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【ライブラリ】notes

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2021年4月の記事一覧

サービスデザインのためのブックリスト(2021)

以下は2018年1月に公開した入門書のブックリスト、もう3年前です。その後、新しい本がいろいろ出たので更新することにしました。良い本は残して以前のリストから転載しています。 「サービスデザイン」は領域横断的なアプローチが必要で、扱う対象も広く、必要になる知識やスキルもかなり広範囲に渡ります。デザインの知見だけでは解決できない問題も多く、マネジメントやビジネス、マーケティング分野の知識やスキルも必要になりまです。リストの後半ではサービスマーケティングの本をいくつか紹介します(

緊急事態宣言が出たのでヒッタイト語を学んでみた

温泉に行けない。外出できない。緊急事態宣言が出たためだ。外で羽を伸ばすことができなくなり、休みの日が暇すぎる。 ということで、かねてから興味のあったヒッタイト語をきちんと学んでみることにした。存外面白い。使用テキストはテキサス大学がオンラインで公開している資料を読んでいる。 今日は"The Proclamation of Anittas (Old Hittite)"を通読した。楔形文字は流石に読めないけれど、テキストを読むと標語文字と表音文字が組み合わさった書き方をしてお

ウィトゲンシュタインがまるで目の前で語り出したかのよう――【寄稿:池田 喬】古田徹也・著『はじめてのウィトゲンシュタイン』について

 大型連休に、話題の人文書を読むのもお勧めです。学術系の入門書として『はじめてのウィトゲンシュタイン』が異例の売れ行きを見せています。著者・古田徹也さんをよく知る池田喬さんに、寄稿していただきました。池田さんは気鋭のハイデガー研究者として知られ、現在、ハイデガーの主著『存在と時間』の革新的な入門書を執筆中です。古田徹也さんが「本当に感激した」という池田さんの評文を掲載します。  ウィトゲンシュタインは、20世紀以降の現代哲学の最重要哲学者の一人だと言われているし、「語りえな

不純な読書

たぶん本が好きだと思うのだがいままであまり深く考えずに「本を読むのが好き」と言ってきたが、これは事実だろうか。本に接していて、どのような瞬間にもっとも喜びを感じるのか、自分なりに考え直してみたのである。いま私は、1日に少なくとも2時間は本を読んでいるので、たぶん読書が好きなのだと思う。毎日せっせと読んではいるものの、しかし最近どうも「本を読むのが好き」という前提が怪しい気がしてきたのである。私はたくさんの本を読みたい欲求が強いのだが、これは1冊の本を大切に読む態度と相反するの

再生

【動画】第2回Amazon Academy|基調講演

2019年6月20日にアマゾンジャパン本社で開催された「第2回 Amazon Academy」の基調講演に登壇しました。演題は以下です。 「グローバル経済の動きから読み解く日本企業の課題とチャンス」

憲法審査会での浅田議員の発言について

 国民投票法改正案をめぐって憲法審査会が両院で開かれました。参議院の憲法審査会のほうで、浅田均議員(日本維新の会)が発言しました。以下で発言を確認できます。〈https://www.youtube.com/watch?v=k3otEKf03-U〉  以下は私の書き起こしです。引用部分の[ ]は浅田議員による追加や削除を表します)。  日本維新の会、浅田均でございます。今回は緊急事態宣言下での憲法審査会であるということを皆さん認識を共有していただきたいと思います。緊急事態宣言

私たちはどこにいるのか? 政治としてのエピデミック/ジョルジョ・アガンベン

ブルジョワ民主主義システムの崩壊と、科学という宗教への不信感。 この2つでこれからの世界は大きく変わる。 『私たちはどこにいるのか? 政治としてのエピデミック』と題されたこの本で、ジョルジョ・アガンベンが提示してくれていることはそういうことかなと僕は読んだ。 アガンベンと非常事態宣言全部で19の小論(前書き含めると20)からなるこの本をアガンベンは「エピデミックの発明」という最初のものから最後の「恐怖とは何か?」に至るまで、2020年の2月26日から7月13日にかけて発

Jリーグが今さらnoteを始めるワケ

 Jリーグ・コミュニケーション部の吉田です。本日よりJリーグ公式noteをスタートします。  Jリーグは1993年に開幕し、今年29回目のシーズンを迎えました。年間の総入場者数は1,000万人を超え、トップカテゴリーであるJ1は新型コロナ禍前の一昨年までは1試合平均2万人弱のファンを集めていました。リーグ公式サイトは月間平均の約150万人のユーザーに楽しんで頂き、公式twitterのフォロワー数も60万を超えるなど、プロ野球や大相撲と並ぶ日本を代表するプロスポーツとして多く

踊ることって何だろうー世界舞踏史序説

大学の今年のゼミは踊ることについて哲学的、比較文学的に考えることにしているのだけれど、授業の草稿、ラフスケッチ的なものを、少し。 ちょっと自分語り。踊ること、ファッション、魅せること。そんなこととは三十半ばまで無縁に過ごしてきた。ファッションは中高生のころ憧れた。でも、パリコレのような服をどうやってコーディネートに生かしていいのかまるで謎だった。中高生の頃はとにかく貧乏で、お昼ご飯も食べられなかった。服なぞ贅沢品は買えなかったのである。大学に入りバイトしてからは、裏原なぞを

もういちど学芸員になります

私は、5月からもういちど学芸員になります。 地元の美術館で。 このお仕事は、1年という任期付きで、正職員ではなく、非常勤のお仕事です。 このチャンスが巡ってきたとき、二つの心で揺れました。 ひとつは、このチャンスを逃したくないという気持ち。 もうひとつは、一緒に暮らしはじめた彼を悲しませてしまうのではないかという不安です。 ひとつめの気持ちから、お話しましょう。 私は、ある地元の街で学芸員になりました。でも、1年半で学芸員を辞めてしまいました。辞めた理由は、何度

計画が立てられない人が劇的に立てられるようになった話 ⑨: 嫌な思い出といかに手を切るか

「嫌な思い出」と「計画」になんの関係があるのか、と思う人もいるかもしれない。だが私にとって、嫌な思い出との決別は計画に馴染む上で決定的に重要であった。繰り返し去来する嫌な思い出は、無尽蔵に私の今と未来を奪って潰していくからである。 嫌な思い出か、掃除かいったん嫌な思い出の沼にハマると、そこでかけられた言葉、そこで見た仕草、その後の結果、などが頭の中を埋め尽くしてしまい本当に抜けられなくなる。寝る前とか、朝の布団の中とか、時には日中とかまでその思い出に襲われ、そうなると疲労感

車椅子ユーザーはそれでも負けない

今回コラムニストの伊是名さんがJRで乗車拒否に遭い、それを記事にしたところ批判の雨霰が降っている。 その多くは… ・事前に連絡をするべき ・階段を無理に担がせるなんて酷い ・車椅子で行けないところにわざと行って駅員を困らせる酷い人だ ・熱海で降りて自分でタクシーで行け ・我慢しろ ・なんでも権利を主張するな ・対話が大切、お互い歩み寄ろうよ 等々である。引用リツイートやリプ欄を見る度に、目眩がして手が震えそうになる。 その誰しもが、譲り合いや遠慮の精神を表に出し自分は正しい

『つち式』を買おう

「ぼくは断言する、ぼくがしたことは、どんな動物もなしえなかったはずだ」 ——サン=テグジュペリ『人間の土地』  去る二月某日、『つち式 二〇二〇』(以下『二〇二〇』)を刊行したのだが、それについてnoteには何も書いていなかった。というのも、刊行前からのこのふた月ほどは、宣伝にさして力を入れなくても多くの注文をいただけたからだ。そして今回これを書くのは、注文が落ち着いてきたからだ。わたしにはこの雑誌にもっと売れてもらわなければ困る理由が、大いにある。  『つち式』は、わた

noteが7周年をむかえました

本日、noteが7周年をむかえました。 いつもご利用いただいているみなさん、お世話になっているみなさんのおかげです。ありがとうございます。 4月には新しいメンバーが12人も入ってくれて、会社の社員数も120名を超えました。100人を超えてからは、まだみんなで集まったことがないのですが、いちどやってみたいものです。 noteの仕事は、これまで世の中になかったものをつくる仕事です。 よく「noteにはやさしい空気が流れている」とほめていただきますが、実現する立場のぼくたち