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エディーさん、ラグビー・イングランド代表監督を解任される。日本が南アフリカから歴史的勝利を挙げた時の指揮官

この報道にショックを隠せなかった。ラグビーのイングランド監督を務めていたエディー・ジョーンズさん(62)が解任されたのだ。前回のワールドカップで、準優勝に導いた指揮官。そして2015年大会では、エディーさんは日本を率いて南アフリカから歴史的勝利を挙げた。来年W杯を迎える中での名将の解任劇に、私はとまどいを感じている。

2015年にイングランドで行われたW杯。日本が優勝候補の一角だった南アフリカから挙げた勝利は、世界をあっと言わせた。ラグビーは番狂わせの起きにくいスポーツと言われている。

15人で戦い、ボールを手で保持しながら試合を行える。タックルして相手を止めるスポーツなので力と力がぶつかり合う。それだけに、力量差を覆す波乱は起きにくいとされるのだ。

その中で奪った歴史的な1勝。エディーさんの手腕が世界的に広まり、日本代表監督勇退後は、強豪イングランド代表の監督に就任することになった。

オーストラリア人のエディーさん。イングランド代表監督に、外国人が起用されるのは初めてのケースだった。それだけ、期待が高かったのだろう。

若手をしっかり鍛え上げる育成力は、日本代表時代と同じだった。2019年に日本で行われたW杯で、イングランドを復活させて準優勝に導いたのだ。イングランドは地元開催だった2015年大会で、屈辱的なグループステージ敗退を喫していただけに、見事な復活へと導いたと言えるだろう。

準優勝に導いたエディーさんだったが、決勝後のふるまいが物議を呼んだ。準優勝のメダルを首にかけられるのを拒否。そのままポケットに入れてしまったのだ。

エディーさんにとって、優勝こそが手に入れたい結果だった。それは4年後への「リベンジ」の決意表明だったともいえる。

ヨーロッパの6か国・地域で行われる「シックスネーションズ」。イングランドは翌年の2020年大会で優勝したが、21年、22年大会は2勝3敗に終わり、満足いく結果を残せずにいた。若手を主力に据えるなど、次回W杯に向けて模索している時期でもあった。

今秋は4試合行われたが、1勝1分け2敗。この「不振」が決定打となって、エディーさんが解任されることになったのだ。特にホームでアルゼンチンに敗れたことが評価を下げる大きな理由となったと思える。

しかし、チームの力をどの段階でピークにもっていくか。早い段階で好成績を残していても、肝心の本番で、ピークを過ぎていれば、「本末転倒」なのだ。エディーさんを見切るのは早計だったのではないか。

果たして、イングランドにとって、エディーさん解任は正解だったのだろうか。来秋に行われるW杯。イングランドは新体制の下で「リベンジ」を果たせるのだろうか。そして、エディーさんの新天地はどこなのだろうか。日本のチームで指導するのだろうか。

サッカーだけでなく、ラグビーにも、さらに注目していきたい。

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