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怒涛の勢いとテンポで笑い続ける50分!中元監督のファンになりました!「はらわたマン」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(580日目)

「はらわたマン」(2019)
中元雄監督

◆あらすじ
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人里離れた郊外の廃工場にやってきた、小さな映像制作会社の撮影クルーたち。低予算映画ながら雰囲気のある大きな廃工場でのロケが実現し、意気揚々とする一同は、順調に撮影を進めていくが、実はその廃工場には、人のはらわたを集める猟奇殺人鬼「はらわたマン」が眠っていた。眠りから覚めたはらわたマンは、ひとりまたひとりと撮影クルーを血祭りにあげていき……。(映画.comより引用)
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公式サイト↓

先日視聴した「いけにえマン」と同時上映された作品で、時系列には「いけにえマン」のその後のお話となっております。

「いけにえマン」は発想が非常に面白く、また随所に往年の名作ホラーのオマージュを感じられる作りになっておりとても面白かったです。

楽しそうで何よりです。画像は「いけにえマン」より
(映画.conより引用)

そして今作「はらわたマン」もそれに引けを取らない抜群の完成度を誇り、絶対にありえないような無茶苦茶な展開をテンポの良さと勢いで乗り切り、『気付いた頃にはエンディング』という理想の終わり方ですごく面白かったです。

今回もまた例によって、あらすじは実際の内容とは異なりますがそこがまた面白いですし、「やってんな」と笑わせてくれます。

尺自体も前作とほぼ同じの45分程で、作品のテイスト的にもそれくらいがちょうど良いんだと思います。変に引き伸ばしたりするとどうしても間延びしてしまいますので、スパッと気持ちのいい尺で終わらせてしまうところに中元監督のセンスと判断力の高さを感じられます。

現在アマゾンプライムにて330円でレンタル可能です。

レトロ調なデザインも素敵ですし、どこかで見たことがあるような文言の数々もホラー映画ファンなら堪らないですね。
(映画.comより引用)

ネタバレを読んだ後だと面白さが半減してしまうかもなので、もしあれだったら鑑賞後に読んだ方がいいかもしれないです。


◇「いけにえマン」撮影時、幾多のハプニングを乗り越えて、ひと回りもふた周りも成長したサイトーやナミエは立派な先輩となり、後輩たちとともに新たに映画を撮りながらも将来どうするのかという現実を直視せねばならない時期でもあった。そんなある日、優秀すぎる新入生ナナミとともに廃工場での撮影にやってきた一同は、そこで別の映像制作会社の撮影クルーと出会う。

という導入から

新入りバイトと勘違いされたナミエとナナミが「これは現場を知るチャンス」と思い、バイトのふりをして撮影に参加したところ、なんとその撮影クルーは殺人の様子を映像に収めて販売するヤバい製作会社だった。新入りバイトでないことがバレたナミエたちは彼らから命を狙われるハメになり…

といった感じで、今回は『映像製作の道に進むべきか悩みナミエ』『役者•カメラ•監督となんでもこなせる優秀な後輩•ナナミ』の2人を軸に物語を展開させています。

ナミエ(右から二番目)はみんなのまとめ役です。
(映画.comより引用)
ナナミはTHE•ヒロインという感じで、お調子者のヤスダも浮かれてしまいます。(映画.comより引用)

特にナミエは前作ではそこまで出番が多くなかったんですけども、今作では『何でも出来てしまうナナミと出会ったことで自信を無くし、自分なんかが映像業界に飛び込んでいいものかと悩む等身大の女性』を見事なまでに演じており、“後半の覚醒”からの“卒業後に選んだ道”までしっかり描かれておりとても良かったです。

『たまたま出会った撮影クルーが殺人を映像に収めて販売するヤバい製作会社だった』という物語の肝の部分は前作の『食人カルトサークル』よりスケールアップしており、現実味も増していて面白いですし、色々話も進めやすそうだなと思いました。

激ヤバ制作会社の面々
監督の大迫さん(左から2番目)は白石晃士監督の「コワすぎ!」シリーズの工藤役でもおなじみです。
(映画.comより引用)

中盤はまた例によって『すれ違いコント』のような心地よさもありつつ、しっかりと製作会社のヤバさもしっかり描いているため後半の怒涛の展開にしっかりと繋がってきます。

そしてその後半は、もう本当にめちゃくちゃ勢いで突き進んでおり、ナナミが殺されたと勘違いしたナミエたちが武器を手に、怒りのパワーで殺人撮影クルーたちを血祭りに上げていくという風に展開します。

殺人鬼も雰囲気たっぷりです。(映画.comより引用)

前作を上回るカオスっぷりはぜひともご自身の目でお確かめください!本当に本当に面白いので!!

また、そのナミエたちの逆襲の様子は撮影クルーたちが設置していたカメラに全て収まっており、それを「はらわたマン」という映画として完成させたというわけです。なので本来は『撮影クルーを撃退したナミエたち』という構図なわけですが、それを『猟奇殺人鬼(ナミエ)に襲われた撮影クルー』という視点からのあらすじの映画にしたわけです。

ナミエたちの後輩
お調子者のヤスダ(画像右から2番目)もいい仕事してます。
(映画.comより引用)

エンディングでは一般企業で働くサイトーとユメミ、そして映像製作会社で頑張るナミエらが近況報告をしながら酒を飲むというなんともエモい素敵な終わり方をします。

2日に渡り中元監督作品を見たことで完全にファンになりました。なもんで、同監督の「先生!口裂け女です!」(’23)や「スマホ拾っただけなのに」(’19)もレンタルできるようなので近々見てみようと思います。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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