ジャーゴンの相転移
ベルクソンという哲学者の書いた『時間と自由』という著作がある。このなかでベルクソンは「時間」という言葉の用法を批判した。その内容を要約するとこうだ。時間という言葉の意味は”空間化”されている、つまり時計の針の運動のような形で別の量的形態に押し込められており、「ほんとうの時間」は質的なものなのだと主張した(そしてその"ほんとうの時間"なるものを「持続」と名付けた)。この考察にうなづく人はいても、果たして誰がこの言葉づかいを改めるだろうか。「二時間後に到着します」というLINEに