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卑猥なセリフのオンパレード!ここまでしつこいと流石に笑う!「エクスタシー•オブ・ザ・デッド」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(541日目)

「エクスタシー•オブ・ザ・デッド」(2016) 
アンディ•エドワード監督

◆あらすじ 
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イギリスでゾンビ感染が蔓延。警察は厳重な警戒体制を敷くも、人々は対策マニュアルを手に暮らす日常に慣れつつあった。そんななか、ティーンエイジャーのアレックスは親友のアズ、ジムを連れ、姉のリズとその友人ザラが潜む魅惑の楽園イビザ島へ旅立つ。尻軽女たちをナンパしまくる計画だったが、何故か元カノ・エリーも同行することに。初日の夜、早速街に繰り出した三人は魅力的な店員に惹かれあるバーに入店するが、そこで目にしたのは鎖につながれたゾンビたちの姿だった。オーナーのカールは店員や踊り子たちをゾンビ化させ、見世物にしていたのだ。他の客たち同様ゾンビ・ショーを楽しもうとする三人だったが、ジムがゾンビに酒を飲ませたことでゾンビが暴れだし、あっという間に島は阿鼻叫喚の世界へと姿を変える。三人はエリー、リズ、ザラとともに島からの脱出を試みるのだが、果たして!?(DMMTVより引用)
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ゾンビ映画としては結構微妙な部類だと思うんですが、中々にくだらなくて個人的にはかなり楽しめました。

◇60年代に旋風を起こした『死霊の盆踊り』が現代に蘇った!酒池肉林の桃源郷がゾンビどもで溢れかえる!!エロ・バカ・ゲスの新感覚黙示録。
不朽の名作『ショーン・オブ・ザ・デッド』×大ヒットコメディ『ゾンビランド』、そこに青春コメディ『世界の果てまでヒャッハー!』をもぶち込んだ、傑作爆笑お色気ゾンビ・ムービー!!(curiouscope.co.jpより引用)

という公式の煽り文句が非常に魅力的で、これを読んだら「よし!見てみるか!」となってしまいます。特に『エロ・バカ・ゲスの新感覚黙示録』というパワーワードにはセンスを感じざるを得ません。

 英フライトフェスト映画祭、西シッチェス映画祭、米テルルライド・ホラー映画祭などの映画祭にもかけられていますが、特に賞を取ったとかそういうわけではなさそうです。

現在DMMTVにて配信中の他、アマゾンプライム等でもレンタルが可能です。

amazonより引用

ちなみにまったく同じタイトルの作品も存在します。

こちらもかなりのB級感が漂ってますね。
(Filmarksより引用)

◇ゾンビ感染が蔓延しているイギリス。しかし政府が発行した対策マニュアルを手に暮らす人々はゾンビがいる日常に慣れてしまっていた。主人公アレックスは友人や姉らと共に魅惑の楽園•イビザ島を訪れる。ゾンビを見世物にしている怪しいクラブで悪ノリしたジムのせいでゾンビが暴れ出し、たちまち島中にゾンビが蔓延してしまう。一行は無事に島から脱出できるのか…

といった感じでもちろんゾンビ映画なんですが、見所はゾンビではありません。
ちなみに“ゾンビのいる日常に慣れてしまう”という状況は“コロナへの危機感が薄れていった人々”を表しているかのようですね。この作品が発表されたのは2016年なのでもしかしたらものすごい先見の明があるのかもしれません。

一応、ゾンビに関しては動きが遅く知能が低いオーソドックスなタイプです。

(【エクスタシー•オブ・ザ・デッド】予告YouTubeより引用)

正直なところ、お世辞にもクオリティが高いとは言えません。更には予算の都合なのか数も少なく、そもそもゾンビ相手の戦闘描写も限られているため、オマケ程度に思って見たほうが良いかもしれません。

そして、今作の見所は兎にも角にも下ネタの多さです。嫌いな人は本当に嫌いだと思いますが個人的にはかなりハマりました。

厳密に言えば、下ネタというか卑猥なセリフが多い今作ですが、その全ての下品を背負っているのがジムです。

ジム
(【エクスタシー•オブ・ザ・デッド】予告YouTubeより引用)

主人公アレックスの友人で、イビザ島で童貞を捨てると息巻いてる典型的なコメディポジションです。

いきなりプールに飛び込み、女の子に水しぶきを飛ばして「もう二人の女の子を濡らしてやったぜ」とか、誰も自分の誘いに乗ってくれない時は「白人女優のポルノでオナニーしてやる」とか、アレックスの姉•リズとイイ感じになった時は「君は偉そうな巨乳女だ。胸も責任も大きいな」など

呼吸をするかのように異性がドン引きするような言葉を口にします。

意外と友達思いの良いヤツですし、ゾンビの恐怖からアレックスの姉•リズに対して『自身の卑猥な発言は全て自信の無さの裏返しであること』をカミングアウトするなどしおらしい一面を見せるなど一番人間味があります。
他の登場人物のキャラが薄めなのも相まって、このジムだけやたらキャラ濃いめで印象に残ります。

女性陣も非常にお美しかったです。
(【エクスタシー•オブ・ザ・デッド】予告YouTubeより引用)

展開的にはイマイチ盛り上がりに欠けるというか、ここが見せ場!ここがクライマックス!みたいなシーンはあるにはあるんですが正直、微妙です。

監督も脚本もアンディ•エドワード氏が担当しており、下品なセリフや展開の多さから、おそらくコメディテイストの作品の方が得意なんだと思います。なのでどうせなら各方面から怒られるくらいの下ネタやパロディネタを織り混ぜたおバカゾンビ映画にしたほうが良かったのではないでしょうか。

コメディや下ネタを売りにしている割には少々中途半端でした。

左からアレックス、ジム、アズ
(【エクスタシー•オブ・ザ・デッド】予告YouTubeより引用)

ですが、ラストの展開はかなり面白く

◇ゾンビ化したリズとキスをしたことで自身もゾンビウイルスに感染したと思い込んだジムは脱出用のボートには乗らず、皆に別れを告げます。しかし、マニュアルをよく読んでみると“唾液では感染しない”としっかり明記されていました。慌てて海岸に戻るもすでに皆の乗ったボートは見えなくなっていた…

という感じで、冒頭で少し触れていたマニュアルを最後の最後でもう一回登場させるのは中々に上手いなと思いました。

元凶であるクラブのオーナー•カールは拳銃型のライターと間違えて、本物の銃でタバコに火を付けようとして自身の頭を撃ち抜いて死亡するというなんともおバカな最後で面白かったです。

全体通してホラーというよりかはコメディとして見るのが正解の作品ではありますが、見て損はないと思います。

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