夕書房

茨城県つくば市を本拠地とするひとり出版社。2017年より人文・芸術書を中心に刊行してい…

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茨城県つくば市を本拠地とするひとり出版社。2017年より人文・芸術書を中心に刊行しています。こちらには連載や新刊にまつわるエッセイ、イベントレポートを掲載します。https://www.sekishobo.com/

マガジン

  • ぼくらの「アメリカ論」

    ぼくらのどこかに、いつも「アメリカ」がある。 高知、神戸、東吉野。文学者、建築家、歴史家。居住地も職業も違う3人が、互いの言葉に刺激されながら自分にとっての「アメリカ」を語る、これまでにないリレーエッセイ連載です。

  • 土着への処方箋 ルチャ・リブロの司書席から

    誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。 ここは、そんな心の刺を打ち明ける相談室です。 奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、キュレーターの青木真兵さんと司書の青木海青子さんが、閲覧室に並ぶ2000冊を超える人文系の図書の中から、あなたのお悩みにぴったりな3冊を処方します。 毎月10日更新。お悩みは info@sekishobo.com へ。

  • 『闘う舞踊団』をめぐる対話 金森穣×田中辰幸

    『闘う舞踊団』の刊行を記念し、2023年3月21日、新潟駅前のMOYORe:で開催された金森穣さんと田中辰幸さんのトークイベントの様子をお届けします。

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    闘う舞踊団/金森穣

    闘う舞踊団金森 穣=著すべてはこの国の劇場文化のために新潟で日本初の劇場専属舞踊団Noism Company Niigataを設立、踊り、創り、率いてきた舞踊家の18年の軌跡。----------17 歳で渡欧、巨匠ベジャールやキリアンの寵愛を受けて帰国した舞踊家・振付家、金森穣が日本で選んだのは、茨の道だった。全国各地に立派な劇場があるのに、なぜ創造・発信をしないのか。日本に真の意味での劇場文化を築くために、創り手として何ができるのか。欧州での10 年間の経験から金森が導き出したのは、「劇場専属舞踊団Noism(ノイズム)」を作り、メソッドを構築して舞踊家を育て、作品を創作し、地方から世界と勝負することだった。2004 年に設立したNoism は、以来、国内外で絶賛され続ける一方で、つねにさまざまな闘いを繰り返していく。劇場専属と集団の美にこだわるゆえの葛藤と行政との衝突。切実な舞踊への愛。何度も存続の危機を乗り越えながら、今ようやく「市の文化政策」となったNoism が目指す、劇場のあるべき姿とは。そして新生Noism の行方は。文化政策関係者、舞踊関係者、ダンサーを志す人はもちろん、現代を生きるすべての人に贈りたい、胸が熱くなる渾身の回顧録!----------Noismをめぐる18年間の闘いの物語は、この国の劇場文化の姿を伝える重要な事例であり、数十年後、あるいは100年後の未来、私やあなたがいなくなった世の中で、その時代を生きる芸術家の役に立つかもしれない。(「はじめに」より)----------[目次]はじめに第Ⅰ部1 舞踊人生のはじまり2 学び多き欧州での一〇年第Ⅱ部3 「劇場専属舞踊団を作らせてください」4 なぜ劇場専属舞踊団が必要か5 苦難のはじまり[Column]Noismサポーターズ6 Noismの身体性を模索する7 試行錯誤から見えてきたもの[Column]海外公演の実際8 舞踊家を育てる9 舞踊団を率いる10 日本の劇場の問題点11 作品・観客・劇場を育む[Column]《劇的舞踊「カルメン」》がもたらした出会い12 暗いトンネルの先に第Ⅲ部13 活動継続の是非が問われて14 コロナ禍の収穫[Column]舞踊家の生き様を写しとる15 文化政策としてのNoism誕生16 バトンを受け取るあなたへあとがき[プロフィール]金森 穣(かなもり・じょう)演出振付家、舞踊家。Noism Company Niigata 芸術総監督。1974年、神奈川県横浜市生まれ。17歳で単身渡欧、モーリス・ベジャール等に師事。ルードラ・ベジャール・ローザンヌ在学中から創作を始め、NDT2在籍中に20歳で演出振付家デビュー。10年間欧州の舞踊団で舞踊家、演出振付家として活躍したのち帰国。03年、初のセルフ・プロデュース公演《no・mad・ic project—7 fragments in memory》で朝日舞台芸術賞を受賞。04年4月、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督に就任し、日本初となる公共劇場専属舞踊団Noism を立ち上げる。革新的な創造性に満ちたカンパニー活動は国内外から高い評価を得ている。平成19年度芸術選奨文部科学大臣賞、平成20年度新潟日報文化賞、第60回毎日芸術賞など、受賞歴多数。令和3年紫綬褒章。(photo:Shoko Matsuhashi)新書版変型/がんだれ製本/264頁978-4-909179-09-8 C0036装幀・組版 佐々木暁2023年1月末刊行
    ¥2,200
    夕書房 seki shobo
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    本が語ること、語らせること/青木海青子 3刷

    本が語ること、語らせること青木海青子=著本を真ん中にすると、自然と心が開放されていく。本に助けられてきた司書が語る、本と図書館と人生のはなし----------奈良県東吉野村に借りた古民家の自宅を「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」として開いて6年。夫・青木真兵とともに、山村にひっそりたたずむこの図書館を運営してきた司書・青木海青子による、初めてのエッセイ集です。人と接するのが苦手で、本という「窓」を持つことで心に明かりを灯してきた著者が、自らの本棚を開放することで気づいたのは、「図書館」の本質的な効用でした。本棚を前に、まるで鎧を脱ぐようにぽつりぽつりと悩みを打ち明け始める人、お互いの新たな面を発見する友人同士、世界とつながる感覚を得る人……。金銭の介在しない「彼岸の図書館」で静かに生まれる知と心の不思議な循環は、読むということ、本がそこにあることの新たな可能性を示唆しています。ルチャ・リブロで日々行われている独自のレファレンスサービスの延長として、身近な人から寄せられた悩みに青木真兵とともに3冊の本で答えた8つの記録[司書席での対話]も収録。本好きな人、日々の生活に頑張りすぎている人にそっと手渡したい、気持ちがほぐれる優しい一冊です。*活版印刷の小さなしおり付き。-------私はルチャ・リブロを開けることを通じて、「閉じた世界に窓をつくろうとしている」のかもしれません。つくろうとしているのは、自分自身のためだけでなく、みんなで一緒に外を眺められる広くて大きな窓です。(本書より)-------[目次]はじめにお元気でしたか窓を待つ司書席での対話1 コロナ禍でリアル会議、どうする?「公」を作る司書席での対話2 「婚活」を始めたけれど謎のおかえし待つのが好き司書席での対話3 働かない夫となぜ暮らしているのか自助を助ける他者を知る仕組みとしての図書館怪獣の名づけと司書席での対話4 自分を語る言葉が見つからない本が語ること、語らせること本に助けられた話1 二冊の絵本本に助けられた話2 「わたしは疲れてへとへとだ。一つの望みも残っていない」司書席での対話5 「趣味」と言われて蔵書構築の森言葉の海に、潜る、浮かぶ司書席での対話6 評価って何?真っ暗闇を歩く七転八倒踊り司書席での対話7 最近、SNSが苦痛です司書席での対話8 自分の考えを持ちたい交差する図書館図書館の扱う時間のはなし本に助けられた話3 貸してもらった本土着への一歩[プロフィール]青木海青子 あおき・みあこ「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」司書。1985年生まれ。大学図書館勤務を経て、夫・真兵とともに奈良県東吉野村にルチャ・リブロを開設。2016年より図書館を営むかたわら、「Aokimiako」の屋号で刺繍等によるアクセサリーや雑貨製作、イラスト制作も行っている。青木真兵との共著に『彼岸の図書館——ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』『山學ノオト2』(エイチアンドエスカンパニー)がある。四六変型/並製/184頁978-4-909179-08-1 C0095装幀・有山達也装画・青木海青子2022年5月初版刊行
    ¥1,870
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    闘う舞踊団/金森穣

    闘う舞踊団金森 穣=著すべてはこの国の劇場文化のために新潟で日本初の劇場専属舞踊団Noism Company Niigataを設立、踊り、創り、率いてきた舞踊家の18年の軌跡。----------17 歳で渡欧、巨匠ベジャールやキリアンの寵愛を受けて帰国した舞踊家・振付家、金森穣が日本で選んだのは、茨の道だった。全国各地に立派な劇場があるのに、なぜ創造・発信をしないのか。日本に真の意味での劇場文化を築くために、創り手として何ができるのか。欧州での10 年間の経験から金森が導き出したのは、「劇場専属舞踊団Noism(ノイズム)」を作り、メソッドを構築して舞踊家を育て、作品を創作し、地方から世界と勝負することだった。2004 年に設立したNoism は、以来、国内外で絶賛され続ける一方で、つねにさまざまな闘いを繰り返していく。劇場専属と集団の美にこだわるゆえの葛藤と行政との衝突。切実な舞踊への愛。何度も存続の危機を乗り越えながら、今ようやく「市の文化政策」となったNoism が目指す、劇場のあるべき姿とは。そして新生Noism の行方は。文化政策関係者、舞踊関係者、ダンサーを志す人はもちろん、現代を生きるすべての人に贈りたい、胸が熱くなる渾身の回顧録!----------Noismをめぐる18年間の闘いの物語は、この国の劇場文化の姿を伝える重要な事例であり、数十年後、あるいは100年後の未来、私やあなたがいなくなった世の中で、その時代を生きる芸術家の役に立つかもしれない。(「はじめに」より)----------[目次]はじめに第Ⅰ部1 舞踊人生のはじまり2 学び多き欧州での一〇年第Ⅱ部3 「劇場専属舞踊団を作らせてください」4 なぜ劇場専属舞踊団が必要か5 苦難のはじまり[Column]Noismサポーターズ6 Noismの身体性を模索する7 試行錯誤から見えてきたもの[Column]海外公演の実際8 舞踊家を育てる9 舞踊団を率いる10 日本の劇場の問題点11 作品・観客・劇場を育む[Column]《劇的舞踊「カルメン」》がもたらした出会い12 暗いトンネルの先に第Ⅲ部13 活動継続の是非が問われて14 コロナ禍の収穫[Column]舞踊家の生き様を写しとる15 文化政策としてのNoism誕生16 バトンを受け取るあなたへあとがき[プロフィール]金森 穣(かなもり・じょう)演出振付家、舞踊家。Noism Company Niigata 芸術総監督。1974年、神奈川県横浜市生まれ。17歳で単身渡欧、モーリス・ベジャール等に師事。ルードラ・ベジャール・ローザンヌ在学中から創作を始め、NDT2在籍中に20歳で演出振付家デビュー。10年間欧州の舞踊団で舞踊家、演出振付家として活躍したのち帰国。03年、初のセルフ・プロデュース公演《no・mad・ic project—7 fragments in memory》で朝日舞台芸術賞を受賞。04年4月、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督に就任し、日本初となる公共劇場専属舞踊団Noism を立ち上げる。革新的な創造性に満ちたカンパニー活動は国内外から高い評価を得ている。平成19年度芸術選奨文部科学大臣賞、平成20年度新潟日報文化賞、第60回毎日芸術賞など、受賞歴多数。令和3年紫綬褒章。(photo:Shoko Matsuhashi)新書版変型/がんだれ製本/264頁978-4-909179-09-8 C0036装幀・組版 佐々木暁2023年1月末刊行
    ¥2,200
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    本が語ること、語らせること/青木海青子 3刷

    本が語ること、語らせること青木海青子=著本を真ん中にすると、自然と心が開放されていく。本に助けられてきた司書が語る、本と図書館と人生のはなし----------奈良県東吉野村に借りた古民家の自宅を「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」として開いて6年。夫・青木真兵とともに、山村にひっそりたたずむこの図書館を運営してきた司書・青木海青子による、初めてのエッセイ集です。人と接するのが苦手で、本という「窓」を持つことで心に明かりを灯してきた著者が、自らの本棚を開放することで気づいたのは、「図書館」の本質的な効用でした。本棚を前に、まるで鎧を脱ぐようにぽつりぽつりと悩みを打ち明け始める人、お互いの新たな面を発見する友人同士、世界とつながる感覚を得る人……。金銭の介在しない「彼岸の図書館」で静かに生まれる知と心の不思議な循環は、読むということ、本がそこにあることの新たな可能性を示唆しています。ルチャ・リブロで日々行われている独自のレファレンスサービスの延長として、身近な人から寄せられた悩みに青木真兵とともに3冊の本で答えた8つの記録[司書席での対話]も収録。本好きな人、日々の生活に頑張りすぎている人にそっと手渡したい、気持ちがほぐれる優しい一冊です。*活版印刷の小さなしおり付き。-------私はルチャ・リブロを開けることを通じて、「閉じた世界に窓をつくろうとしている」のかもしれません。つくろうとしているのは、自分自身のためだけでなく、みんなで一緒に外を眺められる広くて大きな窓です。(本書より)-------[目次]はじめにお元気でしたか窓を待つ司書席での対話1 コロナ禍でリアル会議、どうする?「公」を作る司書席での対話2 「婚活」を始めたけれど謎のおかえし待つのが好き司書席での対話3 働かない夫となぜ暮らしているのか自助を助ける他者を知る仕組みとしての図書館怪獣の名づけと司書席での対話4 自分を語る言葉が見つからない本が語ること、語らせること本に助けられた話1 二冊の絵本本に助けられた話2 「わたしは疲れてへとへとだ。一つの望みも残っていない」司書席での対話5 「趣味」と言われて蔵書構築の森言葉の海に、潜る、浮かぶ司書席での対話6 評価って何?真っ暗闇を歩く七転八倒踊り司書席での対話7 最近、SNSが苦痛です司書席での対話8 自分の考えを持ちたい交差する図書館図書館の扱う時間のはなし本に助けられた話3 貸してもらった本土着への一歩[プロフィール]青木海青子 あおき・みあこ「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」司書。1985年生まれ。大学図書館勤務を経て、夫・真兵とともに奈良県東吉野村にルチャ・リブロを開設。2016年より図書館を営むかたわら、「Aokimiako」の屋号で刺繍等によるアクセサリーや雑貨製作、イラスト制作も行っている。青木真兵との共著に『彼岸の図書館——ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』『山學ノオト2』(エイチアンドエスカンパニー)がある。四六変型/並製/184頁978-4-909179-08-1 C0095装幀・有山達也装画・青木海青子2022年5月初版刊行
    ¥1,870
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5 「アメリカ」をどこから見るべきか 青木真兵

アメリカの重層性僕にとってこのリレーエッセイは、光嶋さんとは違う形だけれども自分のなかに潜む「アメリカ」を探求する旅となる。パンやコーンフレーク、ハンバーガーとともに育った僕は、これらを「アメリカのもの」だと強く意識していたわけではないし、『ジュラシックパーク』や『インディ・ジョーンズ』だって面白い映画だと思って観ていたけれど、「アメリカの映画」としてフランス映画やロシア映画と比較していたわけではなかった。 埼玉県浦和市で育った僕の生活や社会にはアメリカ由来のものが溢れていた

    • 4 「移民国家」アメリカ——「文明人」はどちらなのか 白岩英樹

      早くも2回目の番が回ってきた。とはいっても、手を挙げ、光嶋さん-青木さんとつながってきたバトンを受け取ることを所望したのは、わたし自身だ。そうせずにはおれない自分がいた。その理由は、かつて不可視化された存在からの「呼びかけ(call)」に対して、「応答(response)」せねばならないという「責任(responsibility)」を腹の底で感じたからである。 たとえエッセイとはいえ、自分に嘘はつきたくない。死者が眠る「ゲート(gate)」の向こうへ行く人間が現れたら、ちょ

      • 3 私の人生に「アメリカ」は、関係がないと思っていた。 青木真兵

        なぜアメリカについて語り合いたくなってしまったのだろう。まずはそのあたりから話を始めていきたい。 幼いころからアメリカを意識したことはなかった。行ってみたいと思ったこともないし、特段のかかわりもなかった。祖父が海軍にいたので先の戦争の話は聞いていたし、もちろんその戦争はアメリカと戦ったもので、数えきれないほどの空襲や2度の原爆投下で日本人がたくさん殺されたことは知っていた。それでもすごく遠い国、自分とは関係のない国だというイメージがあった。だから今、アメリカと聞いて頭にパッ

        • 2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介

          私が楽観的で実利的な理由私は、オプティミスティック(楽観的)で、プラグマティック(実利的)な人間であると言われることがある。自分でもそういうところがあると思う。それは、ベーシックなところで無駄なことが嫌いで、常にハッピー(ご機嫌)であろうと心がけているということ。心がけているというのはいささか大袈裟で、日々の生活を通していつしか私の骨の髄まで染み込み、ごくごく自然とそうなったという方が正しいのかもしれない。 まずは、オプティミスティックについて。楽観的であるとは、悲観的にな

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        • 本のある場所にできること
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        • もっと知りたい『そこにすべてがあった』
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        • [夕書房連続講座]これからのレッスン
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          1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹

          リレーエッセイ、らしきものである。らしきものと付言するのは、我々がこれからどのような理路をたどり、その先にはいかなる迂回路や逸脱があるのか、はたまた邪径が待ち構えているのか、当人たちにも判然としていないからである。 ただ、バトンをまわすメンバーと編集者だけは決まっている。建築家の光嶋裕介さん、歴史学者/思想家/人文系私設図書館ルチャ・リブロの革命児こと青木真兵さん、高知県立大学でアメリカの思想や文学を講じるわたし、白岩英樹。そして、ひとり出版社・夕書房の高松夕佳さんが、我々

          1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 22 「忘れたい人を忘れるには?」

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。さて、今回のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 分岐ルートは一本道ではない本書は、乳がんを患った哲学者、宮野真紀子さんと、人類学者の磯野真穂さんが交わした、魂の

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 22 「忘れたい人を忘れるには?」

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 21 「帰属意識が持てない」

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。さて、今回のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 帰属意識ってなんだろう「マジョリティにもマイノリティにも帰属意識が持てず、自分の立ち位置がわからない」という鴉沢さ

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 21 「帰属意識が持てない」

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 20 「やると決めたのに不安が消えない」

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。さて、今回のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 不安は、自由と責任の勲章私自身、決めたことに対して不安になることは、もちろんあります。 woolさんは、不安にな

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 20 「やると決めたのに不安が消えない」

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 19 「変わりたいのに変われない」

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。さて、今回のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 『新月の子どもたち』 斉藤倫作 花松あゆみ画 ブロンズ新社 今の自分を殺さずに変化するにはなぎ町小学校に通う小

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 19 「変わりたいのに変われない」

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 18 「ワンオペ育児がつらい」

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。さて、今回のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 『やっかいな問題はみんなで解く』 堂目卓生、山崎吾郎編 世界思想社 個人の問題をみんなの問題に本書のタイトルと

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 18 「ワンオペ育児がつらい」

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸『闘う舞踊団』をめぐる対話⑤

          空っぽな自分が恥ずかしくて、読書家に田中 『闘う舞踊団』を読んでいると、言葉遣いも洗練されていて、いかにも読書家が書いたという感じがするのですが、幼少期からかなり本を読まれていたんでしょうか。 金森 まったく読んでいない。日本を離れてからじゃないかな、読み始めたのは。 田中 図書館とかに絶対行かないタイプですよね。 金森 うん、行かない。 田中 僕もそうでした。何がきっかけで読むようになったのですか? 金森 最も大きかったのは、同級生たちの会話に衝撃を受けたことだね

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸『闘う舞踊団』をめぐる対話⑤

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸『闘う舞踊団』をめぐる対話④

          「身体」ひとつで社会に向き合う舞踊家という生き方田中 本の中で、「将来設計から逆算的に今何をすべきかを考えるような合理的な生き方をすべきではない」と書かれていましたよね。ずいぶん古風なことを言っているなと感じるとともに、これを今の時代、新しく捉え直すとしたら、どういうことだろうと考えたんです。  というのも、人間は楽をしたい生き物であり、時間をかけずに成果を出したいという人が増えているのは事実だからです。そうした風潮をなぜ危惧し、抗おうとしているのか。それはNoismに共感し

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸『闘う舞踊団』をめぐる対話④

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸 『闘う舞踊団』をめぐる対話③

          承認欲求と生理的反射の間で田中 それにしても、高校を辞めてまでスイスに行くとか、なかなか持てる時間感覚じゃないですよね。教室に座っていて、いてもたってもいられなくなるって、やっぱりすごいですよ。 金森 俺は頭が悪いから、教室に座っていても授業の内容が頭に入ってこないし。授業内容がバンバン入ってきて、やりがいを感じられていれば違ったんだろうけれど。そんな感じだよ。別に「俺は舞踊家になるんだ!」と肩肘張っていたわけでもない。 田中 勉強が嫌いだったんですか? 金森 嫌いとい

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸 『闘う舞踊団』をめぐる対話③

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸 『闘う舞踊団』をめぐる対話②

          観客の数と質を考える田中 穣さんは中学生のとき初めてニューヨークのアメリカン・バレエ・スクールに行って感動したと書かれていますが、その「感動できる」ということにも、やっぱり下地が必要だと思うんです。僕には、いいと言われているものに感動できない自分について考えざるを得ない時期があった。自分が見て面白くないものは無意味だと切り捨てられず、「世間でいいと言われているものがわからない俺ってなんなんだろう」と、悶々としました。  昨今では、YouTubeなど数秒で人の心を掴むようなエン

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸 『闘う舞踊団』をめぐる対話②

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸 『闘う舞踊団』をめぐる対話①

          田中 まずは、出版おめでとうございます。これが著書第一作というのは意外な気がします。 金森 ありがとうございます。実は10年ほど前に一度、色々なところに書いた文章をまとめて出版する話が大手出版社からあったけれど、原稿を送ったきり連絡が途絶え、そのまま闇に消えていた。だから自分は出版には縁がないのだと思っていたら、昨年、夕書房・高松さんとの出会いがあって。そこから一気に進んだので、物事って進むときには進むんだな、と驚いたよ。 田中 穣さんのこれまでを総括した、自叙伝のような

          今を生ききるということ 金森穣×田中辰幸 『闘う舞踊団』をめぐる対話①

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 17 「評価は嫌だけど対価は得たい」

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。さて、今月のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 『送別の餃子—中国・都市と農村肖像画』 井口淳子著 灯光舎 「縁」に委ねてみよう本書は、民族音楽のフィールド

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 17 「評価は嫌だけど対価は得たい」