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そのタイトルはまずいって… 拷問!舌切!腋削ぎ!悪夢のカニバルクライムホラー日本上陸!「Kfc」現在上映中【ホラー映画を毎日観るナレーター】(597日目)

「Kfc」(2016)
レ•ビン•ザン監督

◆あらすじ
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ベトナム·ハノイを舞台に救急車で人間狩りにいそしむ医師、人肉中毒のその息子、医師の犠牲になった売春婦の娘らが狂気と復讐の連鎖に陥っていく様を、容赦ないゴア描写と共に描いた衝撃のカニバルリベンジ·ホラー。(公式サイトより引用)
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公式サイト↓

以前よりSNSなどで局所的に話題となっていたベトナム発のカニバリズムホラーです。

2016年に製作された作品で、日本では2024年の7月20日より渋谷のイメージフォーラムで上映開始。今後は各地で上映が予定されているそうです。ちなみにR18です。

『監督を務めたレ・ビン・ザン氏は大学の卒業制作として今作を手掛けたらしく、そのあまりにグロテスクな内容に大学側もドン引き。卒業制作としては認められず、レ・ビン・ザン氏は退学処分を受けてしまい、完成後も母国ベトナムでは公開不可となっている。』

というふうに

どの映画サイトの紹介文を読んでも『レ・ビン・ザン氏が如何にぶっ飛んでいるか』そして『今作が如何にいわく付きか』というところにフォーカスを当てており、レ・ビン・ザン氏側のコメントや主張などはまったく掲載されておらず、なんだか一方的だなぁとも思っておりました。

そんな折、現在上映中の渋谷•イメージフォーラムのロビーに監督のインタビュー記事が掲載されておりまして、

『ベトナムで上映禁止状態というわけではありません。審査を受けていないので一般公開ができないだけで、有志を集めた地下上映会は定期的に開いています。』(インタビュー記事より一部抜粋)

とのことです。

どちらの主張が正しいのかは定かではありませんが、どちから一方の意見だけを聞いて判断するのはいささか時期尚早かもしれません。

見終わったあとはケ◯タッキーが食べたくなります。
(映画.comより引用)

ちなみにレ・ビン・ザン監督は近々映画制作を辞めて、自転車に乗って遠くへ行き、その土地土地で働いてお金を稼いで生活したいそうです。そしてプロジェクターだけは持って行って、辺境の地で青空上映会を開いたりしながら、50歳を迎えたら死のうと思っているとのことです。

後述しますがあれだけ凄まじい映画を作られるのですから、そう言わずにこれからもセンセーショナルな作品を撮っていただきたいものですが、こればっかりは本人の意思なので我々外野がとやかく言うものではないですね。

映画.comより引用

他の方の感想を見てみると「時系列が行ったり来たりして分かりづらい」「セリフが少なすぎてストーリーが分からない」等の意見が多く見受けられました。確かにこの「時系列が分かりづらい」「視聴者に色々と委ねすぎ」の2点で少々損をしているように感じました。

時系列に関しては序盤で断片的に別々の軸の話を見せて、中盤からそれぞれの話が繋がり、そこからさらに発展していきます。

この構成の仕組みが理解できれば、まったく問題なく見ることができます。ちなみにレ・ビン・ザン監督はタランティーノ監督作品を全て鑑賞しているらしく、そのタランティーノ節とも言うべき独特な構成、時間軸の妙に関してはかなり影響を受けているのかもしれません。

この構成自体は我流で多少粗く感じるものの、そこまで気になりませんでした。

素晴らしい表情ですね。(映画.comより引用)

しかしもう一つの問題である「視聴者に色々と委ねすぎ」に関しては私も少し引っかかりました。

全編に渡りセリフが極端に少なく、視聴者が想像して補う部分があまりにも多く、常に「あれがこうなって、だからこういうふうになって、それであのコは兄貴を殺そうとして~」みたいに考えながら見なければならずいささか疲れました。おそらく一回で完全にストーリーを理解することは難しく、ネタバレや他の方の考察を読んでもう一回見に行くと理解は深まると思います。

これは完全に私の個人的な意見ですが、別にファンでもない監督のゴア描写を売りにしている映画を軽い気持ちで見にいったのにこれだけ色々と委ねられてしまうと、大半のお客さんは気持ちが離れてしまうのではないでしょうか。ここに関しては視聴者に任せすぎだなと感じました。

私は「哭非/THE SADNESS」のようなえげつないゴア描写を楽しみに見に行きましたが、思っていたよりもそういったシーンはそこまで多くなく、どちらかというと『人肉中毒の医師とその息子、そしてその医師に命を奪われた売春婦の子ども(兄妹)らの奇妙な絆、そして復讐劇』を描いており、クライムホラーに近いように感じました。

妹はほとんど喋りませんが存在感が凄いです。
(映画.comより引用)

カニバリズムに関してもそれを異常者として描くのではなく「その人にとっての日常」として表現しており、決して「どう?グロいでしょ?」みたいな浅いところではやっていないと思います。

もちろんゴア描写の一つ一つは相当クオリティが高く、殺人、拷問、タバコ押し付け、歯ぶっこ抜き、舌切、大量の虫、死姦、人肉食、腋削ぎ、放火、まるごと茹でるetc…と凄まじい映像のオンパレードで、人肉を貪る時の気色の悪い咀嚼音とともに脳に刻み込まれます。

人肉中毒の医師が一番やばかったです。
(映画.comより引用)

評価は低めですが、あまりそこで判断しないほうが良いと思います。百聞は一見にしかずなので怖いもの見たさでぜひ映画館に足を運んでみてください。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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