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2020.10.09 Base Ball Bear『LIVE IN LIVE〜IN YOUR HOME,TAKE C3〜』で次の旅を思う

ベボベ、8月のGARAGE、9月のフルカワユタカとのセッションを経た10月の配信ライブは今年1月にリリースされたっきり、生演奏の機会を失っていたアルバム『C3』の完全再現。Swipe Videoなるマルチアングル映像用に数十台のカメラがひしめき合うスタジオの中で3人は演奏。ベボベにとってスタジオライブ自体がなかなか見れないものだし、向かい合うセッティングは新鮮。

8月のライブではかなり試行錯誤をしている様子が映し出されていたが、9月はスタジオセッションだったこともあってか幾分手慣れた印象。ただヘッドホンをつけていることで耳に大量の汗をかく、通称:耳汁に小出祐介(Vo/Gt)と関根史織(Ba)が悩まされ続けていた。堀之内大介はひとりイヤモニを使用していたためそこは解消されていつも通りの快活さを見せていた。そんなトラブルもありつつ、演奏は堅実で安定感たっぷり。「試される」「いまは僕の目を見て」といった、比較的ライブでやり慣れた曲はその呼吸を確かめ直すように、「L.I.L」を始めとするほぼ未披露な楽曲たちは現場に持っていかれるまでのドキュメントを見ているような、安心と新鮮が交互に現れるような1時間。観客席に向かってプレイするとは違う演奏の味になっていたと思う。

アルバムの中、というよりもベボベ史上でも屈指の異端曲「EIGHT BEAT詩」の初披露はだいぶ熱狂した。3人でここまでやれる?っていうのを突き詰めている今のベボベだけど、関根の弾くチャップマンスティックにウワモノは任せて小出はラップに徹するという画を観ることになるとは。めちゃくちゃ前代未聞のステージングなんだけど、ベボベならやるよなぁ!って思わせてくれる。こいちゃんがラップする時の手のさばき方はRHYMESTERを足して2で割った感じでこういうふとした瞬間にルーツ出るんだなぁ!と思ったり。

あとはやっぱりラスト2曲がどえらく感動的で。「Cross Words」は丁寧に演奏を組み立ている様をしっかりと感じ取れる音に仕上がっていた。これくらい分離がいい音で聴くとよりその繊細な編曲を味わうことができる。そして「風来」。ツアーソングとも呼べるような曲だし、現場でこそグッとくる曲だと思っていたのだけど、こうやって誰もがライブを願っている状況下にもすごく刺さった。この演奏を観た先で、実際に対面で聴く「風来」、いったいどんな気分になるんだろうか。『C3』のツアーを心待ちにしている。

僕はSwipe Videoでは観なかったのだけど、通常版でも様々な角度からの映像編集がされいてとても見ごたえあった。これくらいしっかりと演奏をエンターテイメントとして見せることができるバンドならば、角度を変えて撮影することそれ自体が工夫ある演出になっている。ホリ君は完全にカメラ目線を習得していたし、あるもので遊ぶ精神が根付いているバンドだなぁと。

<setlist>
1.試される
2.いまは僕の目を見て
3.Flame
4.Summer Melt
5.L.I.L.
6.EIGHT BEAT詩
7.セプテンバー・ステップス
8.PARK
9.Grape Juice
10.ポラリス
11.Cross Words
12.風来


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