夕書房

茨城県つくば市を本拠地とするひとり出版社。2017年より人文・芸術書を中心に刊行してい…

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茨城県つくば市を本拠地とするひとり出版社。2017年より人文・芸術書を中心に刊行しています。こちらには連載や新刊にまつわるエッセイ、イベントレポートを掲載します。https://www.sekishobo.com/

マガジン

  • ぼくらの「アメリカ論」

    ぼくらのどこかに、いつも「アメリカ」がある。 高知、神戸、東吉野。文学者、建築家、歴史家。居住地も職業も違う3人が、互いの言葉に刺激されながら自分にとっての「アメリカ」を語る、これまでにないリレーエッセイ連載です。

  • 土着への処方箋 ルチャ・リブロの司書席から

    誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。 ここは、そんな心の刺を打ち明ける相談室です。 奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、キュレーターの青木真兵さんと司書の青木海青子さんが、閲覧室に並ぶ2000冊を超える人文系の図書の中から、あなたのお悩みにぴったりな3冊を処方します。 毎月10日更新。お悩みは info@sekishobo.com へ。

  • 『闘う舞踊団』をめぐる対話 金森穣×田中辰幸

    『闘う舞踊団』の刊行を記念し、2023年3月21日、新潟駅前のMOYORe:で開催された金森穣さんと田中辰幸さんのトークイベントの様子をお届けします。

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    まちで生きる、まちが変わる つくば自立生活センター ほにゃらの挑戦/柴田大輔

    まちで生きる、まちが変わるつくば自立生活センター ほにゃらの挑戦柴田大輔=著「助けられる存在」から「まちづくりの主人公」へ。重度障害者が拓く、インクルーシブ社会への道----------70年代に国家プロジェクトとして建設された「筑波研究学園都市」(茨城県つくば市)の片隅で、重度身体障害者たちによるインクルーシブな社会への挑戦が20年以上にもわたって行われてきたことは、あまり知られていない。本書は、いつ、どこで、誰と、何をするのかを自分で決める暮らしを、障害の重さにかかわらず実現するための当事者団体「つくば自立生活センター ほにゃら」をめぐる物語だ。「ほにゃら」に魅せられ、介助者としてもかかわるフォトジャーナリストが、当事者と支援者を丹念に取材。かれらの物語の中に、障害者の現実と闘いの軌跡、そして誰もが住みよいまちづくりのヒントを見出していく。障害者たちが「まちで生きる」ことによって、まちは確実に「変わっていく」。インクルーシブ社会に関心がある人、生きづらさを抱えた人必読!「行動すれば、社会は変わる」と思える1冊。----------70年代に国が築いた先端科学のまちつくばの片隅で、21世紀的価値観による「発展」が、障害のある人たちの手によってもたらされてきた。本書が描くのは、(…)情熱とユーモアと、愛に満ちた20年の軌跡の物語であり、このまちのもう1つの実験の成果である。(「はじめに」より)----------[目次]はじめに1 旅のはじまり2 自分たちの手でまちを作る 斉藤新吾さん3 ほにゃら前史 宮本早苗さんの闘いとつくばの障害者運動[介助者のつぶやき]介助に発生する磁場 尾和忠直さん4 受け取った「自立生活」のバトン 栗山朋美さん[親のつぶやき]娘が自立生活をするなんて 栗山ツヤ子さん5 自立生活を支えるということ 森下直美さん6 信じる人と生きていく 川島映利奈さん・細島秀哲さん[介助者のつぶやき]介助を通じて地域の一員に 前川湧さん7 ほにゃらで人生が変わった 生井祐介さん8 まちの形を変える制度を作る[介助者のつぶやき]みんなで楽しく社会を作る 成田恵理さん9 誰もが自分らしく生きられる社会へ 川端舞さん10 パラグアイで見た青空あとがき年表・ほにゃらと日本の障害者運動[プロフィール]柴田大輔(しばた・だいすけ)1980年、茨城県生まれ。写真家・ジャーナリスト。写真専門学校を卒業後、フリーランスとして活動。ラテンアメリカ13か国を旅して、多様な風土と人々に強く惹かれる。2006年よりコロンビアに深くかかわり、住民と生活を共にしながら、紛争、難民、先住民族、麻薬などの問題を取材し続けている。その他、ラテンアメリカ諸国、国内では障害福祉、地域社会をテーマに活動する。www.daisuke-shibata.comつくば自立生活センター ほにゃら「自分たちのことは自分たちで決める。自分たちのことは自分たちが一番よく知っている」を合い言葉に、どんなに重い障害があっても普通に生活できるまち、誰もが安心して暮らせる社会の創造を目指す、障害者の自立生活を支援する自立生活センター。2001年、茨城県つくば市で設立。運営・活動は障害当事者を中心に行われている。https://peraichi.com/landing_pages/view/honyara本体2000円+税四六判/並製カラー/272頁978-4-909179-10-4 C0036装幀・組版 山田和寛、竹尾天輝子(nipponia)2024年2月刊行
    ¥2,200
    夕書房 seki shobo
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    【電子版】まちで生きる、まちが変わる つくば自立生活センター ほにゃらの挑戦/柴田大輔

    *こちらはEPUB(リフロー型・縦版)による電子書籍です。=====まちで生きる、まちが変わるつくば自立生活センター ほにゃらの挑戦柴田大輔=著「助けられる存在」から「まちづくりの主人公」へ。重度障害者が拓く、インクルーシブ社会への道----------70年代に国家プロジェクトとして建設された「筑波研究学園都市」(茨城県つくば市)の片隅で、重度身体障害者たちによるインクルーシブな社会への挑戦が20年以上にもわたって行われてきたことは、あまり知られていない。本書は、いつ、どこで、誰と、何をするのかを自分で決める暮らしを、障害の重さにかかわらず実現するための当事者団体「つくば自立生活センター ほにゃら」をめぐる物語だ。「ほにゃら」に魅せられ、介助者としてもかかわるフォトジャーナリストが、当事者と支援者を丹念に取材。かれらの物語の中に、障害者の現実と闘いの軌跡、そして誰もが住みよいまちづくりのヒントを見出していく。障害者たちが「まちで生きる」ことによって、まちは確実に「変わっていく」。インクルーシブ社会に関心がある人、生きづらさを抱えた人必読!「行動すれば、社会は変わる」と思える1冊。----------70年代に国が築いた先端科学のまちつくばの片隅で、21世紀的価値観による「発展」が、障害のある人たちの手によってもたらされてきた。本書が描くのは、(…)情熱とユーモアと、愛に満ちた20年の軌跡の物語であり、このまちのもう1つの実験の成果である。(「はじめに」より)----------[目次]はじめに1 旅のはじまり2 自分たちの手でまちを作る 斉藤新吾さん3 ほにゃら前史 宮本早苗さんの闘いとつくばの障害者運動[介助者のつぶやき]介助に発生する磁場 尾和忠直さん4 受け取った「自立生活」のバトン 栗山朋美さん[親のつぶやき]娘が自立生活をするなんて 栗山ツヤ子さん5 自立生活を支えるということ 森下直美さん6 信じる人と生きていく 川島映利奈さん・細島秀哲さん[介助者のつぶやき]介助を通じて地域の一員に 前川湧さん7 ほにゃらで人生が変わった 生井祐介さん8 まちの形を変える制度を作る[介助者のつぶやき]みんなで楽しく社会を作る 成田恵理さん9 誰もが自分らしく生きられる社会へ 川端舞さん10 パラグアイで見た青空あとがき年表・ほにゃらと日本の障害者運動[プロフィール]柴田大輔(しばた・だいすけ)1980年、茨城県生まれ。写真家・ジャーナリスト。写真専門学校を卒業後、フリーランスとして活動。ラテンアメリカ13か国を旅して、多様な風土と人々に強く惹かれる。2006年よりコロンビアに深くかかわり、住民と生活を共にしながら、紛争、難民、先住民族、麻薬などの問題を取材し続けている。その他、ラテンアメリカ諸国、国内では障害福祉、地域社会をテーマに活動する。www.daisuke-shibata.comつくば自立生活センター ほにゃら「自分たちのことは自分たちで決める。自分たちのことは自分たちが一番よく知っている」を合い言葉に、どんなに重い障害があっても普通に生活できるまち、誰もが安心して暮らせる社会の創造を目指す、障害者の自立生活を支援する自立生活センター。2001年、茨城県つくば市で設立。運営・活動は障害当事者を中心に行われている。https://peraichi.com/landing_pages/view/honyaraカラー/272頁装幀 山田和寛、竹尾天輝子(nipponia)2024年2月刊行=====Apple iBook、Google Playブックス(Android/iPad/iPhone)、Amazon Kindleなどで閲覧および音声読み上げが可能ですが、版元では使い方のご説明はしかねますので、ご了承ください。
    ¥2,200
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    まちで生きる、まちが変わる つくば自立生活センター ほにゃらの挑戦/柴田大輔

    まちで生きる、まちが変わるつくば自立生活センター ほにゃらの挑戦柴田大輔=著「助けられる存在」から「まちづくりの主人公」へ。重度障害者が拓く、インクルーシブ社会への道----------70年代に国家プロジェクトとして建設された「筑波研究学園都市」(茨城県つくば市)の片隅で、重度身体障害者たちによるインクルーシブな社会への挑戦が20年以上にもわたって行われてきたことは、あまり知られていない。本書は、いつ、どこで、誰と、何をするのかを自分で決める暮らしを、障害の重さにかかわらず実現するための当事者団体「つくば自立生活センター ほにゃら」をめぐる物語だ。「ほにゃら」に魅せられ、介助者としてもかかわるフォトジャーナリストが、当事者と支援者を丹念に取材。かれらの物語の中に、障害者の現実と闘いの軌跡、そして誰もが住みよいまちづくりのヒントを見出していく。障害者たちが「まちで生きる」ことによって、まちは確実に「変わっていく」。インクルーシブ社会に関心がある人、生きづらさを抱えた人必読!「行動すれば、社会は変わる」と思える1冊。----------70年代に国が築いた先端科学のまちつくばの片隅で、21世紀的価値観による「発展」が、障害のある人たちの手によってもたらされてきた。本書が描くのは、(…)情熱とユーモアと、愛に満ちた20年の軌跡の物語であり、このまちのもう1つの実験の成果である。(「はじめに」より)----------[目次]はじめに1 旅のはじまり2 自分たちの手でまちを作る 斉藤新吾さん3 ほにゃら前史 宮本早苗さんの闘いとつくばの障害者運動[介助者のつぶやき]介助に発生する磁場 尾和忠直さん4 受け取った「自立生活」のバトン 栗山朋美さん[親のつぶやき]娘が自立生活をするなんて 栗山ツヤ子さん5 自立生活を支えるということ 森下直美さん6 信じる人と生きていく 川島映利奈さん・細島秀哲さん[介助者のつぶやき]介助を通じて地域の一員に 前川湧さん7 ほにゃらで人生が変わった 生井祐介さん8 まちの形を変える制度を作る[介助者のつぶやき]みんなで楽しく社会を作る 成田恵理さん9 誰もが自分らしく生きられる社会へ 川端舞さん10 パラグアイで見た青空あとがき年表・ほにゃらと日本の障害者運動[プロフィール]柴田大輔(しばた・だいすけ)1980年、茨城県生まれ。写真家・ジャーナリスト。写真専門学校を卒業後、フリーランスとして活動。ラテンアメリカ13か国を旅して、多様な風土と人々に強く惹かれる。2006年よりコロンビアに深くかかわり、住民と生活を共にしながら、紛争、難民、先住民族、麻薬などの問題を取材し続けている。その他、ラテンアメリカ諸国、国内では障害福祉、地域社会をテーマに活動する。www.daisuke-shibata.comつくば自立生活センター ほにゃら「自分たちのことは自分たちで決める。自分たちのことは自分たちが一番よく知っている」を合い言葉に、どんなに重い障害があっても普通に生活できるまち、誰もが安心して暮らせる社会の創造を目指す、障害者の自立生活を支援する自立生活センター。2001年、茨城県つくば市で設立。運営・活動は障害当事者を中心に行われている。https://peraichi.com/landing_pages/view/honyara本体2000円+税四六判/並製カラー/272頁978-4-909179-10-4 C0036装幀・組版 山田和寛、竹尾天輝子(nipponia)2024年2月刊行
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    【電子版】まちで生きる、まちが変わる つくば自立生活センター ほにゃらの挑戦/柴田大輔

    *こちらはEPUB(リフロー型・縦版)による電子書籍です。=====まちで生きる、まちが変わるつくば自立生活センター ほにゃらの挑戦柴田大輔=著「助けられる存在」から「まちづくりの主人公」へ。重度障害者が拓く、インクルーシブ社会への道----------70年代に国家プロジェクトとして建設された「筑波研究学園都市」(茨城県つくば市)の片隅で、重度身体障害者たちによるインクルーシブな社会への挑戦が20年以上にもわたって行われてきたことは、あまり知られていない。本書は、いつ、どこで、誰と、何をするのかを自分で決める暮らしを、障害の重さにかかわらず実現するための当事者団体「つくば自立生活センター ほにゃら」をめぐる物語だ。「ほにゃら」に魅せられ、介助者としてもかかわるフォトジャーナリストが、当事者と支援者を丹念に取材。かれらの物語の中に、障害者の現実と闘いの軌跡、そして誰もが住みよいまちづくりのヒントを見出していく。障害者たちが「まちで生きる」ことによって、まちは確実に「変わっていく」。インクルーシブ社会に関心がある人、生きづらさを抱えた人必読!「行動すれば、社会は変わる」と思える1冊。----------70年代に国が築いた先端科学のまちつくばの片隅で、21世紀的価値観による「発展」が、障害のある人たちの手によってもたらされてきた。本書が描くのは、(…)情熱とユーモアと、愛に満ちた20年の軌跡の物語であり、このまちのもう1つの実験の成果である。(「はじめに」より)----------[目次]はじめに1 旅のはじまり2 自分たちの手でまちを作る 斉藤新吾さん3 ほにゃら前史 宮本早苗さんの闘いとつくばの障害者運動[介助者のつぶやき]介助に発生する磁場 尾和忠直さん4 受け取った「自立生活」のバトン 栗山朋美さん[親のつぶやき]娘が自立生活をするなんて 栗山ツヤ子さん5 自立生活を支えるということ 森下直美さん6 信じる人と生きていく 川島映利奈さん・細島秀哲さん[介助者のつぶやき]介助を通じて地域の一員に 前川湧さん7 ほにゃらで人生が変わった 生井祐介さん8 まちの形を変える制度を作る[介助者のつぶやき]みんなで楽しく社会を作る 成田恵理さん9 誰もが自分らしく生きられる社会へ 川端舞さん10 パラグアイで見た青空あとがき年表・ほにゃらと日本の障害者運動[プロフィール]柴田大輔(しばた・だいすけ)1980年、茨城県生まれ。写真家・ジャーナリスト。写真専門学校を卒業後、フリーランスとして活動。ラテンアメリカ13か国を旅して、多様な風土と人々に強く惹かれる。2006年よりコロンビアに深くかかわり、住民と生活を共にしながら、紛争、難民、先住民族、麻薬などの問題を取材し続けている。その他、ラテンアメリカ諸国、国内では障害福祉、地域社会をテーマに活動する。www.daisuke-shibata.comつくば自立生活センター ほにゃら「自分たちのことは自分たちで決める。自分たちのことは自分たちが一番よく知っている」を合い言葉に、どんなに重い障害があっても普通に生活できるまち、誰もが安心して暮らせる社会の創造を目指す、障害者の自立生活を支援する自立生活センター。2001年、茨城県つくば市で設立。運営・活動は障害当事者を中心に行われている。https://peraichi.com/landing_pages/view/honyaraカラー/272頁装幀 山田和寛、竹尾天輝子(nipponia)2024年2月刊行=====Apple iBook、Google Playブックス(Android/iPad/iPhone)、Amazon Kindleなどで閲覧および音声読み上げが可能ですが、版元では使い方のご説明はしかねますので、ご了承ください。
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    闘う舞踊団/金森穣

    闘う舞踊団金森 穣=著すべてはこの国の劇場文化のために新潟で日本初の劇場専属舞踊団Noism Company Niigataを設立、踊り、創り、率いてきた舞踊家の18年の軌跡。----------17 歳で渡欧、巨匠ベジャールやキリアンの寵愛を受けて帰国した舞踊家・振付家、金森穣が日本で選んだのは、茨の道だった。全国各地に立派な劇場があるのに、なぜ創造・発信をしないのか。日本に真の意味での劇場文化を築くために、創り手として何ができるのか。欧州での10 年間の経験から金森が導き出したのは、「劇場専属舞踊団Noism(ノイズム)」を作り、メソッドを構築して舞踊家を育て、作品を創作し、地方から世界と勝負することだった。2004 年に設立したNoism は、以来、国内外で絶賛され続ける一方で、つねにさまざまな闘いを繰り返していく。劇場専属と集団の美にこだわるゆえの葛藤と行政との衝突。切実な舞踊への愛。何度も存続の危機を乗り越えながら、今ようやく「市の文化政策」となったNoism が目指す、劇場のあるべき姿とは。そして新生Noism の行方は。文化政策関係者、舞踊関係者、ダンサーを志す人はもちろん、現代を生きるすべての人に贈りたい、胸が熱くなる渾身の回顧録!----------Noismをめぐる18年間の闘いの物語は、この国の劇場文化の姿を伝える重要な事例であり、数十年後、あるいは100年後の未来、私やあなたがいなくなった世の中で、その時代を生きる芸術家の役に立つかもしれない。(「はじめに」より)----------[目次]はじめに第Ⅰ部1 舞踊人生のはじまり2 学び多き欧州での一〇年第Ⅱ部3 「劇場専属舞踊団を作らせてください」4 なぜ劇場専属舞踊団が必要か5 苦難のはじまり[Column]Noismサポーターズ6 Noismの身体性を模索する7 試行錯誤から見えてきたもの[Column]海外公演の実際8 舞踊家を育てる9 舞踊団を率いる10 日本の劇場の問題点11 作品・観客・劇場を育む[Column]《劇的舞踊「カルメン」》がもたらした出会い12 暗いトンネルの先に第Ⅲ部13 活動継続の是非が問われて14 コロナ禍の収穫[Column]舞踊家の生き様を写しとる15 文化政策としてのNoism誕生16 バトンを受け取るあなたへあとがき[プロフィール]金森 穣(かなもり・じょう)演出振付家、舞踊家。Noism Company Niigata 芸術総監督。1974年、神奈川県横浜市生まれ。17歳で単身渡欧、モーリス・ベジャール等に師事。ルードラ・ベジャール・ローザンヌ在学中から創作を始め、NDT2在籍中に20歳で演出振付家デビュー。10年間欧州の舞踊団で舞踊家、演出振付家として活躍したのち帰国。03年、初のセルフ・プロデュース公演《no・mad・ic project—7 fragments in memory》で朝日舞台芸術賞を受賞。04年4月、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督に就任し、日本初となる公共劇場専属舞踊団Noism を立ち上げる。革新的な創造性に満ちたカンパニー活動は国内外から高い評価を得ている。平成19年度芸術選奨文部科学大臣賞、平成20年度新潟日報文化賞、第60回毎日芸術賞など、受賞歴多数。令和3年紫綬褒章。(photo:Shoko Matsuhashi)新書版変型/がんだれ製本/264頁978-4-909179-09-8 C0036装幀・組版 佐々木暁2023年1月末刊行
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最近の記事

14 「ちょうどよく」とどめる精神で 青木真兵

幼い頃から「戦争」というものに関心があった。 一口に戦争といっても、さまざまな側面がある。兵器か軍隊か。国内政治か銃後の生活か。国際政治や戦地での日常について……こう列挙してみると僕の関心が見えてくる。 やはり軍人として戦地に赴くこと。そして日常のルールが一気に変わってしまうことに興味があったのだと思う。それは自らの意志が尊重されず、半ば強制的に戦いに駆り出されることを意味するからだ。 沖縄戦の衝撃印象に残っているのが、明石家さんまが主演していたドラマだ。調べてみると『さと

    • 13 自然と対峙した完全芸術家のまなざし 光嶋裕介

      作品集のページがボロボロになるまで見ていた建築を、実際に体験したときの感動は大きい。 鬱蒼とした森の中に垂直に立ち上がる石積みの壁と、水平に広がる上品なクリーム色のテラスのコントラストが、ひときわ端正な輝きを放つ。その圧倒的な浮遊感は、水平に連続する赤枠のガラスの広がりからよりも、川のせせらぎや風で揺れる木々の音からより強く感じられた。鳥のさえずりも心地よく響き、まわりの自然を五感で受け止めて、パッと同化する一体感が《落水荘》にはあった。 ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の

      • 12 モグラの手つきで——抵抗と連帯の詩学へ 白岩英樹

        期せずして迎えた5巡目。来週は卒業式だ。いつもこの時期になるとシャーウッド・アンダーソンを読み返すことにしている。わたしがアメリカ文学を読み始める端緒を開いてくれた作家である。会社経営と創作と家庭のはざまで深い葛藤を抱えながら、4度の結婚と3度の離婚を経験し、アメリカの陰影をひとりで背負い込んだような人物を生涯描き続けた。 アンダーソンはもともと詩人への憧れが強かった。生前には2冊の詩集が刊行されている。しかし、発行部数から察するに、当時もいまも、それらをひもとく読者はごく

        • 11 食糧から見る、アメリカの現在地 青木真兵

          前回の白岩さんの論考を受け、〈征服者/強者〉〈非征服者/弱者〉の関係を考えようとして気づいたのは、私たちが二項対立の枠組みのなかに固定化されがちだということだ。 支配と被支配、帝国と植民地、勝者と敗者……。これらの図式は、確かにある特定の場面には適応できるのだが、そもそも完全なる強者、完全なる敗者というものが存在するのかと考えると、疑わしくなってくる。 なにも言葉遊びをしようとか、概念を捏ねくりまわそうというのではない。例えば時間軸を伸ばすことで、「あのときの負け」が今の自分

        14 「ちょうどよく」とどめる精神で 青木真兵

        マガジン

        • ぼくらの「アメリカ論」
          14本
        • 土着への処方箋 ルチャ・リブロの司書席から
          23本
        • 『闘う舞踊団』をめぐる対話 金森穣×田中辰幸
          5本
        • 本のある場所にできること
          2本
        • もっと知りたい『そこにすべてがあった』
          3本
        • [夕書房連続講座]これからのレッスン
          2本

        記事

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 23(最終回)

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。2020年から続けてきたこの連載も、いよいよ最終回。さて、今回のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 まずはつらさをそのまま受け止めてもらおう不思議な水車場に迷い

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 23(最終回)

          10 What Are You Standing On? 白岩英樹

          ゼミ生の卒論を読んでいる。どれも本当におもしろい。しかし、指導教員の立場上、おもしろい、おもしろいと連呼しながら読むだけでは済まず、添削と称して朱字で加筆を促したり、修正案を提示したりせねばならない。全員の文字数を合わせれば優に書籍化できるくらいのボリュームがあるから、膨大な時間と労力を要する。それでも、誰が何のために読んでいるのかわからない書類を作ることに比べれば、大学教員としての冥利を感じる学務である。 わたしがおもしろいと感じる卒論は、総じて以下の2種類である。 (

          10 What Are You Standing On? 白岩英樹

          9 フラーから考える建築家の倫理 光嶋裕介

          「建築家は家屋の海原の中にたとえば聖堂をつくる。ヨコのひろがりの内に、タテの力が働く場をつくり出そうとする」(『ヨコとタテの建築論』慶應大学出版会、2023、p.128)とは、建築史家の青井哲人の言葉である。 青井はまた、「新しい制作のきっかけは、いつも所与の豊穣な世界にある。素材もそこから集められ、集まったものが交雑する。ところがそこに世界からの超越が兆す。接続しない自律はありえない。ヨコのないタテはありない」(同上、p.34)とも述べている。 ヨコに展開するのは、白岩さ

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          8 アメリカの「自由と民主主義」が抱えるもの 青木真兵

          何度も繰り返すが、このリレーエッセイにおいて僕は自分の中にある「アメリカ」を見つめ言葉にし、現代社会とどうにか折り合いをつけられるようになりたいと考えている。なぜなら、自分の中にある「アメリカ」と現実のアメリカとのあまりにも矛盾した状態に、正直なところ大きく失望しているからだ。それは一言でいうと、「自由と民主主義」の問題である。 「自由と民主主義」のアメリカはどこへ行ったのか僕が幼少・青年期を送った1980、90年代にアメリカの存在感の大きさを疑う者はいなかっただろう。ベル

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          7 戦争と分断に抗って「線路」を延ばす 白岩英樹

          元旦に迎える3巡目。戦争と分断の時代にリレーエッセイを書きつなぐ意義をつらつら考えている。 その場にふたりしかおらず、相手の話に慎重に耳を傾けようとすると、どうしても顔を見つめあうことになる。すると、お互いの面持ちか、その背後に延びる線上の空間しか視界に入ってこない。次第に両者の距離は近づき、対話の密度が高まっていく。呼吸が浅くなり、言葉のラリーは緊張感を増す一方である。 そのように関係性が閉ざされていくなか、ラリーに必要な距離を保つには第3者の存在が欠かせない。たとえば

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          6 オフィスビルという欲望の建築の終焉 光嶋裕介

          人間の生活と建築は常に密接な関係にあり、社会が大きく変化するたびに新しい建築が生まれてきた。 白岩さんの言うように、アメリカ先住民族は「大建築」を遺さなかった。だが、世界が高度に近代化した20世紀は、人間が集まって生活することを選択した時代となり、都市化が進んだ現代はまさに「大建築」の時代となった。生活の大きな部分を働くことが占め、資本を生み出す労働の場は工場からオフィスビルへと変わっていった。労働力は賃金となって分配され、モノやコトをお金で交換する経済活動が世界を覆い尽くし

          6 オフィスビルという欲望の建築の終焉 光嶋裕介

          5 「アメリカ」をどこから見るべきか 青木真兵

          アメリカの重層性僕にとってこのリレーエッセイは、光嶋さんとは違う形だけれども自分のなかに潜む「アメリカ」を探求する旅となる。パンやコーンフレーク、ハンバーガーとともに育った僕は、これらを「アメリカのもの」だと強く意識していたわけではないし、『ジュラシックパーク』や『インディ・ジョーンズ』だって面白い映画だと思って観ていたけれど、「アメリカの映画」としてフランス映画やロシア映画と比較していたわけではなかった。 埼玉県浦和市で育った僕の生活や社会にはアメリカ由来のものが溢れていた

          5 「アメリカ」をどこから見るべきか 青木真兵

          4 「移民国家」アメリカ——「文明人」はどちらなのか 白岩英樹

          早くも2回目の番が回ってきた。とはいっても、手を挙げ、光嶋さん-青木さんとつながってきたバトンを受け取ることを所望したのは、わたし自身だ。そうせずにはおれない自分がいた。その理由は、かつて不可視化された存在からの「呼びかけ(call)」に対して、「応答(response)」せねばならないという「責任(responsibility)」を腹の底で感じたからである。 たとえエッセイとはいえ、自分に嘘はつきたくない。死者が眠る「ゲート(gate)」の向こうへ行く人間が現れたら、ちょ

          4 「移民国家」アメリカ——「文明人」はどちらなのか 白岩英樹

          3 私の人生に「アメリカ」は、関係がないと思っていた。 青木真兵

          なぜアメリカについて語り合いたくなってしまったのだろう。まずはそのあたりから話を始めていきたい。 幼いころからアメリカを意識したことはなかった。行ってみたいと思ったこともないし、特段のかかわりもなかった。祖父が海軍にいたので先の戦争の話は聞いていたし、もちろんその戦争はアメリカと戦ったもので、数えきれないほどの空襲や2度の原爆投下で日本人がたくさん殺されたことは知っていた。それでもすごく遠い国、自分とは関係のない国だというイメージがあった。だから今、アメリカと聞いて頭にパッ

          3 私の人生に「アメリカ」は、関係がないと思っていた。 青木真兵

          2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介

          私が楽観的で実利的な理由私は、オプティミスティック(楽観的)で、プラグマティック(実利的)な人間であると言われることがある。自分でもそういうところがあると思う。それは、ベーシックなところで無駄なことが嫌いで、常にハッピー(ご機嫌)であろうと心がけているということ。心がけているというのはいささか大袈裟で、日々の生活を通していつしか私の骨の髄まで染み込み、ごくごく自然とそうなったという方が正しいのかもしれない。 まずは、オプティミスティックについて。楽観的であるとは、悲観的にな

          2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介

          1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹

          リレーエッセイ、らしきものである。らしきものと付言するのは、我々がこれからどのような理路をたどり、その先にはいかなる迂回路や逸脱があるのか、はたまた邪径が待ち構えているのか、当人たちにも判然としていないからである。 ただ、バトンをまわすメンバーと編集者だけは決まっている。建築家の光嶋裕介さん、歴史学者/思想家/人文系私設図書館ルチャ・リブロの革命児こと青木真兵さん、高知県立大学でアメリカの思想や文学を講じるわたし、白岩英樹。そして、ひとり出版社・夕書房の高松夕佳さんが、我々

          1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 22 「忘れたい人を忘れるには?」

          誰にも言えないけれど、誰かに聞いてほしい。そんな心の刺をこっそり打ち明けてみませんか。 この相談室では、あなたのお悩みにぴったりな本を、奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開く本のプロ、司書・青木海青子さんとキュレーター・青木真兵さんが処方してくれます。さて、今回のお悩みは……? ◉処方箋その1 青木海青子/人文系私設図書館ルチャ・リブロ司書 分岐ルートは一本道ではない本書は、乳がんを患った哲学者、宮野真紀子さんと、人類学者の磯野真穂さんが交わした、魂の

          土着への処方箋——ルチャ・リブロの司書席から 22 「忘れたい人を忘れるには?」