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【ライブラリ】notes

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2021年6月の記事一覧

なぜ日本のポスターはダサいと言われるのか。

映画好きのデザイナーつぼたです。日本のポスター、特に映画のポスターはダサいとSNSでも頻繁に話題になります。映画好きの私が見ても「うーん、これは魅力的な映画に感じられないなぁ」と感じるポスターは非常に多いです。しかし映画自体はとても面白い。なぜそうなるのかを分析・解説していきます。 1、組織形態まず初めに説明しておかなければいけないのが「日本のデザイナーのレベルは高い」ということです。「ダサいポスターが溢れてる日本はデザイナーも大したことないんじゃないの?」と感じる方もおら

「何の変哲もない」の「変哲」って?

あたりはまだ明るかったので、それは何の変哲もない黒い水辺の虫にしか見えなかったが、突撃隊はそれは間違いなく螢だと主張した。螢のことはよく知ってるんだ、と彼は言ったし、僕の方にはとくにそれを否定する理由も根拠もなかった。よろしい、それは螢なのだ。 ――村上春樹『ノルウェイの森』 「変哲」の意味?日本語の勉強をしている外国人に「何の変哲もない」という表現の意味を尋ねられたら、なんと答えるだろうか。自分の母語についてであっても、急に尋ねられるとなかなかうまく答えられないものだが、

思い出のミスドの中に父はいない

幼い頃、連れて行ってもらって一番うれしかった場所は、ミスタードーナツだ。略してミスド。 幼い子供3人を連れて、母が息抜きに行くのに丁度いい場所だったのだろう。コーヒーはおかわり自由だし、子供にはドーナツさえ与えておけば一時はおとなしい。 だから、思い出のミスドの中に父はいない。 実際には全くいないというわけではないが、父が一緒に行く日はゆっくりできない。なぜなら彼は人が多い場所が嫌いで、休日の街に出ると不機嫌になるからだ。買い物が終わるとミスドでゆっくりしたい母とは逆に

地理の先生が第2の人生をワイン造りに捧げる。小諸で日本のブルゴーニュを目指す!ドメーヌ・フジタの挑戦。

現在70歳の藤田さんは長野県小諸市でぶどう作り、ワイン造りを始めて5年目になりました。2021年には自身の醸造施設も完成し、初めて自家醸造が始まります。ここまで順調に来ているように見えますが、そこには、苦労を苦労と思わず楽しみながらワイン造りに挑戦し続ける藤田さんの姿がありました。その秘密に迫りたいと思います。 生きた授業をするために60か国以上訪れた経験がワイン造りを始めたきっかけ -なぜ定年後にワイン造りを始めようと思ったのですか。 神奈川の県立高校で30年以上地理な

コスパ優先という病気が僕たちをダメにする

無意識のうちに費用対効果を考えてませんか。まず損とか得を考えるのは仕方ないかもしれません。しかし無意識のうちに費用対効果を考えるのがクセになっているのではないでしょうか。それはコスパ優先という病気なのかもしれません。そんな病名はありませんが、無意識のうちに支配されているならそれは病気みたいなものでしょう。 「それって難しいですよね」「それって時間もったいなくないですか」って会議でよく聞く言葉ですが、深く読み解くとコスパ優先に毒されているのだとわかります。これって単なる経験論

『ドゥルーズABC全注釈』目次

A-Animal 動物 #1 概念生態学 #2 動物になること #3 動物のクロニクル B-Boisson 飲むこと #4 飲む/生成変化 C-Culture 文化 #5 文化という皮肉 #6 出逢いの哲学 #7 文化のクロニクル D-Desir 欲望 #8 欲望の一回性 #9 アジャンスマン(組み立て) #10 哲学を欲望する #11 欲望のクロニクル E-Enfance 子供 #12 生成変化/子供になること F-Fidelite 誠実さ #13 友人たち #

変異株とその表記について

変異株が色々あってわけがわからないよ、という方のために、「アルファ株」「英国型」「B.1.1.7」「N501Y」といった表記の意味を整理しようと思う。 世間の関心は「変異株の感染性は? 重症化は? ワクチンは効くのか?」であり、できればこれにビシッと応えて話を終わらせたいのだが、変異株は数多くあるし日々増えていくので一概には言えない。たとえばこの記事を書いてる途中でファイザーワクチンはデルタ株には非常に有効というニュースが入ってきた。 デルタ株が国内で拡大しつつあるので嬉

SDGsの向こう側

column vol.338 昨日、プライド月間についてお話ししましたが、ここ最近、SDGsについて少し考えさせられた記事が2つあったので、今日はそちらをご紹介したいと思います。 まずは、サステナビリティ(環境保護)についてです。 「サステナビリティ」では地球を救えない? サステナビリティとは、持続可能性を意味する言葉。SDGsの文脈では、主に自然環境の持続可能性という意味合いで用いられています。 しかし、環境破壊が加速する昨今、このサステナビリティという考えだけでは

アタック25に出演して思った「巧みなゲーム設計」

長寿番組「アタック25」が今秋で終了するらしい。朝日放送からの公式発表はないが、各社メディアで報道されている。 一般参加者を呼ぶのが難しくなった2020年の秋ごろ、「高学歴芸人」というくくりの回で出演し、トップ賞とハワイ旅行をいただいた(もちろん出場に際しペーパーテストとかはちゃんと受けた)。ハワイ旅行は昨今の情勢もあってまだ行けていないが、全国ネットの出演は初めてだったし、なにより家族や知人を安心させられたことが大きかった。「京都大学を中退して何やってるか分からないヤベー

【美大生×官僚】クリエイティブなイノベーションをクリップ、略して「クリクリ!」#55

「クリエイティブイノベーション」「クリエイティブリーダーシップ」に関係しそうな記事や本、イベントなどをnoteにまとめる、名付けて、クリエイティブなイノベーションにはどういうものがあるかクリップする、略して「クリクリ!」。 「手羽が思った」なので全然違うのかもしれないけど、「これはクリエイティブイノベーション的」「違う」なたたき台の存在にもなればと思ってます。 手羽が直接・間接的に関係しそうだと思ってるキーワードはこちら。 これまで2週間に一度にやってたけど最近はそれだとた

これから空間テックに求められるのは、自分がいま生きている世界への没入と摩擦感覚

コロナ禍で外出が制限されたことで、自分がいまそこにいる「実空間」の大切さがあらためて浮き彫りになっているという記事が日経ビジネスに出ていました。 そこで実空間の価値を高められる技術が求められるようになり、記事はそれらを「空間テック」と呼んでいます。雲が浮かぶ空の風景や木々が揺れる風景を仮想的な天窓に映し出すことができるパナソニックの「天窓Vision」や、窓ガラスで黄色の波長をカットすることで風景が鮮やかに見えるようになる丹青社の「ポジカフィルム」などが紹介されています。

「撮らずに助けるべきだ」について

警官に抑え込まれるジョージ・フロイドさんを撮影したダルネラ・フレーザーさんが、ピューリッツァー賞の特別賞に選ばれました。 彼女の撮影した動画はSNSを通して拡散され、全米、そして世界で「BLACK LIVES MATTER」のスローガンの元、構造的な差別の問題に抗議活動が広がるきっかけの一つとなりました。 「権威」としてのピューリッツァー賞のあり方自体に疑問はありますが、それについては別の記事で触れています。ただ、この受賞によってふたたび、フロイドさんの事件に光が当てられ

島原の「いま」をもっと知ってほしい

 6月3日は、1991年に雲仙普賢岳で大規模な火砕流が起こった日です。犠牲になったたくさんの方に心からの祈りを捧げるとともに、この被害のことを忘れず、災害について学び続けたいと思っています。ヘッダーは土石流で埋まった家屋の展示がされている道の駅「みずなし本陣」で、左奥の方に見えるのが平成新山です。  火砕流の被害やそのメカニズムなどについては、たくさんの専門家の方が説明しているので、今回は少し違った視点で文章を書きます。それは、災害の記憶を風化させないために、過去の事実とし

【保存版】『サンガジャパン』全掲載記事 目次一覧

2021年5月26日より「サンガ」復活のためのクラウドファンディングをスタートしております。 仏教の智慧をみなさんに届けたい! 出版社「サンガ」を元社員が復活させます! https://camp-fire.jp/projects/view/427039 このクラウドファンディングのリターンには、『サンガジャパン』『別冊サンガジャパン』電子書籍(PDF)全41号の中から、ご希望の号をお送りするプランがあります。 どの号を選ぼうか考えるための資料として、『サンガジャパン』全