セットの組み方色々

以下、メモ書き 
※経験年数・種目・体格・年齢などによって差異が生じやすい点に注意

伝統的8×2セットのサイクルトレーニング

 例)MAX200kg前後で週1回だけ練習する場合
 ・換算表のとおり160kg×8repがベストだと仮定
 ・伝統的な線形サイクル(簡易ver)だと以下の通り。
 ※メモリセット、補助種目などは省略

一週目 130kg×8~10rep×3~5set@7.5~8.5(セット完了後2~3回の余力)
二週目 140kg×8rep×3~5set@8.0~9.0(セット完了後1~2回の余力)
三週目 150kg×8rep×2~3set@8.5~9.5(セット完了後1回の余力)
四週目 160kg×6~8rep×1~2set@9.0~10(セット完了後余力ほぼなし)
五週目 165kg×6~8rep×1set@9.5~10(ベスト狙い)
その後、好みに応じてMAX挑戦や、さらなるベスト狙いをしていく。

長所:体調をコントロールしやすい。安定して重量を扱える。
短所:停滞しやすい。低レップに弱くなる可能性がある。

トップシングルからRPEで判断してバックオフセットを組む方法

 まず、その日の調子を見て、余裕を持って出来そうな1repにチャレンジして、その後のセットを組む方法を紹介する。

例)MAX250kg前後で週2~3回ほど練習する場合

毎回のセッションでRPE8.0付近になるトップシングルを探す。
215kg×1rep@7.0…軽いので、もう少し重量を上げてみる。
225kg×1rep@8.5(Top Single)…これでその日の調子を判断する。

 仮に1repがRPE8.5(1~2回余力あり)と感じた場合、RPEチャートに従うと、この日のMAXはこの重量を約94%で割った数字がおおよその値となる。
 つまり、この日はe1RM(推定MAX)=225kg/0.94≒240kgとなる。

 次に、この日は240kgが1RMだと仮定した場合、この重量に0.8を掛けると理論上8RMの近似値となる…つまり240kg×0.8=192kgがこの日のe8RMとなる。
 この192kgをバックオフセットで扱う重量とする。ただし、単純に8repを行うのではなく、なるべくボリュームを多く積み込むためにrepを減らしてset数を増やしてみる。具体的には以下のパターンを参照

・8RMの半分程度の回数(3~6rep)で出来るだけsetを組む。
 パターン① 192kg×6rep×2set@7.0~8.0
 パターン② 192kg×4rep×4set@7.5~8.5
 パターン③ 192kg×5rep×5set@8.5~9.5
 パターン④ 192kg×3rep×6set+192kg×AMRAP(限界回数…6rep狙い)
 ※下に行くほど高頻度で回すにはキツくなっている。

 ①であれば、週3回くらいでも回せるはず。③5×5や④ラストセットでAMRAPを取り入れるパターンはかなり疲労が溜まる。

 なお、仮に240kg@8.5と感じる日があれば、e1RM=255kgとなるので、この日は絶好調と判断し、セットを組まずに回数ベストやMAXに挑戦するという選択肢もあり得る。高頻度で計画を立てずに柔軟に練習した選手には良いかも知れない。

Q.なぜe8RM(推定8RM)を使うのか?
A.もっと重くても良いが、重すぎるとsetあたりのrep数が少なくなるのであまりボリュームが稼げないことと、高重量になりやすいので精神的に辛いかも知れない。e8RMは軽すぎず重すぎない重量で、比較的扱いやすい。

Q.計算が面倒くさすぎる。
A.慣れれば感覚で分かる。トップシングル後に「後2回は余裕、もしかしたら3回出来るな…ってことはだいたい+20kgくらいがこの日のMAXだから…だいたい〇〇kgで8回は出来るな…しばらく休みだから、その重量で4rep6setやっても3日後には十分回復するな…」みたいな判断が出来る(はず)。高頻度の選手は、考えないで判断しているかも?

Q.トップシングルって必要?
A.人による。が、伝統的サイクルトレーニングの欠点を解消する一つの方法となり得ると思う。高重量を扱う機会が多ければ、精神的にも肉体的にも準備がしやすい。また、高重量を挙げるためのテクニックと低重量を高回数で行うテクニックは異なると思った方が良い。生理的限界、心理的限界、テクニックの面で考えると適度の高重量を扱い続けることはプラスになると考えられる。しかし、本当のMAXを毎回やろうとするのはNG!あくまで余力を残してRPE8.0前後を狙うことをお勧めする。

長所:高頻度に向いている。高重量に強くなれる(かも?)。
短所:常に強度が高めなので回復が厳しい。(※)
※ディロードを用いることで解消出来る可能性あり。

【補足】
・もっとパターンはある。(シングルではない)トップセット+バックオフセットや、アセンディングセットでRPEを探していくパターンなど様々。
・計画的にやるなら、△△rep×◇◇set@■■だけ決めて、後はその日の体調に合わせて重量を可変させる。ただし、自分に甘え、見栄があると破綻しがち。自制心が要求される。

Deloadについて

①repまたはsetを減らす
②重量を減らす
③両方とも減らす

・取り入れ方は個人差が大きい。伝統的なサイクルトレーニングの場合、初週のセットがかなり軽く、ディロードのように扱われていることが多い(気がする)。
・ピークは3週程度で失われることが多い、という経験則が語られていたりするのでピークを感じてから3週後にディロードを取り入れるという手もあり得る。
・よくある海外のプログラムでは、肥大(高レップ低重量)→筋力向上(中レップ中重量)→神経系(低レップ高重量)という期分けが存在する。各期への移行前に毎回、または全てのサイクルが終わって次のサイクルへ移行する前に1~2週のディロードを取り入れると良いかも知れない。
・高頻度で練習しているのであれば、e1RMが極端に下がった日をディロード(場合によってはそのまま休養)としても良いが、あまり計画的な練習とは言い難い…
・若い選手、回復に自信がある、頻度が低い場合などは、そもそもディロードを行う必要は少ない。(ただし、試合後などを除く)

最後に…
 もう一度書くけど、種目とか体格によって全然違う。例えば、ナローデッドとワイドグリップのベンチプレスの8RMが、1RM換算で同じ計算式になる訳がない。そこは経験で各自判断すること。普通は出来るはず。出来ないということは、何も考えていないだけ…もっと考えよう。
以上

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