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孤独のグルメのわさび丼

noteの「Congratulations」という通知はどういうアルゴリズムになっているのかを知りたい私です。どうもこんにちは。何事も素直に喜ばない天邪鬼です。

YouTubeで「孤独のグルメ」が無料配信されていたので、新シリーズでも始まるのかと思ったら、7月から放映開始みたいですね。
コロナ禍で撮影も大変だったろうに。どうもお疲れさんです。

日本のテレビドラマはほとんど興味のない私ですが、孤独のグルメだけはアマプラなどのネット配信サービスで見ることがあります。
このドラマ、何にも考えずにボーッと見るのには最適。
おっさんがただひたすら、飯を食っているだけなので、何かを考える必要がない。

初期のシリーズは、ドラマパートが長めだったけど、最近のシリーズはすぐに腹が減って飯を食いに行ってしまうので、ほとんどドラマパートがない。
これは視聴者の要望なんでしょうね。飯食ってるところをボーッと見たい。そこが趣旨。みんな実にいい趣味してる。

孤独のグルメが当たったあと、似たようなドラマが雨後の筍状態で出てきましたが、結局孤独のグルメを超えたものはない印象ですねぇ。
他のドラマは、この手のドラマの趣旨である飯を食ったときのリアクションが騒々しい、わざとらしい。
要は役者さんは下手だし演出も趣旨を抑えられていない。そういうところが駄目なんだと思います。

決定的に違うのが食べるときの所作。
多くの食関連のドラマでは、食べるときのお芝居は演技としてあまり意識されていないような感じ。つまり、その役者さんの普段の食べ方になっている。
(ぶっちゃけ役者さんでお上品な人は少ない)

たとえば、麺類のものを食べるときに、多くの役者さんは途中で噛みきってしまう。これは口に入れた麺が丼や皿に戻るように見えてしまって非常に汚い。
孤独のグルメの松重さんは、そういう細かいところも計算し、「食事もお芝居」として演じている印象(勝手な推測だけど)。麺類なら大抵は一口で啜りきるし、ご飯やおかずものも一口で食べられる最大量を把握した上で食べている。
なので、見ていて不快感がない。

あとは、変な恋愛要素がないとか、家族の悩み要素がないとか、会社での息苦しさみたいな要素がないとか、真面目に作らないとチープになる要素が悉くないのもいいのでしょう。白けるからね。
新シリーズも割と楽しみだったりします。

×  ×  ×

ま、そんなことはどうでもいいや。
「孤独のグルメ」に登場したお店は、放送後に熱心な視聴者が「聖地巡礼」と称して押し寄せるんですよね。
だから、「おいしそう」と思っても積極的に行くことはありません。

だけど、珍しく行ってみたいなと思ったお店がありました。
それが「わさび丼」を出す「かどや」というお店。
劇中、出てきたわさび丼が実に琴線に触れる感じだったんですよ。
だって、わさび丼の構成要素が、

「わさび」に「おかか」に「ごはん」


だけ。
一件、何の工夫も凝らしていないようにしか見えないのだけど、なんかグッとくる。この何もしていない感。虚飾を取り払った侘び寂び。「わさび」だけにね。うん。うまい!

おやじギャグ 【親〈爺ギャグ】
〔おもに中年男性が〕気の利いたことを言おうとして発する言葉遊び。多くの場合かえって顰蹙(ヒンシュク)を買う。「許してちょうだい」を「許してちょんまげ」という類。
「部長が強烈なーーーを放った」

ー新明解国語辞典 第八版(三省堂)より

そういうわけで、ドラマを見たときから興味津々。
ちょうど近くに行く機会があったので、お邪魔することにしました。

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河津方面から行く場合、なんかものすごいループ橋(有名らしい)を通り過ぎると到着する。看板には、名物はこれしかないのか?と問いたくなるほど見かける「伊豆の踊子」のイラスト。デカデカと書かれた「お食事 かどや」の文字。
かなり目立つので迷うことはない。多分。

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店内に入ると見たことのある景色が!
(そりゃあるよ。ドラマを見てきたんだから)
当然のように色紙とか写真とかも並んでいます。

とりあえず、同じ席を陣取り、わさび丼を発注。
このわさび丼の正しいメニュー名は「生ワサビ付きわさび丼」。

わざわざ「生ワサビ付き」と書いてあるので、生ワサビでないワサビも付いてくるのか?

「生ワサビだけですと原価率の問題で少量のわさびしか提供できませんので、足りない場合はこちらを、、、」

などと囁かれ、チューブわさびを渡されたらどうしようかと身構えていたが、生ワサビだけでした。当たり前か。

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最初にわさびとおろし器を渡されるので、ご飯が来る前にすりおろす。
「の」の字を書くようにおろすといいらしい。
割と疲れる作業。全自動生わさびおろし機が欲しいところ。
全自動卵割り機を紹介したサザエさんならやってくれるかもしれない)

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しばらくすると、ご飯とお漬物が供される。
漬物は、わさび漬けや山菜など4種類。
ご飯の上のおかかは踊ってる。ここにも伊豆の踊子がいる。

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ご飯の中央におろしたばかりのわさびを乗せる。
おかかの上に醤油を回しかける。
わさびに直接醤油をかけると、わさびの風味が飛んでしまうので注意する。
そして、わさびを少しずつ崩しながら食べる。

あぁ。こりゃうまいわ。
不味い要素がないのはわかっていたけど、シンプルさが突き抜けて、素材の良さの相乗効果でガツーンとうまい。

ドラマではおかわりしていたけど、その気持ちはなんとなくわかる。
ご飯がシンプルに進む。ヤバイぐらいに進む。
これは新手の飯の友だ。

飯の友といえば佃煮などがある。
佃煮とかだと砂糖だ醤油だとごちゃごちゃ入れて作らなければ成立しない。
だが、わさびはそれ一本のみ。腕一本で勝負している職人といった感じ。

多分、悪いわさびだとこうはいかない。悪い奴は大抵暴力的。つまりツーンが暴力的すぎて、それはもうむせちゃって食えたものではないはずだ。
この食い方は良いわさびだからこそ初めてできる。腕の良い職人だからこそできる丼なのだ。

そう考えると実に贅沢な一品。
実に胸が躍るではないか。わさび丼はまさに伊豆の踊子だ。

×  ×  ×

かどやさんではランチでわさび丼を頂きました。
でも、おかわりさえしなければ軽く食べられるので、個人的には朝に食べたいご飯だなぁ。と思う次第。

で、よくよく考えてみると、いいわさびが手に入れば再現は割と簡単。
問題は、こちらでは生ワサビなんて中々スーパーには並ばないということ。
まあ、生ワサビを使うことなんてそうそうないから仕方がないか。

と思ったら、散歩先にあるちょっと遠方のスーパーに生ワサビが並んでいるではないか!
しかも680円!安い!買った!

早速、本日の朝ごはんとなりました。
副菜は筑前煮とぬか漬け。

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安いわさびだったけど、まあまあおいしい。
うん。これはやっぱり朝ごはんにピッタリだ。

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