたしはイジワルなので「筋力強化って何?速筋の動員率を上げるってこと?高重量じゃなくても出来るんじゃないの?軽い重量でスピードレップじゃダメなの?中重量でも追い込めば速筋は動員されるのでは?」とか「神経系ってどうやって向上させるの?固有受容

        計画的なトレーニングにおける適切な重量設定

          ボリュームについて考える。

          ジャンクボリュームについて 例えば、サイドレイズを100レップが限界の重量で最後までやり切る場合、1レップ目と100レップ目のどちらがより筋肥大に貢献するかと言えば、100レップ目だと誰もが答えるだろう。もっと言えば、80レップ目くらいまでは筋肥大に(ほぼ)貢献しないだろう。この筋肥大に(ほぼ)貢献しないレップレンジにおけるボリューム部分をジャンクボリュームという。  「低重量で高回数のトレーニングは(筋肥大において)効率が悪い」という話も、このジャンクボリュームが原因と言っ

          ボリュームについて考える。

          パワーリフティングにおけるRPEとRIRの相違点について

           書いてる途中で力尽きたことを先に謝っておきます…  5/20追記しました。  RIRとはReps in Reserveの略で、『予備レップ』などと訳すのが適切かと思う。「あと〇回挙がるはず」という意味を持ち、RPEと基本的には同じと解釈してよい。ただし、一般的にはRIRは小数点を用いないことが多く、RPEは0.5単位で表記することがある。  例えばRPEで「×8@8.0」と表記した場合、これは「8回挙げて、あと2回挙がる余力がある」ことを意味しており、RIR2と表記するこ

          パワーリフティングにおけるRPEとRIRの相違点について

          リストラップ、内巻きにするか外巻きにするか(書きかけver)

           4スタンス理論とかそういう「分かる人にしか分からない理論」とか、自分が巻きたい方向に巻けばいいみたいな言語化放棄が許せないため、敢えてここに記す。  とりあえず箇条書きで。やる気が出たらちゃんと写真などを添えて理論立てて説明したいが… <ベンチプレスの場合> ・ワイドグリップ気味、肘を全力で張る、三頭でブレーキを掛けてバーを下ろす、こういったケースは外巻きにした方が良い。 ・ナロー気味、肘はほんの少し余裕を持たせている、二頭でブレーキを掛けてバーを下ろす、こういったケース

          リストラップ、内巻きにするか外巻きにするか(書きかけver)

          ベンチプレスにおける腹圧について

          ベンチプレスは腹圧を掛けにくい。 ベンチプレスで腹圧を掛けることは意外と難しい。理由は、ベンチ台に寝た状態で脚を踏ん張ろうとすると、自然と背中が反らされ起立筋が収縮し、腹筋が緩むためである。腹筋の収縮と腹圧はイコールではないが、全身の力を振り絞ってブリッジを高く、脚の力を使おうとすればするほど腹圧は掛けにくい状態になる。思いっきり息を吸って腹に力を入れようとしたら、背中を反らす姿勢と背中を丸める姿勢のどちらがいいか、ということである。  要は『正しいベンチプレスのフォーム(≒

          ベンチプレスにおける腹圧について

          パワーリフティングのためのアセンディングセット入門

           以下、メモ書き アセンディングセットとは 同セッション内でセットを重ねるごとに重量を増やしていく方法  5/3/1(ファイブ・スリー・ワン)などが有名 例)8RMが180kgで、6rep×3set@8.5~9.0狙いで練習する場合 ① 160kg×6@6.0(かなり余裕) ② 170kg×6@7.0(3回は挙がる余裕) ③ 180kg×6@8.5(1~2回は挙がる余裕、ここが最高重量) ※上記RPEは理論的、経験則的にだいたいこの程度になる(はず)が、   個人差が大き

          パワーリフティングのためのアセンディングセット入門

          セットの組み方色々

          以下、メモ書き  ※経験年数・種目・体格・年齢などによって差異が生じやすい点に注意 伝統的8×2セットのサイクルトレーニング 例)MAX200kg前後で週1回だけ練習する場合  ・換算表のとおり160kg×8repがベストだと仮定  ・伝統的な線形サイクル(簡易ver)だと以下の通り。  ※メモリセット、補助種目などは省略 一週目 130kg×8~10rep×3~5set@7.5~8.5(セット完了後2~3回の余力) 二週目 140kg×8rep×3~5set@8.0~9

          セットの組み方色々

          ベンチプレスの左右差が発生するメカニズムについて

          前書き 本記事は、物理学的に正しい言葉遣いをしていないため、先に謝罪しておきます。何卒ご容赦ください。 始めに ベンチプレスの際、筋力の限界付近のレップになると左右で挙げるスピードが大きく異なってしまう現象がたまに見受けられます。単純に、利き手と比べて逆側の筋力が弱い場合で、トップ付近においてフィニッシュに1秒程度の差が生じるようなケースであれば大きな問題にはならないと思われますが、例えば、挙上の中間位で左側だけ数秒止まり、その間に右側の挙上を完了させ、その後に遅れて左側で

          ベンチプレスの左右差が発生するメカニズムについて

          1RM%とRPEの比較について(マニアック編)

          前提:パワーリフターで最低限のRPEや1RM換算に関する知識があること。 お断り  本記事中の考え方については、内容を理解してもらうためにある程度の一般論化をしております。個人差に言及するとキリがないため、このことをご承知おきいただき、ご拝読願います。 1RM%やRPEは便利なツール いきなりですが質問です。 『1RM=200kgの人が同重量で5回5セットの限界に挑戦するとしたら重量選択はどの程度が妥当でしょうか?』  経験則ではなく、論理的に答えることが出来ますか?  

          1RM%とRPEの比較について(マニアック編)

          高重量スクワットでバーベルが前に流れる現象について

          注意事項  本記事の対象者は(最低限)自重の二倍前後でスクワットが出来るレベルの方です。初心者・初級者にあっては、そもそも腹圧の掛け方などが未熟であるためにバーベルがまともに保持出来ていないなど、初歩的な問題を抱えている方がいらっしゃると思われますが、そのようなケースは取り扱っておりませんことをあらかじめご承知おき下さい。 はじめに スクワットの際、横から見た時のバーベルの軌道が一直線ではなく前に流れるような動きになることを経験している方が多いと思いますが、この現象はなぜ起

          高重量スクワットでバーベルが前に流れる現象について

          骨格で受けるベンチプレス解説

          注意:本記事は競技としてのベンチプレス動作を中心とした解説になりますので、あらかじめご承知おき下さい。 はじめに 主にベンチプレス競技者からのアドバイスなどで『ベンチプレスは筋肉ではなく、骨格で受ける(挙げる)』という話を耳にしたことがあると思います。感覚的・経験的に理解していても、このことを言葉や文章で体系的に解説した記事が少ないと感じ、今回、わたしが知る範囲で解説記事としてまとめました。  また、解説にあたり初心者でも分かるように『屈曲』『伸展』『回内』『背屈』などの専

          骨格で受けるベンチプレス解説

          高重量デッドリフトで背中が曲がる理由は背中が弱いからではない。

          注意:以下の記事は1RMを追求するために取り組んでいる前提です。筋肥大やパフォーマンスアップなどを目的とした内容ではありませんので、あらかじめご承知おきください。 はじめに  軽い重量であれば問題ないにも関わらず、高重量デッドリフトになると背中(主に上背部)が曲がる理由については、「背中が弱い」「脚が使えていない」「フォームが悪い」「意識性の問題」etc…、様々な見解があると思いますが、本当の理由は何でしょうか?  その原因を確認するため、まずはどのようなメカニズムが働いて

          高重量デッドリフトで背中が曲がる理由は背中が弱いからではない。