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ガーシー似のやさぐれ坊主がなんか強い妖怪の復活を阻止するお話「第8日の夜」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(571日目)

「第8日の夜」(2021)
キム•テヒョン監督

◆あらすじ
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2500年前、釈迦は人間を苦しめる邪悪な妖怪から「赤い目」と「黒い目」を奪い、それぞれ西の果ての砂漠と東の果ての崖に封印した。そして現代、封印を解かれた「赤い目」は完全復活を遂げるべく、7人の人間に順番に取り憑きながら「黒い目」のもとを目指す。「守る者」の宿命を背負う元僧侶ソナは、復活を阻止するため立ち上がる。一方、街では奇妙な連続変死事件が発生し、刑事キムが捜査に乗り出す。(映画.comより引用)
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実際に存在するかのような伝説を軸にしながら、そこに哲学や宗教学の要素を用いて、「生きるとは?」、「生命とは?」を我々視聴者に訴えかけてくるという非常に見応えがある深い内容でとても面白かったです。

元々は2020年の劇場公開を予定していたそうですが、コロナの影響もあり、翌年の2021年にNetflixでの配信となりました。

壮大なスケールのお話なので大きいスクリーンでも見てみたかったです。(映画.comより引用)

監督•脚本を務めたキム•テヒョン氏は今作が初監督作品となります。キム氏は数年前、就寝中に壁側を向いていたにも関わらず、周囲の様子が鮮明に見えたという経験をしたそうで、その時に「頭の後ろ、髪の毛の間に隠れている黒い眼球」とメモを残しており、このメモのワードから発想を得て、そこに様々な哲学や人文学、ドキュメント番組などから知識や着想を獲て作り上げたそうです。

そういった経緯で作られたからなのか、内容がところどころ複雑というか少々取っ付きづらかったです。

『今作は後編か何かで、前作にあたる作品があるのでは?』と何度も確認してしまうほど、我々視聴者が理解している前提で話が進んで行きます。

『舎利容器』、『処女菩薩』、『飛び石』、『薦度』等など
初耳ワードが飛び交うものの、全体的に説明も少ないでので分からないままのことが多いです。内容をしっかり理解したい方は視聴前に解説や考察を読んでおいた方が良いかもしれません。

私は視聴後に解説を読むまで登場人物の関係性や用語は半分くらいしか理解できていませんでしたが、それでもかなり楽しめました。

そこまでしっかり見るつもりじゃないよと言う方は

『ガーシー似のやさぐれ坊主がなんか強い妖怪の復活を阻止するお話』

とだけ覚えておけば全然大丈夫だと思います。
現在Netflixでのみ配信中です。

Filmarksより引用

◇2500年前、強大な力を持つ妖怪は釈迦によって黒い目と赤い目をくり抜かれ、それぞれ別の場所に封印された。しかし時は2005年、金剛経の伝説を研究し続けているキム教授がパキスタンの砂漠にて赤い目が封印された舎利容器を発見し、学会で発表する。しかし容器が2500年前のものとは断定されず、捏造の疑惑をかけられたキム教授は地位も名誉も失ってしまう。それから14年後、キム教授は伝説を証明するために赤い目を復活させる儀式を断行。

時を同じくして、プク山の北山庵のハジョン僧侶は赤い目の復活に気づき、弟子のチョンソクにソナを探せと命を出す。とある事がきっかけで、霊を薦度(死者の霊魂を極楽に導くこと)する宿命を放棄したまま暮らす元僧侶•ソナとチョンソクは妖怪が復活するまでに踏まなければいけない7つの飛び石のうち、唯一手がかりのある1つを探す旅に出る。

一方その頃、付近の街では変死体が発見される猟奇事件が多発していた…

といったあらすじなんですけども、やっぱり難しいですね。

しかもここからさらに登場人物が増えるし、関係性も複雑になっていきます。スケールも大きいし、迫力もあってすごく面白いので2作に分けてもう少し丁寧に描くとかもありだったのではと思ってしまいます。

主人公の元僧侶•ソナ(cinemarche.netより引用)

前述しましたが、細かい部分を理解していないと中々に取っ付きにくいです。なので最低限抑えておいた方がより面白くなる要素を2つほど解説していきたいと思います。

◇なぜ8日なのか

タイトルにもなっているこの『8日』。8日経過すると妖怪が復活するわけなんですけども、なぜ8日なのかは一切説明がありません。じゃあ、別に7日でも9日でもいいんじゃんと思うところではありますが、ちゃんと理由があります。 

『8』を横にすると『∞』になります。これは仏教において完全、不滅、生まれ変わりといった意味があり、さらには『無間地獄』とも言われているそうです。真っ暗闇の中で永遠にもがき苦しみ続けるこの無間地獄は捏造疑惑で全てを失ったキム教授の状態を表しているようです。

ハジョン僧侶の「存在するが目には見えない。倒せないが復活を止めることはできる。」というセリフにも大きなヒントが隠されています。(cinemarche.netより引用)

◇飛び石とは

2500年前に釈迦によってくり抜かれた妖怪の目のうち、赤い目の方は一度は逃走に成功。1日一人の人間に取り憑いて逃走を続け7日が経過。8日目に自分が逃げてきた道を振り返ると、自分が取り憑いてきた7人の人間は仏へと続く飛び石だったことに気づき、観念した捕まったという経緯があります。

キム教授によって封印が解かれた赤い目は作中で7人の人間に取り憑きながら、復活を目指していました。6人目までは煩悩に支配されるレベルの弱い人間に取り憑いていましたが、7人目は舎利容器を守るために代々伝承された霊媒師が待ち構えているため、そう安々とは復活できませんよということらしいです。ですが、いくら修行を積んだ人間であろうと、いざ死に直面すると簡単に寝返ってしまうため、人間の弱さの本質に触れているそうです。

修行僧•チョンソクとヒロインのエランも良い味出してました。(cinemarche.netより引用)

まとめるにあたり、こちらのサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

改めて解説を読んでもやっぱり小難しいです。

上下巻ある小説を2時間に無理やりまとめた感があり、勿体無いと感じる部分もありましたが、恐怖の演出やグロ描写は相当クオリティが高くてかなり面白い作品だと思います。

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