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眠れない夜、祖母の言葉

眠れない。月の綺麗な夜、そんな時間を今過ごしている。

布団に入る前から「あ、今日眠れないかもな」という予感がしてたから、温かいお茶を飲んでお気に入りの香りを纏って、マッサージをして布団に入ったけど、とにかく眠れない。なんでかなと考えると環境の変化もあるけれど、何より祖母の言葉だった。

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祖母が電話口で「しいなちゃんも、みんな(従兄弟達)も頑張って仕事をしていて、頑張って生活していて偉いよ。苦労しても一生懸命で本当にすごいよ」と言った。私の従兄弟は4人いて、薬剤師・看護師・管理栄養士と手に職をつけてバリバリ働いている。そんな彼女達の話が耳に入るとどうしたって自分と比較してしまう瞬間がある。というのも、従兄弟たちとは歳が大きく変わらず、同じ時期に学生生活を送ってきたから、なんとなく近い存在と認識しているからだ。

例えば私が小学生の時に彼女たちが中学生、とか私が中学生の時に高校生とか、そういう少しのズレがあれば世代違いに思う余裕があるけど、どれもこれもタイミングがバッチリだからこそ、強く意識してしまう存在のように感じている。

いつも夏休み冬休みは、祖父母の家で走り回り、一緒にご飯を食べてお風呂に入り、宿題をして枕投げをして眠っていた私たちは、中学生になり部活が始まると同じタイミングで会える機会が減り、最後にあったのはもう7年ほど前のこと。お化粧をした姿なんて思い浮かばないくらい。「〇〇ちゃん。△△のマンションに住んでるみたいだよ」「〇〇、車買ったってよ」「〇〇は今あんな仕事してるらしいよ」そういう話を親戚伝で聞くと非常に焦る。

「あれ?私は何してるんだろう、私は誰かに自慢できるような人生送れていないけど」といったように。

でも、祖母はそんな私を見透かすかのように「一生懸命」という枠に私のことも入れてくれた。それが資格を持っての仕事でもなく、誰からも褒められずひっそりと地味に企業勤めをしている私からしたら嬉しくてどうしようもなかったのだ。誰にも見られていないと思っていた心が救われた気がしたのだ。勿論、祖母はそこまで意識しての言葉ではなかっただろうけど、その言葉の力は強く、私はそれに喜び興奮し、今日眠れないというわけで。


でも今日のためにもう眠らないと。もういっぱい温かい飲み物を飲んで眠ろうと思う。今週も頑張ろう。おやすみなさい。


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