【SC】セキスペの時間配分・問題の選び方(情報処理安全確保支援士試験)
このNoteでは、セキスペ午後問題の時間配分と選び方を提案します。
時間配分:1問を65±5分
選び方:問題/設問構成の評価方法
他にも新SCになってから感じた「問題の選び直し」と「2つの新傾向(無制限作文・Linux)」についても書きました。
過去問演習をしっかりすれば、本試験では計画通りの時間枠で、想定通りの問題選びができ、得点再現性がぐっと高まります。
逆にいえば、方針がない/ぶれぶれでは、せっかく時間と手間を掛けた勉強が全て水の泡になってしまいます。
応用情報技術者試験での時間配分や選び方をベースにしています。
>APの時間配分
>APの問題の選び方
このNoteは、私が独学合格した経験と、IT専門学校での授業のノウハウで書いています。合格のお手伝いに少しでもなったら嬉しいです。
それでは始めましょう!
時間配分 | 65分解きが基本
方針は機械的に、かつ余裕を持って設定します。
その場対応では、却って「時間管理を考える手間」が増えてむしろ不利ですよ。
さて、新SC午後は、2時間30分。150分。
まずはAPと同じように、解き以外を差し引きます。>APの時間配分
5分:記名とマーク。2回は確認する
5分:問題選び。選んだ問題をすぐマーク
10分:試験終了前の最終確認
合計20分。
「余裕持ちすぎだろ」と思うかもですが、ひとまずこれで行きましょう。本試験中で少しだけ割り当て直せば良いので。
残り130分を解きに割り当てます。150÷2で65。1問65分。
気分的には60分にしたいですが、解いた感じ60分はキビシイです。私がかなり急いで浅く解いて60分。5分って大事です。
本試験のような集中力で、全ての問題に取り組み、得点を狙うなら60分は現実的ではありません。正答精度を上げて、安全な合格圏へ到達するためには、65分は必要です。
一方で多めに70分とすると、2問で140分なので、残り10分で記入・問題選び・最終確認をするので、てんやわんやと慌てて意味がありません。
さらに記名や確認がスムーズにいけば5分間ぐらい演出できるでしょう。65分70分、60分80分も可能。(でも80分はやりすぎかなぁ)
まずは、目標65分で全部の問題に取り組めるよう訓練をしてください。
問題選び | 短い時間で決意を固める
問題の選び方は、APでもSCでも同じです。
ただし、APより問題は長いですし、新SCならではの傾向もあるので、少しアレンジをしました。
APについて気が向いたら以下も参考にしてくださいね。
問題選びに5分「掛けない」
問題は、4問から「たった」2問選べば良いので、APほど問題選びに時間はかからないかもしれません。
5分も使わず選んでもOKですよ。
また新SCは癖が強くなりました。地雷問題だった時に選び直し、時間がかかることもあり得ます。慌てる必要もありませんが、のんびりする時間もありません。
淡々と手早く正確にいきましょう。
問題の選び方 | 1問切り1問優先して1問選ぶ
4問なので1問切っちゃえば、残り3問から選べば良くなり手間が省けます。
私は以下の方針で、実質2問から1問選ぶだけにして合格しました。
PGの1問を選ばない
NWの1問を優先して選ぶ
残り1問を問題文構成/設問構成から選ぶ
多少決め打ちになっても良いです。
APでは選択肢が多かったので、柔軟性を残したり、得意問題を切ったりする勇気は必要でした。
しかしSCは4問中2問選ぶので、選択肢は多くありません。
また、問題選びを放棄して「必ず選ぶ」だとキケンですが、問題選びをして優先順位通りに選ぶことに何ら問題はありません。
では、私の3つの方針を1つずつ紹介しますね。
ですが「解けないからと逃げた」わけではありません。旧SCを10問以上解いて決めた方針です。
旧SC時代に全部解きましたが、毎回テーマも違いますし、プログラム言語すら違いました。
たしかに復習すると「なるほどな」と分かり「勉強」にはなります。しかし、本試験の初見で得点する再現性はないと判断しました。
過去問を解いて勉強になるのは良いことです。どんどん解きましょう。
しかし本試験で選ぶのは得点が取れる問題。
合格に必要なのは最終的には得点再現性です。
PGを切る個人的な思想も書かせてください。
私はPGを独学習得して研究や仕事で使ってきたのですが、「PCでできることはPCでやれば良い」と思っています。
また、問題文を読んで、私が想像したアルゴリズムと問題(作問者)のアルゴリズムが違った時の修正が大変でした。
勿論設計や机上でトレースすることは大事です。しかし、プログラムは「動けば良い」という考えもあります。
多少、コードがスマートでなくても、計画通りに安全に動けば良いです。そしてプログラムはPCで試行錯誤するものです。
よって私はPGを紙面で解くことに意味を見出せません。
なぜなら「問題の書き方」に「余裕」がないので、いつも同じようなことが書かれるから。
NW問題ではネットワーク図、DB問題ではER図やスキーマが必ず出ますよね。むしろ書かないと、解答者に状況を伝えられません。
一方で、問題全体の頁数はAPなら4~5頁。必ず載せる図表で紙面が消費されるので、早々ガラリ変えた問題は出せないです。
NW問題やDB問題は、作問者からすれば自由度が減り、私たち解答者からすれば問題の安定性・再現度が高まります。
また、ITのセキュリティ問題で、ネットワークの出題ゼロは不可能です。
新SCは4問。1問ぐらいは物理的セキュリティやパソコン単体の問題は作れるでしょう。出さないこともできますね。
しかし4問全てで、ネットワークを一切出さないなんて絶対不可能。
3番目。残り1問の選び方は、次節で詳しく解説します。
問題文の構成を見る | 解き始め・図表
どの問題を解くか選ぶには、問題構成を見ます。
解き始めるまでの頁数を見積もる
図表をパッと見分かるか
表の情報が多すぎないか
解き始めの早さ
私は「問題を解き始めるまでの早さ」を最優先します。
問題文を読んで早く1問目に取り組みたいですからね。
解き始めが遅いと、
もし解けない時に退けない時間になってしまう
覚えておくべき問題文の情報が溜まってパンクしてしまう
よって、問題文で最初に空欄や下線部が出る場所が、何頁目にあるかを見ます。できれば1頁目が理想、遅くても2頁目。
3頁目や4頁目で初登場するなら、解き始めまでにインプットする情報が多すぎて、読み直しが発生して時間が掛かります。自分が得点できる問題かを判断するにも時間が掛かります。
ただし、解き始めるまでの頁数を数える時、図表は抜いて大丈夫です。例えば1頁目の1/3が図だったら、2/3頁とカウントしてます。
表も図と同じでカウントに入れなくて良いのですが、あまりに長い表・文字数が多い表だと、問題文と同じようにカウントします。
この辺りは問題選びを訓練して、自分で手順や基準をアレンジしてくださいね。上図の橙はカウントしないけど、赤色はカウントするイメージ。
設問の構成を見る | 作文・計算・選択肢
問題文から解き易さを、少しは見積れました。
次は設問文も少し見て「解けそうか」「得点できそうか」を見積もります。
かなり見るポイントありますよ。
作文問題の数と文字数
計算問題が解けそうか/芋づる失点
用語問題の失点を呑み込めるか
選択肢の半分以上を知っているか
重要度は作文・選択肢・計算・用語です。
1つずつ見ていきましょう。
作文問題の数と文字数
気になるのは作文の多さですね。
APでは結構逃げられますが、SCなど高度ではもう逃げられません。
文字数制限からざっくり解答の難しさも窺えます。
15~20文字:問題文からほぼ引用
~35文字:問題文からツギハギ
35文字~:少し深めの理解。書き方によって20~30文字と幅がある
50文字~:かなり深い理解、またはノーヒント問題。書き方による開きも多い
無制限:新SCから出てきた厄介者
APや旧SCでは、作文数と文字数で自分に見合った問題を選べていました。
しかし新SCでは基準作りが現状できません。
まだ2回しか実施されてませんから。作文が6問以上でるのは当たり前、下線⑩とかになることもあるようで困ってます。
計算問題の「芋づる失点」に注意
全然分からなそうでないかを確認するだけでOKです。大抵は大した問題ではありません。データ量・攻撃回数・アプリの実行時間などですから。
ただし2問連続している場合、「芋づる失点」しないかは重要。
1問目の答えを2問目で使って計算する場合、1問目の答えを間違えば、2問目の計算方法が正しくても自動的に失点してしまうからです。
用語問題 | 知らなければ失点確実
選択肢だったら消去法などで正答確率を上げられますが、筆記だった場合確実に失点します。
とはいえ「失点が確実だから選ばない」と即決はしません。その失点を呑んででも得点が取れそうか、解きやすい問題か、を含めて判断します。
どんなにテキストや過去問で勉強しても、知らない用語なんて出てきますからね。1~2点のハンデを背負ってでも、選ぶ魅力があれば選びます。
選択肢問題 | 半分以上を知っているか
選択肢問題があるとありがたいですね。
とはいえ、飛びつきません。
また「全て選べ」は完全解答なので、逆に惑わされて失点確率が高まりますね。
少し作問者視点での話もします。
選択肢問題は最悪勘でも正答できますよね。4択であれば1/4、もし絞れれば1/2にもできるかもしれません。これってサービスだと思いませんか?
作問者は、勘で正答できる可能性を呑んでいます。
私は、選択肢問題をわざわざ入れたということは、「問題全体が難しいので、他の問題との不公平さを緩和するために、入れたのでは?」と考えています。
選択肢問題が得点しやすいのはその通りですが、問題全体として難しい可能性もあるので、飛びつかず冷静に判断して下さいね。選択肢問題に部分点はありませんよ。
問題の選び直し | 境界線を決める
問題構成も設問もあくまで「パッと見」。
よって地雷はあり得ます。
見た目良さそうだったのに難しかった。
見た目最悪だったのに意外と正解できた。
旧FE、APの過去問演習や知り合いとの話で経験はないでしょうか。
正直仕方がないことです。
また個人的な話をさせてください。
私は、選び直しをしません。
自分と試験の鍔(つば)迫り合いだと思っています。常に得点を狙っていく攻めの姿勢でないと合格しないと考えています。
一度決めて取り組んだ時間を無駄にして針路変更すると「残り時間で拾えるだけ拾おう」と考えてしまわないでしょうか。
どうしても防戦になってしまい、合格点を超えるのが難しくなります。私はDBで一度、問題文を勘違いして、慌てて取り繕いましたが、不合格になってしまいました。めちゃくちゃ悔しかったです。
問題演習を繰り返してたら、今どれぐらい点数が取れているか、攻め具合が分かるようになります。最後に受験したSMのPMIでは「これぐらいでいいだろう」と手を抜いて通過したぐらいです。
常に攻め抜くことが重要だと、私は考えています。
選び直しの最終境界線は15~20分
私は、問題の選び直しは時間のロスだと考えています。一度自分で見積もって選んだのだから、どんな問題でも解き伏せたいと考えています。
しかし、新SCを解いて「選び直した方が良いかも」という思うことも多くなりました。
本試験で初見で正答できる気がしない地雷問題が多い印象なんです。
旧SCではPMIが3問中2問。私はPGを抜くので2問が確定していました。旧SCのPMIIは2問から1問、PGを抜かす/NWを選ぶ戦略で、すぐに決まりました。
しかし新SCは全4問。PGを切っても3問から2問。1問はNWですが、もう1問で思い悩むことが多くなりました。
そして問題文や設問で選んで解くと、「あれ?全然解けない。難し過ぎる。何言ってるか良く分からない」と感じる場面に多く遭遇。
両方解いてみて「強いて言えばこっちかな」というぐらい、残り2問は地雷でした。
考え改めました。
ただし、行ったり来たりは、厳しいです。
どこかで腹をくくる「時間の境界線」を決めておきましょう。
私は開始20分、できれば15分。これを過ぎれば「この問題で行く!」と心に決めて、何とか6割。悪くても5割を目指します。
その代わり、主力のNW問題を60分で8~10割取れるように過去問演習で徹底的に仕上げておきます。
2つの新しい出題傾向
新SCはまだ2回しか実施されていませんが、2つ気になった傾向があります。
文字数無制限の作文
Linux知識が絡む問題が多い
まだ問題傾向や戦略を練れる状態ではないのですが、警戒しておいた方が良いですね。
文字数無制限作文
新SCになってから、「文字数制限をしない作文問題」が出題されるようになりました。
文字数制限がないので自由に書ける/気にせず書けると思う節もありますが、どれくらい深い解答を求められているのか見当がつきません。
解いて、模範解答を復習した感想は2点
ものすごく難しく具体的な手順を書く
長い問題文をツギハギ引用して書く
こんな解答書けそうですか?>令和6年春午後問3の解説Note
「攻撃者が罠リンクを用意し、管理者にそのリンクを踏ませることで管理者権限のcookieを攻撃者のWebサイトに送信させ、その値を読み取って利用することで管理者としてサイトXにアクセスし、利用者情報を取得する」設問1(2)
「攻撃者が自らのアカウントで取得したcsrf_tokenと
一緒に利用者情報をサイトXに送るように構成した罠フォームに、詐欺メールなどで利用者を誘導して、利用者情報を変更させる」設問2(1)「トークンを発行するURLにPUTメソッドでアクセスしてトークンを入手し、そのトークンをリクエストヘッダに含めて、IMDSのクレデンシャル情報を返すURLにアクセスする」設問4(3)
Linuxが絡む可能性
令和の旧SCから「Linuxが絡んでくる問題」が1問出るような印象が強いです。
知らなくても解けるように、問題文中に説明も多少ありますが、正直気づきません。
SCで出題されたLinux知識をまとめておきましたので、予習や復習にどうぞ。
セキスペ午後問題の勉強法
どうしても旧SCによる過去問演習はしなければなりません。
新SCがまだ2回で、過去問が少ないですからね。
PMIで色んなジャンルに対応できるようになりましょう。
できればジャンルごとに一気に解くと効果的。マルウェアとメールから始めると良いですよ。
最初は時間を気にせず全部の問題を考え抜いてください。
最終的には40分以内で解けるように、速さと正確さを備えてくださいね。
まだ少ないですがPMIの解説Noteを作っておきました。
>SCR05春PMI問2解説Note
>SCR05春PMI問3解説Note
>SCR04秋PMI問2解説Note
>SCR04秋PMI問3解説Note
>SCR04春PMI問2解説Note
>SCR04春PMI問3解説Note
※そのうち有料マガジンに統合するかもしれないので、お早めに。
次はPMII。
150分で1問。新SC午後の2倍ぐらいの量で大変です。新SC午後問題が溜まっていないので仕方がありません。
しかし持久力が着きます。PMIIに慣れれば、新SC午後問題のボリュームがヘッチャラになります。
ウェイトトレーニングだと思って、取り組んでみて下さいね。
新SCの午後問題の解説Noteも準備しました。
3ヶ月間の学習ペースは以下をどうぞ。
まとめ
お疲れ様でした!
本試験で、65分解き&問題選びの方針範囲内になるよう、過去問演習を繰り返し仕上げ、当日の体調管理をしっかりしてくださいね。
このNoteが少しでも、合格のサポートになったら嬉しいです。
APの時間配分や選び方をアレンジしたので、覗いてみても得るものがあるかもしれません。
>APの時間配分
>APの問題の選び方
旧SCではありますが、「私のSC3ヶ月勉強の記録」も参考にしてください。
有料にさせて頂いてますが、試験2ヶ月前までのAMIIの勉強法まで無料になっています。少しでも参考になって、さらに午後問題のノウハウも必要になったら購入を一考して頂ければ嬉しいです。
p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。
でわでわ(・ω・▼)ノシ
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