
縦と横でつながるデザイン組織
皆さんの会社ではどのようにデザインを行っていますでしょうか?どのような体制でしょうか?事業の内容や会社の規模によってその形は様々かと思います。ここではマネーフォワードのデザイン組織についてご紹介します。
集権型と分権型
一般的に事業会社のデザイン体制は集権型、分権型の大きく2つのパターンに分かれます。

集権型とは、事業部と並列するようにデザイン部門を設置する方法で、デザイナーはセントラルなグループに所属し、プロジェクトごとに各事業部に派遣される形になります。デザインの方向性を全社的に統一しやすいというメリットがあります。
一方の分権型は各事業部の中にデザイン部門を設置する方法で、各デザイナーは専属的にデザインを行います。デザイナーが事業に対する解像度を高めやすい、ビジネスサイドやエンジニアとの連携がスムーズになるといったメリットがあります。マネーフォワードのデザイン組織は、この分権型をベースにしています。マネーフォワードの事業はtoC、toBと多岐にわたり、また「User Focus」というバリューを大切にしていますので、こちらの方がよりユーザーに近く専門性を持ってデザインを行うことができるからです。

分権型にはデメリットもあります。それは縦に組織を切っていくので、横の連携が弱くなるということです。事業が増え、デザイン部門が増えるごとにデザインのブレは生じやすくなります。マネーフォワードの各プロダクトは、単体で機能するだけではなく連携しますし、「マネーフォワード ME」や「マネーフォワード クラウド」といったように、マネーフォワード○○に名称を統一する、いわゆるマスターブランド戦略を採用しています。統一したブランド体験を提供していく上で、分権型には乗り越えなくてはいけない課題があります。
そこでマネーフォワードでは、分権型をベースにしながら、各デザイン部門の代表者が集まる横断組織としてデザイン戦略室を設置し、横の連携を強めています。分権型でフラットでありながら、横断的に連携する。それがマネーフォワードのデザイン組織の特徴です。それでは、各デザイン部について見てみましょう。

Money Forward Business デザイン部
デザイン部の中でも最も大きなグループです。クラウド会計やクラウド給与など、バックオフィスの効率化を実現する「マネーフォワード クラウド」の各プロダクトを担当しています。業務知識への深い理解が必要で、簿記の資格を持っているメンバーも多いです。UXからUIまで、一貫してデザインを行えるメンバーが中心となっています。
toBプロダクトのデザインというとカタいイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、「仕事が楽しい」をつくる、というミッションを掲げ、業務課題を解決するだけではなく、仕事を通じて、ユーザーの人生を豊かでワクワクするような体験にすることを目指しています。
所属デザイナー:Takeshi Inotsume、Satoru Kawahara、Nana Matsunaga、いなげ、Atsuya.Katakura ほか
Money Forward Home デザイン部
マネーフォワードの原点であるプロダクト「マネーフォワード ME」を中心に、くらしの経済メディア「MONEY PLUS」など、toCプロダクトのデザインを行っています。利用者数1000万人を超えるプロダクトを抱え、最もダイナミックにユーザーとの関わりを感じられるグループです。
事業戦略からデザイナーが関わっており、お金の課題を解決するという機能的な価値だけではなく、情緒的な価値(お金を通じて楽しくなるような体験)の提供を目指しています。
Money Forward X デザイン部
金融機関さんとともに新しい金融体験をデザインするグループです。「Money Forward Service Design」というデザインプロセスにより、クライアントとの共創によって時代の最先端を行くようなサービスを生み出します。事業会社でありながら、社外の方々と多様な取り組みが行えるユニークな環境です。UXとUIのチームから構成されており、それぞれ専門性を持ちながらデザインを行っています。
所属デザイナー:Nice、Toshiya Sasaki、ちゅうさん、Yososhi ほか
デザイン戦略室
各デザイン部を横断的につなぐグループです。各デザイン部のマネージャーを中心に構成されています。中長期的、全社的な視点から、デザイン組織の強化、プロダクトデザイン品質の向上、ブランディングの全体最適を行います。
所属デザイナー:セルジオ ほか
マネーフォワードのデザイン組織についてご紹介しました。まだまだ発展途上ですが、分権型をベースに、フラットで各デザイナーが自律的に活躍できる環境を目指しています。各デザイン部では仲間も募集していますので、興味を持っていただける方がいましたら是非ご連絡いただけると嬉しいです